今日の試合速報

チケット購入はこちら

J’s GOALニュース

一覧へ

【J1:第25節 名古屋 vs 柏】レポート:リーグ中断が分けた勝敗の明暗。リーグ4連勝を狙った名古屋が、柏の周到なカウンターの前に沈む。(09.09.13)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
9月12日(土) 2009 J1リーグ戦 第25節
名古屋 2 - 3 柏 (19:04/瑞穂陸/9,355人)
得点者:38' 大津祐樹(柏)、60' 村上佑介(柏)、71' 吉田麻也(名古屋)、82' ポポ(柏)、89' 玉田圭司(名古屋)
スカパー!再放送 Ch185 9/15(火)05:00〜(解説:藤川久孝、実況:吉田太一、リポーター:尾原秀三)
勝敗予想ゲーム | 皆の投稿で作るスタジアム情報
----------
前節からの2週間のインターバル。この期間が両チームの力関係を大きく狂わせた一戦だった。試合前の順位は名古屋が8位で柏が17位。今季初となる3連勝で上位追撃への追い風を吹かせつつあった名古屋に対し、柏はJ1残留への切り札としてネルシーニョ監督を招聘するも、勝ち星に恵まれずにいた。リーグがそのまま続いていれば、勢いに勝る名古屋の優位は揺るがなかっただろう。

だが、名古屋はこの2週間で不測の事態に襲われていた。ゲームメイカーのマギヌンとボランチの吉村圭司が出場停止となることは織り込み済みだったが、8月31日のサテライトリーグでMF山口慶が負傷し離脱。ボランチの駒不足が問題となると、DF増川隆洋も負傷で出場回避が決定。GK楢崎正剛と合わせると主力5名を欠く苦しい台所事情を抱えることになった。DFラインには竹内彬、ボランチには3年目の福島新太と代役は立てたものの、相次ぐ主力の離脱にチーム力の総量が下がっていたことは否めない。

逆に柏は中断期間中にネルシーニョ新監督のトレーニングが順調に進行。就任直後から取り掛かっていた守備面をさらに整備し、攻撃面にまで改善の手を伸ばすことができたと試合後に指揮官が語る充実ぶりだった。中盤の要・杉山浩太は出場停止だったが、それを補って余りある万全の準備期間を経て、アウェイ名古屋に乗り込んできた。

試合は戦前の予想通り、名古屋のポゼッションと柏のカウンターの真っ向勝負となった。3−5−2の名古屋に対し、柏は4−2−3−1のフォーメーションで対抗。柏は「相手のリベロのビルドアップを潰す」(ネルシーニョ監督)役割を1トップの北嶋秀朗に託し、前線からのチェイシングを含めた積極的なプレスを展開。ボールを奪うとシンプルに名古屋のゴールを目指した。名古屋も右CBの竹内が逆サイドへのサイドチェンジをアクセントに、得意のポゼッションからサイドへと攻撃をつないでいく。日本代表のオランダ遠征から帰ったばかりの玉田圭司も動きにキレがあり、得意のドリブル突破で次々とDFラインを切り裂いていった。

前半の展開はほぼ互角。しかし、時間とともに両チームの意識の差が現れてくる。ボールキープを軸とする名古屋は、雨でスリッピーになったピッチの影響もあってかセーフティーなプレーを連発。縦への展開よりも横パスを選択することが多く、それを柏の守備陣に狙われてはピンチを招くようになっていった。消極プレーのツケは中盤守備の疲弊を呼び、30分を過ぎる頃には全体の運動量も低下。それはカバーリングに追われ、この早い時間帯にして肩で息をする中村直志の姿を見るに明らかだった。

その中で生まれた柏の先制点はもはや必然。足の止まりかけた守備の甘さを突いて大津祐樹が放ったシュートは、雨で濡れたピッチで加速しGKの手をかすめてゴールネットへ。名古屋は最悪のタイミングでビハインドを背負い、試合を折り返した。

ネガティブな状況を打破したいストイコビッチ監督は、後半から福島に代えて阿部翔平を左サイドに投入。三都主アレサンドロをボランチに入れる強攻策で、柏の守備を切り崩しにかかった。だが、開始序盤に阿部のクロスから生まれた二度の決定機は決めきれず。変わりかけた流れをつかみ損ねると、後半15分には柏の村上佑介が放ったミドルシュートがDFに当たってゴールイン。フリーでシュートを打たせた消極性が、またも失点につながる不運を呼び込んでしまった。

その後は柏ペースで試合が進んだ。カウンターをちらつかせながら、時にポゼッションで時間を稼ぐ柏に名古屋の守備は後手を踏み続ける。後半19分には竹内に代えて巻佑樹を入れ、4−4−2の形で反撃へ。後半25分にはセットプレーから吉田麻也が得点し、後半43分には波状攻撃から獲得したPKを玉田が決めて2点を返す猛攻を見せた。しかし後半37分にはカウンターからPKを献上し3つ目の失点を喫しており、追う展開は変わらず。終盤には吉田を前線に挙げてのパワープレーも繰り出したが、3点目をもぎ取ることはできなかった。

連勝を続けられなかった名古屋の問題点はハッキリしている。玉田が語った「先制点を取られてから動き出す」、吉田が語った「試合の入り方」は、言葉は違えど同義。そして、それは昨季から言われ続けてきた課題でもある。主導権を握ってアグレッシブに前に出た時の名古屋は紛れもなく強い。あとは、その力をいつでも出せるようにするだけだ。確かにストイコビッチ監督が言うように、この日の柏は今後にもつながる良い試合運びを見せた。しかし17位に低迷するチームに主導権を握られていては、上位追撃はままならない。次戦の大宮ではその課題を克服した、勢いだけでない強さを見せてほしい。

以上

2009.09.13 Reported by 今井雄一朗
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

旬のキーワード

最新動画

詳細へ

2025/12/21(日) 10:00 知られざる副審の日常とジャッジの裏側——Jリーグ プロフェッショナルレフェリー・西橋勲に密着