今日の試合速報

開幕招待
開幕招待

チケット購入はこちら

J’s GOALニュース

一覧へ

【AFCアジアカップ予選 日本 vs バーレーン】レポート:本田圭佑のゴールもあり2-0で快勝。日本代表の新しい可能性を感じさせる戦いとなった(10.03.04)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
3月3日(水) AFCアジアカップ2011カタール 予選Aグループ第6戦
日本 2 - 0 バーレーン (19:01/豊田ス/38,042人)
得点者:36' 岡崎慎司(SAMURAI BLUE)、90+2' 本田圭佑(SAMURAI BLUE)
SAMURAI BLUE日本代表サイト
----------

雑だなと感じる部分は多々ある。しかし、そうした内容になるのも仕方なかった。これは本田圭佑が言うところの「ぶっつけ本番」での試合であり、チームとしてコンビネーションを合わせる時間は本当に少なかったからだ。ただ、そんな状況にも関わらず日本代表は、それなりの内容の試合を見せた。
救世主たりうるのか、注目していたのはモスクワから帰ってきた本田である。中村俊輔が言うところの「FWと1.5列目の間」に位置していた本田を、日本代表という集団がどのように吸収していくのか。その過程を凝視した。

この日の日本代表は、立ち上がりから冒頭に記したように雑に感じるプレーが続いていた。ただ、雑ながらもサッカーとしての形を保てていたのは、岡田武史監督の言葉を借りれば「今回のメンバーが一番長く一緒にやっていて(中略)そういう意味で連係がよかった」という側面があったからであろう。
注目の本田は、試合開始からしばらくの時間帯でボールをうまく引き出すことができていなかった。一般的な表現で言えば消えていた時間も長かった。ただ、本田自身はボールを引き出そうと流動的な動きを心がけ、チームの中に入れるよう努力を見せていた。その本田の動きについて岡田監督は「今回集まってびっくりしたのは、本田のプレースタイルがかわっていて、シンプルにプレーして動いて守備もする」点であると言及し「今までになく非常に良かったと思っている」と最大限の評価を与えていた。ただ、それにしても立ち上がりの時間帯の本田は試合に入り込めていなかった。FWと1.5列目の間という攻撃において重要なポジションに位置する選手が試合に入り込めていないこともあり、日本代表の持ち味である細かいパス回しは影を潜めていた。

ただ、その一方で局面での崩しは見事なものがあった。例えば松井大輔と長友佑都とが絡む左サイドでの崩しは日本代表の攻撃を紡ぎ出す契機となっていた。左サイドでのコンビネーションについて長友は「松井さんと話し合って、松井さんがやりやすいようにしていました」と話しており、それがうまく攻撃の形となって出ていた。松井がボールを収め、時間を作る。それができることがわかっている長友がフォローし、そして追い越していくとトリッキーなパスが松井から出てくる。ただそれだけのことなのだが、ただそれだけで左サイドは活性化するのである。
もちろん中村俊輔が入った右サイドでもチャンスは作られている。内田篤人がオーバーラップを仕掛けるのに十分な時間を作れる中村にボールが渡ると、内田がポジションを上げて攻撃に絡む。例えば前半22分の場面は、内田から中村で局面を打開し中村が中央にクロス。ペナルティエリア内に入り込んでいた松井がオーバーヘッドシュートを狙い、そのさらに裏の本田が窮屈な体勢ながら枠内にシュートを放つのである。そしてこれは日本代表が目指す形の一つだった。つまり、サイドでタメを作ることでサイドバックがオーバーラップし、シュートで一連のプレーを完結するというものである。

局面ではチャンスは作られていた。しかしバーレーンの守備ブロックに手こずる日本代表に対し、言い様のない不安が沸き起こりつつある時間帯に先制ゴールが決まる。前半36分。中村から本田へとつなぎ、間を作ってもう一度中村へとリターン。ペナルティエリア方向にフリーランニングしていた松井に対し、中村から絶妙なパスが出る。これを松井はダイレクトで中央へ折り返し、ファーサイドの岡崎慎司が頭できっちりとゴールを割るのである。スピード感を伴った素晴らしい攻撃だった。
この日のバーレーンはしっかりとした守備ブロックを形成しており、遅攻ではもちろん、ショートカウンターの場面ですら、日本代表の中央のエリアへの侵入を許さなかった。勢い日本代表の攻撃はサイドへと展開され、そこからクロスが入ることとなる。長身のバーレーンのセンターバックコンビは、ボランチとの連係もあってクロスを次々と弾き返した。サイド攻撃では点が取れないのではと焦りながら見ていた中での先制点は、そのサイド攻撃から生まれていたという点で不安を払拭してくれるものだった。

1点をリードして迎えた後半。日本代表は多めだったというロングボールを減らす方向で前半の戦いを微調整。バーレーンの運動量が落ちたこともあって完全に試合を支配するようになる。また中村が「本田(の存在)が大きいのはゴールキックの時にヘディングで競ってくれるところ。1人でも競れる選手がいるのは大きい」と絶賛する本田のプレーも大きな意味があった。本田が競ることでゴールキックをキープできないまでもセカンドボールはイーブンなボールになり、それによって本田の周りを衛星のように回る岡崎が、それらのセカンドボールを拾う場面が増えた。
また前半との違いは、ラインの裏を狙う動きが増えた部分であろう。特にそれは松井に代わり森本貴幸が投入された後半22分ごろから顕著となり、日本に縦方向のスピードをもたらした。結果的に森本はシュートを放つことができなかったが、1対1で果敢に勝負する場面やスルーパスを呼びこもうとバーレーンのDFラインと駆け引きする場面が目立っていた。交代の場面でも全力でベンチまで走り、ユニフォームに着替える姿を見ていて、戦える選手なのだとの思いを強くした。

試合は1-0という嫌なスコアのままロスタイムへ。通常であればそのまま終わる試合なのだが、そこで試合を決定づける得点が生まれた。遠藤のキープから内田へとパスが繋がりクロス。「ちらっと見た時に中に森本が見えたので合わせました」(内田)というクロスに対し、森本がニアに飛び込む。その動きがあったからこそ、ボールが抜け、走り込んでいた本田がこれを確実にねじ込むのである。
「ニアでクリアされるのが一番良くない。そこで森本が飛び込んでいけば何かが起きる。そこでケイスケ(本田)がよく詰めていた。2人でも何かがやれるということだと思う」とは、この得点に対する遠藤保仁の言葉である。森本の迫力のあるニアサイドへの飛び込みによってもたらされたファインゴールだった。東アジア選手権では見られなかった流れるような攻撃で日本代表が2点目を奪い、結局そのまま試合を終えることとなった。

マチャラ監督によるとFIFAの国際試合に関するルールの影響を受けたとのことでバーレーン代表はベストメンバーではなかった。そうした事情があるにせよ、日本代表は今年の5試合目にようやくいいサッカーを見せてくれた。Jリーグ開幕を直前に控え、選手のコンディションが上がってきていることも大きいのだろう。また「ぶっつけ本番」ながらも見せてくれた新しい組み合わせの可能性は、希望を与えてくれるものとなった。悲観論ただよう中での試合で、その悲観論をある程度黙らせる試合となった。

以上

2010.03.04 Reported by 江藤高志
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

旬のキーワード

最新動画

詳細へ

2025/12/21(日) 10:00 知られざる副審の日常とジャッジの裏側——Jリーグ プロフェッショナルレフェリー・西橋勲に密着