7月25日(土) 2009 J2リーグ戦 第30節
栃木 0 - 0 草津 (19:03/栃木グ/4,296人)
スカパー!再放送 Ch180 7/27(月)16:00〜(解説:田中真二、実況:篠田和之、リポーター:萬代裕子)
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栃木SCとザスパ草津の「北関東ダービー」は、お互いのプライドが激しく交錯した。特にロスタイムに突入してからは、勝点3への渇きが強く感じられた、濃密な4分間となった。
先ず仕掛けたのはホームの栃木。鴨志田誉がバイタルエリアでマークを剥がしてシュート。DFに当たり軌道が変わったボールにGK北一真が飛び付くも、届かない。ボールはゴールへと吸い込まれたように見えたが、僅かに枠を反れる。続いて草津がカウンターから2度も栃木ゴールへと襲い掛かる。栃木のCK後に反転速攻で1対3と絶好機を作り出すも、岡田佑樹が絶妙な判断で阻止。絶対絶命の危機を脱した栃木は、最後の力を振り絞る。右サイドでボールを受けた鴨志田がゴール前に放り込んだボールを、ファーサイドで石舘靖樹が頭で折り返す。これに飛び込んだのは若林学。伸ばした足はボールに触れるも捕えきれず、枠内に収まらなかった。ラストワンプレーでの絶好機をものにできなかった栃木。草津との「北関東ダービー」第2戦は、スコアレスドローの痛み分けに終わった。
「一昨日、昨日と選手間でミーティングを行った」
そう話すのは栗原圭介。具体的な中身は明かさなかったが、想像するにここ数試合で問題点となっていた試合の入り方に対する確認だろう。
共通理解が図れたことで、栃木のサッカーに迷いやブレなど一切なかった。ロングボールを有効に使い、稲葉久人を走らせる。DFラインの背後とサイドバックの裏のスペースに。初戦と同様にシンプルな戦法は、上手くはまった。草津のDFラインを押し下げることに成功し、全体を間延びさせ、セカンドボール争奪戦でも優位に立てた。また、コンパクトな陣形を保ったことでプレスが機能。草津の心臓部である松下裕樹を何度も挟みこんでは、ボールを奪い、ボールを下げさせもした。戦前、栃木の選手は松下の展開力とキープ力を警戒していた。落合正幸を中心にボールの供給源を潰せたことで、「ポゼッションできずに蹴るだけになり、ゲームプラン通り蹴らせる守備ができた」(大久保裕樹)。
ポゼッションに難のある草津のDFラインからは、単調なボールしか前線に配球されずに都倉賢と後藤涼の2トップは孤立した。前半は松下のロングシュート1本に終わる。
対照的に栃木はサイドと中央をバランスよく使い分ける。23分、向慎一のボール奪取から河原和寿がスルーパス。これに鋭く反応した稲葉が右サイドを突破してシュート。難しい角度からのシュートを枠に飛ばすも、GK北が好守を披露。37分には河原がミドルゾーンからドライブシュートを放つが、今度はゴールポストに嫌われてしまう。得点機を活かしきれなかった。
後半に入っても河原がドリブルシュートを放ち、向のスルーパスから稲葉もシュートに至るが、ゴールネットは揺らせない。全く前半は何もできなかった草津だが、小池純輝を投入してからサイドにボールを集め出し、松下がボールをさばき始めると、栃木のスタミナ切れも手伝い、リズムが生じる。しかし、栃木は高い集中力を保ち続け、草津に好機を与えなかった。そして、五分五分の展開で迎えたロスタイムの死闘は前述の通り。1点を奪い切るために双方とも死力を尽くし、白熱の攻防を繰り広げるも、終ぞ歓喜の瞬間は訪れなかった。栃木は“北関東2位”の座を守るも、草津を破ることで“首位”水戸に肉薄することは叶わなかった。
「試合内容からすれば、勝点3が欲しい試合だった」と総括した松田浩監督。「決定力はなかなかもってこられない」と非力さを嘆きつつ、「失点がゼロだったことは評価したい」と守備での奮闘は褒め称えた。90分を通してほぼ試合を掌握し、思惑通りの試合運びが出来た。だからこそ、“決めるべきところで決められない”課題が浮き彫りとなった。前節のファジアーノ岡山戦も決定機を掴みきれなかったことが敗因のひとつに挙がっていただけに、無得点は寂しい。今節はダービーということで勝利以外に価値はなかったわけだから、誤解を恐れずに言えばどんな手を使ってでもゴールが欲しかった。
でも、ゴールは水物と言うように、運に左右されるケースが多々あり、その点では無失点に封じ込めたことに目を向けた方がいい。攻撃力が売りの草津をシュート3本に抑えて完封できたことは、守備を軸に戦いを押し進める栃木にとっては大きな自信になるはずだ。ただし、毎試合、最低ラインとして草津戦と同等のパフォーマンスを発揮できるようにしなければならない。
失った勝点2は痛いが、「一歩前進した」と稲葉が言うように、試合の入り方、4-4-2でマッチアップしても主導権を握れること、岡田が窮地を救ったシーンが象徴的なように最後まで諦めない姿勢など収穫は多かった。水戸ホーリーホックとの“北関東天王山”に向けて、栃木は確かな感触を得た。シーズン終了後、「北関東ダービー」第2戦が飛躍のきっかけになった。そう笑顔で振り返れるようにするためには、次節が肝となる。2−3で敗戦を喫した水戸へのリベンジを今季のターニングポイントにするためにも、絶対に譲るわけにはいかない。
以上
2009.07.26 Reported by 大塚秀毅
J’s GOALニュース
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