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【J2:第27節 草津 vs 甲府】レポート:「宙ぶらりん」の森田を抑えきれずに草津惜敗。甲府の策にハマり自分たちのスタイルを見失う。(09.07.13)

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7月12日(日) 2009 J2リーグ戦 第27節
草津 1 - 2 甲府 (18:04/正田スタ/4,937人)
得点者:8' ダニエル(甲府)、51' 森田浩史(甲府)、54' 都倉賢(草津)
スカパー!再放送 Ch185 7/13(月)15:30〜(解説:佐藤正美、実況:山田浩史、リポーター:円戸由香)
勝敗予想ゲーム
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 甲府の「策」が、草津のサッカーを完全に上回った。甲府のシンプルな戦略にいとも簡単にハマった草津は、ホームで自分たちのサッカーを表現することなくあっさりと敗れた。スコアこそは1対2という僅差だったが、ホームの草津が甲府の土俵で戦い、よそ行きのサッカーをしてしまったことは間違いない。

 メンバー表に森田浩史の名前があったとき、嫌な予感がした。そして、森田のポジションがトップ下と判明したとき、マズイと思った。そして、それは的中することになる。高さのない草津の両ボランチの周囲を長身の森田がうろつき、前線ではマラニョン、金信泳、大西容平という曲者がゴールへと牙を向ける。金と大西の両ウイングは草津の両サイドバックの攻撃参加もけん制。戸惑うDFラインの隙間を縫うように森田が前線へと飛び出してくる。今ゲームで甲府が選択した策は、草津の弱点を的確に突いた合理的な方法だった。

 キックオフ直後から甲府の流動的な動きに戸惑う草津は、チームとしての対応が後手に回りゲームを落ち着かせることができないままピンチを招いていく。そして8分、CKのこぼれ球への反応が遅れてペナルティアーク付近からダニエルにグラウンダーのシュートを打たれる。「人数は足りていたし対応も悪くなかったと思うけど、間を抜けていってしまった」(松下裕樹)。GK北一真が必死のセービングを見せたが、右手で弾いたボールはポストの内側を叩いてゴール内へと転がっていった。

 先制を許したものの草津にもチャンスがないわけではなかった。9分には松下のパスを受けた都倉賢がシュート、19分には熊林親吾のFKが荻晃太を強襲する。だが全体が間延びし、ボールが互いのピッチを激しく行き来する展開は甲府のゲームと言えた。「甲府がロングボールを蹴ってきたことでボールを奪う位置が低くなり、スピードを感じさせる攻撃ができなかった」と櫻田和樹。1点を失った草津は、甲府のサッカーに付き合う形で前半の時間を使い果たしてしまう。

 気持ちを切り替えて後半に入った草津を気落ちさせたのは、森田の一撃だった。51分、藤田健とのパス交換で右サイドを突破した大西が低いクロスをゴール前へと送る。そのボールに森田がファーサイドで合わせて甲府が追加点を奪うことに成功する。「いいボールが入ってきたので合わせるだけだった。今日はトップ下で宙ぶらりんな状態からギャップを突いていった。ワンテンポ遅れてゴール前に飛び込むことでチャンスが作れていたと思う」(森田)。森田は、安間貴義監督の期待に応えて大きな仕事をやってのける。

 草津は直後の54分に都倉が廣山望とのワンツーで抜け出し3戦連続ゴールを決める。「廣山さんと意志の疎通ができて、その結果がゴールへとつながった」(都倉)。だが、勢いに乗り切れず同点に追いつくまでは至らない。草津はその後、小池純輝、高田保則を投入し4-2-3-1のシステムへと変更するが、廣山を右サイドバックに下げたことで前線での起点が減り、攻撃陣を生かすことができなくなっていく。そして、経験豊富な甲府の選手たちに時間をうまく使われて、タイムアップの笛を聞くことになる。

 甲府の安間監督は手堅かった。草津・寺田武史の攻撃参加で右サイドが危ないと見るや金をセンターへ動かし大西を配置。後半、廣山が危険の匂い漂わせると御厨貴文を入れてサイドを埋めた。ゲーム終盤には、3トップから森田、金の2トップへ変更、草津の攻撃に2枚のブロックで対応した。リスクを消して守備の穴を次々と埋めていった甲府の采配には昇格への執念を感じた。甲府は今節の勝利を手土産に次節からの上位3連戦を迎える。

 4位甲府を叩いて上位との差を詰めたかった草津だが、逆に差を広げられる結果となった。「上位のチームは奪い所と守り所がしっかりとしている。今日の甲府は勝つためのサッカーをしていた」(都倉)。昨季、第2クールに最高5位まで浮上し昇格争いに絡んだ草津だが、今季は開幕3節以降、上位争いに加わることなく足踏みを続けている。今季のチームは弱くはないが、チームとして何か欠けているものがあるのではないか。勝負所で結果が残せないチームには、今季の限界が感じ取れた。リーグ戦が進むごとに各チームの総合力は確実に上がり、これからの戦いは熾烈を極める。「攻撃」という武器しか持たない草津の冒険は、前途多難だ。

以上

2009.07.13 Reported by 伊藤寿学
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