8月30日(日) 2009 J2リーグ戦 第36節
横浜FC 1 - 0 徳島 (18:03/ニッパ球/2,104人)
得点者:41' 安孝錬(横浜FC)
スカパー!再放送 Ch181 8/31(月)12:00〜(解説:川本治、実況:西達彦、リポーター:湯本久美)
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第3クールに入り、横浜FCの選手、監督は「リベンジの第3クール」にしたいと口を揃えている。第2クールまでで勝ち越しているチームがほとんどないだけに、戦いが充実してきた第3クールで勝利し借りを返すことで、自分たちの存在、そして積み重ねてきた成長を証明することを胸に戦っている。この試合の相手である徳島も過去2敗を喫している相手。その相手に対し、直近の課題であるリードしたときの戦い方で進歩を見せながら、1-0での勝利を果たした。
試合は、徳島のメンバー変更が試合の流れに大きく影響を及ぼす。この試合の徳島は、攻撃のてこ入れを意図して羽地登志晃を外し、佐藤晃大を1トップに、青山隼をアンカーに置く4-1-4-1のフォーメーションを取るが、羽地がいないことでグラウンダーのパスで繋ぐ組み立てが多くなる。一方の横浜FCは、MFとDFがきれいな2ラインの守備ブロックを作り、この組み立てに対してプレスを掛けていくと、徐々に横浜FCが高い位置でボールを奪い、カウンターを仕掛ける場面が見られるようになる。5分には、左サイドで奪ったボールを素早く裏に走った難波宏明に、その折り返しを受けた安孝錬がシュートを放つが、ボールはクロスバーに跳ね返される。このビッグチャンスを皮切りに、横浜FCの狙いが表現されていく。
10分を過ぎると台風11号の影響で雨が降り出し、すぐに豪雨の状態に。試合のコンディションが悪くなるが、試合の全体のペースは変わらない。さらに徳島は、4-1-4-1での守備のバランスが取れず、その結果、横浜FCのカウンター攻撃で守備が遅れる場面を作ってしまう。そして、この流れが得点に結実する。37分、西田剛が横パスをカットすると、そのまま持ち上がり小野智吉にパス、小野のミドルシュートはキーパーに弾かれるが、このプレーで得たCKで難波が倒されPKを得る。このPKを安が決めて横浜FCが先制。豪雨の中、流れを掴んだ横浜FCがリードして前半を終了する。
ハーフタイムに「ゴール前にボールをどんどん入れていこう」と美濃部直彦監督が指示を行って入った後半、徳島は半ばパワープレー気味に積極的に前に出て行く。すると、ゴール前のきわどいシーンが増え、横浜FCとしてはこの2試合でリードが守れなかった悪夢が頭をよぎる展開となる。しかし、この日はゴール前で体を張るだけでなく、高い位置でのプレスを続ける努力を怠らなかった。前半に続き、中盤でプレスからボールを奪うシーンを作り出せていたことで、ゴール前に釘付けになってしまうことはなかった。「セレッソ戦、岐阜戦よりも全体のゾーンを5m、10mでも上げることができている分、最後のパワープレーで放り込んできた時に、ボックスの中でシュートを打たれるシーンはほとんどなかった」と樋口靖洋監督が振り返るように、相手にボールに渡し続けて攻撃を受けていたこの2試合に比べると、そのシーンは減っていた。
徳島は、62分にキム ドンソプ、73分に羽地を投入し、総攻撃に出るが、横浜FCも吉本岳史をアンカーの位置に投入し、4-1-4-1のフォーメーションにすることで守備の徹底を図る。そして、4分のロスタイムを経てこの猛攻を凌ぎ切った横浜FCが、1-0での逃げ切りに成功した。
横浜FCにとっては、課題であった「リードした場面での流れを読んだプレー」に対して、一定の成長を見せた試合となった。敵の猛攻を受けても、ゴール前に釘付けになるのではなく、なるべく相手にボールを渡す時間を減らすべく、ゾーンを上げることができたことは収穫だ。ただ、終盤、ボールを奪った後に時間を掛けることができるシーンでは、不明確なプレーでボールを失う場面が見られたのも事実で、改善の余地はある。より余裕を持った試合運びのために、プレーの選択の精度を高めていくことが求められる。
一方の徳島は、3試合連続で0-1の敗戦となった。シュート数は計7本と、この3試合の中では最多だが、そのうち6本はパワープレーを仕掛けた後半に放たれたもの。この試合でのメンバーの変更でも、攻撃の流れを掴むことができなかった。美濃部監督は、「システム変更とかメンバー変更も考えながら、攻撃が良くなるように改善したい」と今後の戦い方の変更も示唆したが、攻守に渡って自らのペースに持ち込む核となるプレーの構築、ここまでの躍進を支えた自らのスタイルを取り戻すことが求められる。
結果を見れば横浜FCの1-0の完封勝利となったこの試合。ホームのニッパツ三ツ沢球技場でも4試合で3勝1分と、勝ち方を徐々に身につけつつある。「リベンジの第3クール」はこれからも続く。
以上
2009.08.31 Reported by 松尾真一郎
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