スカパー!生中継 Ch184 12:50〜(解説:大西貴、実況:堀本直克、リポーター:重橋秀香)
--試合速報--
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今節、愛媛がホームに迎える相手はニンジニアスタジアム初登場となる北九州。J初参戦の北九州だが、第3節の東京V戦でJ初勝利をあげて以来、勝利から遠ざかってしまった。原因は明確、ゴールが足りない。今季19チームで唯一、複数得点がなく得点数4はリーグワースト。ただ、第5節の千葉戦での3失点を最後に複数失点もなく、直近で言えば第8節で大分、第10節で岡山を完封しておりディフェンスは大崩れしない。それだけに、前節の札幌戦は開始3分で奪われた先制点が痛かった。リーグ戦も10試合以上を消化したため、薄っすらと見え始めたチームの傾向をもう少しデータで見れば、北九州は13失点中9失点が前半のもの。このチーム状況を考えれば、今節はまず焦ることなく前半の45分をどう乗り切るかが重要だ。
ただ、愛媛も攻守の課題を得点数や失点数の状況で振り返ると、状況は北九州と似通っている。柏に次ぐリーグ2位、わずか6失点の堅守ながら攻撃に目を向けると得点数7は北九州に次ぐリーグワースト2位タイ。愛媛が3試合勝利から遠ざかったのは今季初めてのことだが、その間は無得点。これでは勝点3は得られない。その点では北九州同様、欲しいのはゴールだ。こちらも、もう少しデータを見てみると愛媛の7得点中、前半にあげたゴールは実に5点。愛媛の今の守備力を考えれば、前半のゴールは勝利への最短コースだ。愛媛も最初の45分をどう戦うかで、4試合ぶりの勝利への道筋が見えてくる。
そのデータの一方、戦術的な部分に目を向けると愛媛、北九州ともに攻撃ではしっかりとボールをつなぐサッカーを展開。その反面、両者とも攻撃から守備への切り替えは速く、ブロックを整える。となると今節、どちらもポゼッションから崩していく攻撃の課題をいかにクリアするかが勝利への鍵となる。その状況で、愛媛の攻撃に関してバルバリッチ監督は「サイドは突破できるようになったがシュートにつながっていない」と指摘。確かに関根永悟の右サイドに加え、左サイドの高杉亮太もフィニッシュに絡むシーンが増えた。「ボランチのナベ(渡邊一仁)がカバーしてくれるので、後ろのバランスがいいと上がる機会も増える」と高杉が語るように、守備で愛媛はポジションが流動的にスペースを埋めつつ攻撃のベースを作り出せるようになっている。あとは前線でも同じように人が動き、相手の守備に穴を開けて突破口を作り出せるかだ。
そして、空いたスペースに入り込む積極性を出せるか。バルバリッチ監督が最近、繰り返し発言している「血が足りない」という部分だ。今週、攻撃に関して愛媛はポゼッションでのボールの動かし方や、フィニッシュの部分で様々なパターンをシミュレーションしながらトレーニングを重ねてきた。サイドを突いて相手の守備を広げられたなら、中央で2列目からの飛び出しも効果的になる。当然、そういう形もトレーニングには組み込まれていた。
しかし、これまでの試合でもその動きがなかったわけではない。今節もいかにしてその形が生まれる回数を増やし、ゴールへと結び付けられるかが重要だ。「勝つか負けるかは紙一重。ちょっとした努力だったり、ちょっとした変化で勝つ方に入ることができる」とバルバリッチ監督が語れば「焦っても仕方がないし、貪欲に結果を求めるだけ」とコメントしたFW石井謙伍。その言葉通り焦りや油断は何も生まないし、苦しい時こそどれだけ我慢できるかが大事。攻撃の悩みは北九州も同じで、札幌戦を振り返ってもチャンスが作れていないわけではない。ひとつのゴールでチームが自信を持ち、ステップアップする土台はできている。今、両者にとって停滞を破るカンフル剤となりうるのは、ゴールという結果だけだ。
以上
2010.05.14 Reported by 近藤義博













