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【J1:第16節 川崎F vs 鹿島】レポート:重みの違う勝点1を分け合った両チーム。首位鹿島と2位グループとの勝点差は8のままで変わらず。(09.07.06)

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7月5日(日) 2009 J1リーグ戦 第16節
川崎F 1 - 1 鹿島 (19:05/等々力/22,185人)
得点者:33' ジュニーニョ(川崎F)、64' 興梠慎三(鹿島)
スカパー!再放送 Ch183 7/7(火)21:00〜(解説:相馬直樹、実況:佐藤文康、リポーター:新井麻希)
勝敗予想ゲーム
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 試合は1-1の引き分け。しかし川崎Fにとっては敗戦に等しい結果となってしまった。「ホントに勝点3を取りたかったんですが、相手に勝点1をプレゼントしてしまった状態になってしまいました」と悔しさをかみ締めながら関塚隆監督が試合後の弁を述べる一方で、鹿島のオリヴェイラ監督は「僕は今日の引き分けはおめでとうと言っていいと思います」と満足げに試合を振り返っている。1点のリードと60分間あまりに及んだ数的有利な状況を川崎Fは勝利に結びつける事が出来なかった。両監督の対照的なコメントが、内容と結果の意味を物語っていた。

 立ち上がりの時間帯を制していたのは川崎F。1分に中村憲剛からのクロスを受けた鄭大世がボールを落としジュニーニョがダイレクトであわせたオープニングシュートは枠の中に。これは曽ヶ端準が落ち着いてキャッチしたが、川崎Fの2トップが起点となった攻撃はスピード感を伴って鹿島ゴールを脅かし続けた。
 スピード感のある攻撃を仕掛けるという点でいえば、立ち上がりにガマンを強いられていた鹿島も同じ。たとえば5分にマルキーニョスが中盤でボールをカットした場面では、右サイドに展開する間にボランチの小笠原満男がファーサイドに駆け上がり、こぼれ球を狙うしたたかさをみせ、切れ味鋭い速攻でチャンスをうかがっていた。
 シーズンを通して9失点の鹿島はもちろん、リーグ戦再開以降の3試合を無失点で乗り切っている川崎Fも守備の安定感は抜群のものがある。必然的に中盤でのボールの奪い合いは激しさを増し、分厚いポゼッションというよりはワンチャンスをスピードでうかがう、という展開になる。

 そんな緊迫感のある試合が動いたのが、32分の事。鹿島陣内のコーナーポスト付近で得たFKの場面。キッカーの中村から放たれたボールは、一度伊藤宏樹のシュートにつながるが、これは曽ヶ端が体で当ててはじき返す。このこぼれ球を山岸智からジュニーニョへとつなぎ、クロス。谷口博之のヘディングシュートは曽ヶ端の脇に立っていた内田篤人の正面へ。内田は胸に当てたボールをはじき出そうと上体を振る。その一連の行動がハンドと認定され、内田には得点機会阻止でレッドカードが提示され、川崎Fにペナルティキックが与えられる事となった。曽ヶ端はキッカーのジュニーニョのキックの方向を読んでいたが、ジュニーニョのシュートがそれを上回り、ゴール。33分に川崎Fが1点をリードし、前半はそのまま川崎Fが試合をコントロールして折り返す事となった。

 そしてハーフタイムを終えた後半に、鹿島の試合巧者ぶりが発揮される事となった。1人少ないというハンディを背負う鹿島が、1点を追いかけている事を感じさせない試合運びを見せたのである。

 川崎Fは焦る必要はなかったが中央にパスを集められ、パスコースを切られてタテにボールを蹴る試合運びを見せてしまう。その点について山岸は「簡単にサイドに振ってという形でやっていかないと。うちは急ぐ事はなかった。あんなにタテに急がなくても良かった」と悔しさをみせていた。ただ、そこは鹿島のオリヴェイラ監督も考えたもの。「相手の2トップはうちのSBから守備をスタートさせていた」(中村)のだという。つまりそうする事で川崎Fがサイドへとボールを散らす事を阻止し、中央でボールを持たせていたのである。
 蹴らせられていた、という点で川崎Fは自分たちの形を思うように作れず。そんな試合展開に焦らされたわけではないのだろうが、信じられないミスが出てしまう。64分。なんでもないピッチ中央でのボール回しの中、CBコンビとパス交換していた寺田周平が背後から近づくマルキーニョスに気づかないまま、緩いバックパスを出してしまう。パスを出す直前からトップスピードで狙っていたマルキーニョスがこのボールをカットするとドリブルを開始。スペースへと飛び出した興梠慎三に絶妙なタイミングでパスを通した。DFを置き去りにした興梠は冷静に川島永嗣をかわすと、落ち着いてシュート。これが値千金の同点ゴールとなる。

 勝点差が8あるという事や、1人少ないという状況を考えれば、鹿島はそのまま試合を閉じればよかったが、勝点差を縮めたい川崎Fは点を狙いに行かざるを得ない状態となる。分厚く前に出る川崎Fに対し、鹿島は要所要所を押さえた守備を見せ、危機を未然に防いでいく。勝たなければならない川崎Fの焦りを誘った鹿島は、時折鋭いカウンターを見せ、川崎Fゴールを脅かした。

 どちらに決勝ゴールが決まっていてもおかしくはない展開である事を考えると、試合終了までのおよそ30分間はスリリングな内容だった。物理的な選手数で上回る川崎Fが85分の田坂祐介のシュート。後半ロスタイムにはCKから途中交代出場の矢島卓郎のヘディングシュートなどチャンスを作るが、結局ゴールを揺らすまでにはいたらず。1位・2位の直接対決は、結局ドローで決着する事となった。

 勝点1を分け合った事の意味が端的に出ていたのが、試合後の両チームの選手の表情である。がっくりとうなだれる川崎Fの選手に対し、鹿島の選手は一様にやりきったという喜びを見せていた。この結果、鹿島と2位グループとの勝点差は8のままで変わらず。磐石の体制は堅持されているが本山雅志が「まだ何も成し遂げていない」と述べているように、鹿島に油断はなさそうである。
 一方の川崎Fは試合結果を悔やむ声が目立つ。失点がミスから生まれた事を考えると、勝てた試合だったという事もあり、残念な試合になってしまったと言える。

以上

2009.07.06 Reported by 江藤高志
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