5月22日(土) 2010 J2リーグ戦 第14節
大分 0 - 2 愛媛 (16:04/大銀ド/8,222人)
得点者:5' アライール(愛媛)、65' 福田健二(愛媛)
スカパー!再放送 Ch183 5/23(日)後06:30〜
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両指揮官の試合後のコメントがすべてを表していた。
「前節もそうだったが、早い時間帯に失点し、ゲームプランが崩れた。それが結果につながった」と肩を落とした皇甫官監督。「プラン通りの試合ができた。早い時間帯に得点でき、楽に試合を進めることができた」と胸をはったバルバリッチ監督。
互いに対戦相手を分析し、システム、戦術、選手配置を思考して臨んだ。大分は愛媛の堅守(リーグ2位、総失点7)を打ち破るため、梅田高志の攻撃力を生かそうと守備力のある菊地直哉を右サイドバックに配置し、攻撃的な布陣を敷いた。対する愛媛は、攻守のつなぎ役を担っていた越智亮介をケガで欠いたことで、ダイヤモンド型の4−4−2のシステムを採用し、攻撃と守備の役割をはっきりさせた。
双方の考えとして、『攻撃からリズムをつくろうとした大分』と『守備からリズムをつくろうとした愛媛』とチームカラーを前面に打ち出したが、開始5分の先制点が明暗を分けた。愛媛はCKから、クリアボールに反応したアライールが押し込み先制。「まあ…見ての通り、自分たちの力不足」と、高松大樹は悔しそうに、ため息を漏らした。呆気ない失点で敗れたのは、これまで幾度となく見てきたシーンとダブる。セットプレーに対するマークの甘さを改めて露呈してしまった。
早い時間帯にリードした愛媛は、狙い通りの守備で試合を進めた。ただ人数をかけてゴール前を固めたわけではない。福田健二と内田健太の2トップが「相手のセンターバックにプレッシャーをかけ、ロングボールを蹴らせた」(福田)。パスともクリアボールとも言えぬ苦し紛れのボールを出させたことで、大分の攻撃のリズムを狂わせた。
後半の愛媛は、守備の戻りを早くし陣形を整えて粘り強く守るかと思えば、前がかりになった敵陣のスペースを突いて2、3度決定機をつくる。65分には攻撃に転じた大分のボールを奪った大山俊輔が、力強いドリブルで突破し、ゴール前に走り込んだ福田にピンポイントにクロスを上げ、追加点につなげた。その後も状況に応じた柔軟な守備で、大分に付け入る隙を与えなかった。
全く良いところなく完封負けを喫した大分。秘策であった菊地の右サイドバックでの起用だが「起点をつくりたかったが機能しなかった」(皇甫官監督)。さらに攻撃を重視したため、守備が手薄になった感は否めない。この日センターバックでプレーした刀根亮輔、姜成浩は1年目のルーキー。守備を統率させるには、あまりにも負担が大きすぎた。とは言え、ケガ人と代表選出により、第3GKを除く全選手がこの日メンバー入りする非常事態のチームではやむを得ないのか。中断期間まで3試合もある。ただ、弱腰にならず、大胆な発想と開き直りで前向きな試合を期待したい。
以上
2010.05.23 Reported by 柚野真也
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