7月5日(日) 2009 J1リーグ戦 第16節
広島 0 - 1 磐田 (18:04/広島ビ/13,375人)
得点者:16' 前田遼一(磐田)
スカパー!再放送 Ch183 7/6(月)20:00〜(解説:前川和也、実況:君崎滋、リポーター:掛本智子)
勝敗予想ゲーム
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森崎和幸・森崎浩司・佐藤昭大・桑田慎一朗という長期離脱組に加え、中林洋次・盛田剛平・ミキッチ・高萩洋次郎も離脱。下田崇が約1年2ヶ月ぶりにメンバー入りしたとはいえ、主力選手がこれだけいない。それでも、広島がやることは一つ。自分たちでアクションを仕掛け、パスをつないで攻めることしかない。一方の磐田は、低い位置でブロックを築き、サイドに展開して速攻を仕掛ける意図。互いの意識が激しくぶつかり合い、試合開始からピリッとした緊張感がスタジアムに満ちていた。
6分には西紀寛のクロスに前田遼一が前で潰れ、フリーになったジウシーニョが決定的なシュートを打つも、この試合がリーグ戦初先発となるGK原裕太郎がファインクリア。9分、今度は広島・李漢宰のクロスに高柳一誠が飛び込み、決定的なシュートを放つもDFが身体をぶつけてゴールを許さない。決定機を互いに作り合い、試合の流れは中空を漂っていた。13分。森脇良太から原へのバックパス。そこに前田遼一が思いきったプレスをかけ、判断が遅れた原からボールを奪い、シュート。ここは原が弾き飛ばすも、この時間帯からペースはゆっくりと磐田へと動く。16分、左サイドで起点をつくった磐田は、シンプルな縦パスで攻撃を繰り返す。広島も弾き返すが、セカンドボールが拾えない。広島の最終ラインが低くなってしまい、磐田は人数をかけた攻撃ができるようになった。駒野友一から中央の成岡翔に縦パス。成岡、落ち着いたキープから右サイドへ。上がってきた加賀健一がフリーに。対面の服部公太は西の対応に追われ、加賀へのプレスは遅れた。クロス。森脇良太の前に入った前田遼一が至近距離からヘッド。原の想いをあざ笑うかのように、ネットの中でボールは弾んだ。「自分たちの時間帯の時に点がとれた」と西は言う。実際、その後もペースは磐田が握り、焦って攻めに出る広島の精度のズレを誘いつつ、シンプルなカウンターを繰り出した。26分、青山敏弘のスルーパス。「トラップからドリブルまでイメージどおりだった」と言う佐藤寿人は、川口能活の股の間を狙ってシュートを放った。しかし、そのシュートの精度だけが思うようにいかず、川口の身体に当たってしまう。「この試合で、もっとも悔いが残るシュート」と広島のエースは唇を噛み締めて語ったが、『日本を代表するストライカー』対『日本の歴史を支えてきたGK』の対決は見応えがあった。
後半、広島がボールを支配するも、一つ一つのパスやトラップの精度が微妙にずれ、磐田のプレスの前に決定的なチャンスがつくれない。業を煮やしたペトロヴィッチ監督は、平繁龍一を投入し2トップに。槙野智章を左サイドの高い位置に引き上げた。まさに、攻めダルマ。最終ラインに2人を残し、あとは攻めに攻める。何度もカウンターを食らいもひるまず、攻める、攻める、攻め続ける。「人数をかけて守っているわりには、崩されていた」と西は苦しかった後半を振り返る。最初から広島のパス回しに全力で対応していた磐田の足は止まり、クリアが精一杯になってセカンドボールも拾えなくなった。だが、足が止まっても、磐田の気持ちは下を向かない。高柳、槙野、佐藤寿、平繁、そして大崎。激しく打たれ続けるシュートの雨を、川口が素晴らしいプレーで弾き返す。ペナルティエリアの前に人数を割いて守る磐田の各選手も、身体を張って広島の攻撃を防ぎきった。
「運はウチの方にあった」と西は振り返る。確かに、そうかもしれない。だか、その運を引き寄せたのは、磐田の選手たち自身の頑張りだった。柳下正明監督が勝因の一番に「粘り」を挙げたのも当然だろう。「リズムを変えられなかった。単調だった」と青山敏弘は言う。その言葉通り、今の広島はチェンジ・オブ・ペースができない。コンビネーションの鋭さもあり、決定機も創った。しかし、それでも守られてしまうのは、磐田と広島、互いのリズムがシンクロしてしまっているからだ。川口も「広島が攻めてきたから、守備のリズムを創りやすかった」と語っているが、常にハイスパートで攻め立てる広島のスピードに守備陣が慣れてしまったことが、ゴールのカギを奪えない最大の要因だろう。
「負傷者の復帰は?」という質問に、ペトロヴィッチ監督は「何とも言えない」と表情をゆがめた。広島はまだまだ苦しい日々が続く。そこを跳ね返すには、一人一人が全力で頭と身体をフル回転させることしかない。
以上
2009.07.06 Reported by 中野和也
J’s GOALニュース
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