7月5日(日) 2009 J2リーグ戦 第25節
岐阜 0 - 0 富山 (18:04/長良川/4,681人)
スカパー!再放送 Ch181 7/7(火)07:30〜(解説:大野聖吾、実況:加藤義久、リポーター:高木恵子)
☆勝敗予想ゲーム■次回J2は水曜日19時締切!
----------
集まった観衆は4681人。目標の5千人こそ届かなかったが、ピッチ上では白熱した攻防が展開されていた。スコアこそ動かなかったが、中だるみする時間もなく、それぞれが狙いを持った攻撃で、相手の隙を突こうとする姿勢は随所に見られ、非常に面白い試合だった。
前半はどちらかというと富山ペースだった。岐阜のサイド攻撃を封じ、反対にお株を奪うサイド攻撃を展開して、崩しにかかった。この試合展開の要因となったのが、富山MF朝日健太郎のポジショニングの妙だ。【4-4-2】のダブルボランチを敷く富山だが、右サイドハーフに位置した朝日が、ワイドに張り出さずに常に中に絞ったトップ下の位置にポジション取りをしていた。そして攻撃に転じるや否や、一気にサイドに飛び出して、果敢な突破を試みていた。
この彼のポジショニングは右MF染矢一樹、ボランチの橋本卓、そして右SBの冨成慎司の中間であり、岐阜は朝日を誰がケアするのかで、混乱に陥ってしまった。染矢が朝日に付くと、染矢のポジションが低い位置に来てしまい、岐阜にとって高い位置での起点作りが出来なくなってしまう。かといって橋本がケアをすると、菅和範が攻撃的な分、DFラインの前のスペースが出来、相手の長身FW永富裕也のポストプレーを有効活用されてしまう。冨成がケアをすれば、逆に朝日が飛び出していけるスペースを与えてしまう。
「相手の7番(朝日)が14番(川崎健太郎)とサイドを入れ替えてきて、凄く嫌なところにいた。彼らは僕らがしたかったことをしてきて、前半は守勢に回った。ポジションが重なってしまうこともあった」と染矢が語ったように、岐阜は朝日のマーキングが曖昧になってしまったことで、劣勢に立たされたのだった。
実はこの展開は熊本戦でもそうだった。熊本はサイドハーフの藤田俊哉が、朝日と同じようなポジション取りをし、多彩なキックとキレのある飛び出しで、サイドを制圧していた。しかし、この試合では流れを富山に掴まれても、決定的なピンチには至らなかった。それはDFラインがしっかりと人数を残して中央をケアしたこともあるが、相手の両サイドバックの押し上げの少なさに助けられた感があった。
富山は朝日と川崎がいい形でサイドのスペースに飛び込んでも、肝心のサポートが少なかった。それ以上に朝日と川崎が作り出したサイドのスペースをそれほど有効活用しきれなかった。もしここに積極的に両サイドバックが絡んできたら、岐阜は我慢し切れなかったかもしれない。相手の攻撃の詰めの甘さにも助けられ、スコアレスで前半を折り返した。
すると後半、「相手の足が止まってきて、前半富山がやっていたことを、ようやく自分たちがやれるようになった」(染矢)ことで、試合は岐阜のペースになっていく。染矢、高木和正の両サイドが一気に高い位置に張り出し、2トップと積極的に絡んで、攻撃に厚みをもたらすと、橋本、菅のダブルボランチも頻繁にバイタルエリアに顔を出せるようになった。
だが、何度も富山陣内に攻め込んでも、肝心のゴールが奪えない。69分に嶋田正吾、81分に大友慧を投入し、全体の形を変えて、より攻撃的に出るが、最後までスコアが動くことはなかった。
試合は0−0のドロー。このスコアは妥当なスコアだった。どちらにとってもこの試合は『勝てる試合』だった。「ゲームは素晴らしく攻守の切り替えが早いサッカーだった」と試合後、富山・楚輪博監督が語ったように、ともに狙いがはっきりとし、持ち味であるサイド攻撃を出し合った試合だった。同時に課題はどちらもフィニッシュの精度に繋がるのだが。
いずれにせよ、この日詰め掛けた観衆は、サッカーの面白さを少しでも分かってもらえたはずだ。どちらも勝ちにこだわる姿勢は見られたし、試合のスピード感もあった。あとは点を取るだけ。スコアレスドローの中に確かに差し込む希望の光を感じながら、帰路についたサポーターはいるはず。今はただ、その数が多いことを祈りたい。
以上
2009.07.06 Reported by 安藤隆人
J’s GOALニュース
一覧へ【J2:第25節 岐阜 vs 富山】レポート:スコアレスドローでも白熱した一戦。見えた希望の光。(09.07.06)













