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【J2:第26節 熊本 vs 東京V】レポート:2試合連続の完封で4連勝を飾った東京Vが4位の甲府に迫る。熊本は9試合ぶりの無得点で初の3連勝を逃した。(09.07.09)

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7月8日(水) 2009 J2リーグ戦 第26節
熊本 0 - 2 東京V (19:03/熊本/3,744人)
得点者:42' 平本一樹(東京V)、70' レアンドロ(東京V)
スカパー!再放送 Ch185 7/9(木)14:30〜(解説:池ノ上俊一、実況:山崎雄樹、リポーター:風戸直子)
勝敗予想ゲーム
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 コンコースの竹笹に飾られた短冊にあった“味スタの歓喜”の再現はならなかった。内容的にはスコア以上の開きがあったゲーム。第1クールで2-4と逆転負けを喫したリベンジ、といったギラギラした趣を全く感じさせず、淡々と試合を運んだ東京Vが今シーズン初の4連勝を飾って、熊本の3連勝を阻止した。

 この試合、熊本は前節までの2トップからシステムを変更。攻撃面では宇留野純と藤田俊哉が出入りを繰り返す事で東京Vの最終ラインを動かし、そこに生じるスペースに両サイドの山内祐一と西弘則の2人が飛び込んでチャンスを作る狙いがあった。もうひとつの変更は、中盤の構成で、アンカー的な仕事をする石井俊也の周りを猟犬タイプの吉井孝輔が動き、東京Vの出どころを潰しに行く狙い。ここ数試合続いた失点場面を受けての対応で、吉井にはうってつけの役割。序盤こそ、このシステム変更が効果を発揮し、「立ち上がりの10分は狙い通り」と北野誠監督が振り返った通り、山内や西、宇留野の守備での働きもあって東京Vの中盤を抑えていた。

 逆に東京Vは、中央へのパスコースがなければサイドに展開して起点を作りながら、徐々にペースを掴んでいく。というのも、試合2日前のトレーニングや、その時の北野監督の話から察するに、熊本はもう少し高い位置からプレスをかけ、ロングボールを蹴らせてセカンドボールを拾い、そこから攻撃を作っていくという戦い方を想定していたはず。だが、そうした目論みに反して「前半は、どこから追うのかハッキリしていなかった」(福王忠世)ことで、「向こうの最終ラインにボールを回す時間を与えて」(藤田)しまい、「高い位置からのビルドアップをスタートさせてしまった」(北野監督)。つまりは効果的にプレッシャーをかけることができなかったことが、東京Vがペースを掴む要因になった。
 そのため、土屋征夫と富澤清太郎のセンターバックでボールを動かしている間に両サイドバックがするすると高い位置まで上がる。熊本がこの辺りまで流れを掴めていたのは、大黒将志と平本一樹の距離が遠く、熊本の守備陣も集中して対応していた事で決定的な仕事をさせなかったことと、東京Vのサイドバックが上がってできたスペースを使うことができていたから。しかし今節の熊本は肝心なところでのミスが多く、10分の藤田から市村篤司への展開も、13分の石井のインターセプトから始まった攻撃も、おさまるべき所でおさまらずにシュートまで持ち込めず、自らチャンスを潰してしまう。

 取れる時に取れなければ流れが相手に傾くのはサッカーの常で、25分過ぎからは一方的に東京Vが押し込む展開。それでも局面では防いでいたが、42分、那須川将大のクロスに対して飛び込んだ平本が頭で合わせて東京Vが先制した。平本に対して競りに行っていないこと、那須川にクロスを入れさせたこと、その前のレアンドロからの左へのパスと、3つの段階での対応全てができずに招いた失点だった。
 こうなると熊本は点を取りに行くしかなくなる。「攻撃に残っていたレアンドロを、攻める事で落とそうという意図」(北野監督)から市村のポジションをやや上げる。50分にはその市村へ原田拓からの大きなサイドチェンジ、51分には藤田が抜け出して土肥洋一と1対1の場面を作り、55分には右サイドから崩して市村がシュートまで持ち込もうとするが、いずれも東京Vの堅い守備を崩せず、ネットを揺らせない。
 たまりかねた北野監督は65分に西と吉井を下げて木島良輔と山本翔平を同時に投入し、中盤ボックスの4-4-2へシフト。しかし逆に東京Vは素早い切り替えからカウンターを狙い、ハーフウェイライン付近から柴崎晃誠らがドリブルでバイタルエリアまで入り込む。70分の追加点も、パスミスを発端にそうした形から平本が持ち込んでDFをかわし、GK木下正貴のファウルを誘った。このPKをレアンドロが落ち着いて決め、試合を決定づけた。

 東京Vは、「危ないシーンは1回ぐらいだったし、焦る事なくしっかり対応できた」と土屋が話したように、伝統の緑をまとった自信からか、一貫して落ち着いていた。この4試合で勝点を12も積み上げて4位の甲府を猛追するが、それでもなお「目の前の試合を1つずつ勝って、直接あたるところまで勝点を積み上げていくだけ」(服部年宏)と慢心はない。高木琢也監督は「欲を言えば」と前置きしながら、「もう少しボールを動かしても良かった」と話したが、そうすることによって緩急がつき、前線のスピードがより際立つことになる。
 熊本は、第1クールの対戦では2点のビハインドから4点を取って逆転勝ちしたが、この試合では、まず1点を取るためのチャンス自体を作れなかった。決してボールを保持できなかった印象はないのに、シュートがわずか4本に終わったのは、そこまで運ぶ段階でのミスや精度の低さの裏返し。戦前に「守りに入るとやられる」と石井が話していたが、守備を意識するあまり、2列目からの追い越し等の動きが少なかった事も要因として挙げられよう。今後は良いときと悪いときの差を少しずつでも埋めながら、藤田も話している通り、ゲーム前のプランがうまくいかない場合に、ピッチの中で修正できるようになる事が課題となる。

 次節は中2日で迎える札幌戦(7/11@札幌厚別)。この試合と同じく、第1クールでの4-0というスコアは何のアドバンテージにもならない。札幌戦以降も富山(7/19@熊本)、C大阪(7/22@長居)と難敵が待ち構えるが、下を向く必要はなく、前を見て、1歩ずつ歩みを進めるだけだ。長いシーズンはちょうど折り返したばかりで、まだ残りは25試合もある。

以上

2009.07.09 Reported by 井芹貴志
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