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【AFCチャンピオンズリーグ2010 広島 vs 山東】レポート:厳しいチーム状況の中で精一杯のサッカーを見せた広島だったが、クラブの歴史に刻まれるACL初戦は山東魯能のしたたかさに敗戦(10.02.25)

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2月24日(水) AFCチャンピオンズリーグ2010
広島 0 - 1 山東 (19:00/広島ビ/11,955人)
得点者:77' ハン・ペン(山東)
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公式戦の山東魯能(中国)と練習試合のパルチザン・ベオグラードやレッドスター・ベオグラード(共にセルビア)、果たしてどちらが強かったか。おそらく選手間でも感じ方は違うだろうが、「フィジカル」と「テクニック」の部分で言えば、やはりセルビアの2大強豪に軍配があがるのではないか。
しかし試合内容で言えば、トルコキャンプで闘った2つの「ベオグラード」戦の方が、広島は良かった。「運動量、球際の強さ、規律を持って闘えた」とペトロヴィッチ監督は評価する。実際、その前提ができれば、黙っていてもコンビネーションが生まれるのが昨年までの広島だったし、トルコキャンプでの強豪相手の闘いでもそうだった。だが、当時と現在と大きく違う点がある。それは、様々な意味でのコンディションだ。

試合開始当初から、パスミスが驚くほど多かった。強烈なプレスをかけてきたパルチザンやレッドスター戦よりも圧力が緩い状況でのコンビミスで、それが何度も続いた。「相手どうこうよりも、自分たちのサッカーができないことを怖れる」。このペトロヴィッチ監督の口癖が、耳の中でリフレインする。
「慎重になりすぎて、距離も遠かった。少し臆病に、試合に入ってしまったかも」と中島浩司は言う。今季初の公式戦が史上初のACL初戦となり、運営面などを含めホームゲームとは言えども今までとは雰囲気が違う状況。「堅さはあった」と槙野智章も認める。
それでも11分には、中島のスルーパスに李忠成が右サイドのスペースに飛び出し、高萩洋次郎の決定的なシュートを導いたシーンがあった。28分には森崎和幸のクサビを受けた佐藤寿人が相手DFを引きつけてスルーパスを送り、山岸智はフリーでシュートを打てた。後半も「(69分の)服部公太のシュートや(73分の)佐藤寿人がボールを持ち出したところで、決めることができれば」とペトロヴィッチ監督が悔しがるシーンもあった。
こういう場面での「白か黒か」で結果が変わり、評価も受けるのがサッカーというスポーツ。山東魯能は「アウェイでは負けないことが大切。守備にウェイトを置いた」というイバンコビッチ監督の言葉どおり、攻撃は前の4枚に任せ、ボランチから後ろの選手はガッチリとゾーンを固めた。強さや高さだけでなく、広島のパスワークに惑わされることなくマークも巧く受け渡す「さすが」と思わせる守備を見せた。チャンスの数では広島が上だったが、それも山東の指揮官は織り込み済みだったはずだ。

それでも、広島の状態がもっと良ければ、チャンスの数は倍増しただろう。しかし、佐藤寿人・李・高萩の3人のコンビを合わせた回数はほとんどなく、連係はまだ発展途上。攻撃のタクトを振るうストヤノフや森脇良太は前年の負傷からようやく復帰したばかりで、万全とはほど遠い状態。「ビルドアップでもたついてしまい、崩しに入る前の段階でミスが多かった」と中島は悔やむ。強烈なフィジカルを利したプレスに苦しみながらも決定機を量産したトルコキャンプでの闘いとは異なり、自らのミスで攻撃の主導権を失うシーンも多かった。
試合はCKからの1チャンスで山東魯能のエース・ストライカー=ハン・ペンに決められたゴールが決勝点となったが、先発11人中9人が180センチ以上という高さのある相手だ。セットプレーによる失点の危機は予測できたこと。それよりも、相手よりも3本多い5本のCKを得ながらゴールできなかったことも含め、広島が先制できなかったことが敗因だ。

続出する負傷者や離脱者の復帰時期の遅れなど、キャンプで突きつけられた厳しい現実の前に、苦戦は予想されていた。そのレベルで考えれば「これほどの試合ができるとは思っていなかった」という指揮官の言葉や「ゲームの大半はウチが上回っていた」というストヤノフのコメントも、理解できる。ただ、グループリーグ突破を考えれば、ホームでの敗戦は痛い。浦項・アデレードと強豪がひしめくHグループを勝ち抜くには、もう星を落とせないのが実情だ。

3月6日のJ開幕に向け、トップチームはリカバリー後2日間の休息をとる。ここで心身ともにリフレッシュし、厳しいキャンプで身につけた財産を血肉にして、3月からスタートする「2ヶ月半で16試合」という日程を闘い抜きたい。体調不良で出場を回避した森崎浩司はもちろん、山崎雅人も復帰する予定。ストヤノフや森脇、盛田剛平らの状態もあがってくるだろう。2月の平日ナイトゲームにもかかわらず1万1955人が集まり、熱い声援を注いでくれたこの日のサポーターに報いるためにも、これからの闘いで広島らしいサッカーを見せつけるだけだ。

以上


2010.02.25 Reported by 中野和也
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