今日の試合速報

チケット購入はこちら

J’s GOALニュース

一覧へ

【J1:第25節 広島 vs 横浜FM】レポート:中島浩司、起死回生のスーパークリア!広島、横浜FMの猛攻を跳ね返し、8戦連続負けなし。(09.09.13)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
9月12日(土) 2009 J1リーグ戦 第25節
広島 3 - 2 横浜FM (16:04/広島ビ/12,126人)
得点者:26' 柏木陽介(広島)、31' 山瀬功治(横浜FM)、35' ストヤノフ(広島)、46' 柏木陽介(広島)、55' 渡邉千真(横浜FM)
スカパー!再放送 Ch186 9/14(月)23:00〜(解説:沖原謙、実況:君崎滋、リポーター:掛本智子)
勝敗予想ゲーム | 皆の投稿で作るスタジアム情報
----------
ハイライトは、通算5度訪れた得点シーンではなく、84分に訪れた2.21秒のドラマだった。そのクライマックスへのストーリーは、広島が得た3度の決定機がプロローグとなった。

66分、ワールドカップ欧州予選で2試合を戦い、試合前日に帰国してきたばかりのストヤノフが疲労困憊のためピッチを去った。以降、ボールが落ち着かなくなった広島は、横浜FMの波状攻撃に押し込まれ、1点のリードを守ることに精一杯。しかし81分、盛田剛平が金根煥からボールを奪ったことから久しぶりのチャンスが生まれる。服部公太のクロスはGKとDFの間に送りこまれ、そこに李忠成が飛び込んだが、ほんのわずかの差で合わない。これが1度目の決定機。
そのプレーで得たCKを李忠成が折り返し、フリーの盛田がボレー。しかしシュートはGKの膝に当たって跳ね返る。これが2度目。その2分後に得たFKからパスをつなぎ、青山敏弘のスルーパスに飛び込んだ槙野智章のシュートはゴールネットを揺さぶった。が、副審のフラッグは真上に。オフサイドだ。

これほどチャンスを逃し続ければ、必ずピンチが訪れる。サッカーに限らず全てのスポーツにおいて、これは不思議なくらい例外の少ない「法則」と言っていい。そして、物語が急展開を迎える。

84分、左からのロングクロスのこぼれを支配した横浜FMは、右サイドに展開。田中裕介がフリーでクロスを供給した。しかしこのボールは、ハイボールに抜群の安定感を誇るGK中林洋次の守備範囲だ。
しかし、キャッチを試みた彼の手の中から、ボールはこぼれる。ファンブルだ。そのボールは、ペナルティエリアの中に入っていた小宮山尊信の正面へ。J1デビュー戦となった第6節新潟戦、中林はファンブルしたボールを、ペドロ ジュニオール(現G大阪)に押し込まれている。この試合でも、坂田大輔のシュートをキャッチできず、山瀬功治に同点弾を許した。その悪夢、再びか。

小宮山、ヘッド。シュートは、ループ状の軌跡を描いて、ゴールマウスを捉えた。槙野が必死に追う。が、届きそうにない。が、その槙野の目に飛び込んできたのが、中島がヘディングでボールをクリアする姿だった。

田中のクロスが入った時、中島は長谷川アーリアジャスールのニアへの飛び込みを捕まえていた。しかし、「GKが飛び出していくのが見えた」(中島)ため、身体を逆方向へと切り替え、ゴールのカバーへ走る。シュート軌道を確実に見据え、「ゴールバーがすぐ上に見えた」(中島)というギリギリの位置から、ヘッドを当ててはじき返した。中林のミスから中島のクリアまで、2.21秒。同点から阻止まで、この短い時間の間に、ジェットコースターのようなドラマが凝縮されていた。

その直後、こぼれを拾った金が左サイドからクロス。ペナルティエリアに入ったところに、松田直樹がフリーで待っていた。そこに、ゴールライン上にいたはずの中島が全速力でプレス、松田のシュートミスを誘ったのである。時間にして15秒、この間に2度、中島浩司はチームを救った。右足から放った強烈なミドルなど、素晴らしいシュートで2得点をあげた柏木陽介に勝るとも劣らない貢献と言っていい。

横浜FMは3トップが前線から追い、中央に守備の強い5人(松田・河合竜二・小椋祥平・中澤佑二・栗原勇蔵)を並べることで広島のポゼッションを寸断、そこからの速攻から勝機を伺った。佐藤寿人を今季初のシュートゼロに抑え込み、栗原のボール奪取からのカウンターで山瀬の同点弾を生むなど、この布陣はある程度機能したとも言える。

しかし、「ポゼッションするべき時もスピードアップしてしまった」と木村浩吉監督が悔やむように、攻撃が速攻に偏ったため、ミスからボールを失うシーンも多かった。前線のプレスにチーム全体が連動せず、中盤にスペースを与えてしまったことも失点の遠因。後半の波状攻撃は迫力満点だったが、「本当に危険だったのは(84分の)中林がボールをこぼしたシーンだけ」と広島・ペトロヴィッチ監督は言う。スピードやフィジカルは強烈だが、それを活かすアイディアを欠き、チェンジ・オブ・ペースができなかったことも勝点を逃した要因だろう。

広島は4連勝、後半戦に入ってから8試合負けなしと快進撃を続ける今のチームを、槙野も柏木も「僕らが2年生の時の広島ユースに似ている」となぞらえた。ユース世代2冠に輝いた伝説のチームのような実績をJ1で残せたならば、確かに「今後100年の歴史に残る」(ペトロヴィッチ監督)。しかしその領域にたどり着くには、まだまだ長く苦しい試練が待っていることも疑いのない現実だ。

以上

2009.09.13 Reported by 中野和也
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

旬のキーワード

最新動画

詳細へ

2025/12/21(日) 10:00 知られざる副審の日常とジャッジの裏側——Jリーグ プロフェッショナルレフェリー・西橋勲に密着