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ヤマザキナビスコカップ特集ページ | 皆の投稿で作るスタジアム情報
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浦和はヤマザキナビスコカップの3試合を終え、現在2勝1分の勝点7でBグループの首位に立っている。26日に駒場スタジアムで行なわれる山形戦で白星を飾ることができれば、決勝トーナメント進出に向けて大きく前進する。
22日の湘南戦では勝利を収めた浦和だったが、快勝と喜べる内容ではなかった。「正直なところ、今日より優れたサッカーを展開した試合はこれまでにもあったと思います」とはフォルカー・フィンケ監督。ポンテの先制点こそ、今の浦和らしい華麗なコンビネーションプレーから生まれたものだったが、1試合を通してみると、人とボールを動かしながら相手の守備組織を混乱させる形は少なかった。
人もボールも1つのエリアに集中する傾向が強く、行き詰まったところでボールを失う場面が何度か見られた。柏木陽介も「ワンサイドでずっとやってて、そこから強引に仕掛けていたけど、ああいう時に後ろに一回戻して逆サイドに出すとかそういうことをやれればよかった」と振り返る。浦和は強豪を相手にしてもポゼッションでは優位に立てるようになってきている。人口密度の低いウィークサイドを有効活用できれば、もっと優位に試合を進めることができるはず。山形戦では柔軟性に富む試合運びが見られることを期待する。
選手個人にスポットライトを当てるなら、スピラノビッチのプレーに注目したい。15日の仙台とのリーグ戦に引き続き、湘南戦でも先発出場を飾った21歳のオーストラリア人は精度の高いロングフィードで幾度かチャンスを演出していた。ポンテのゴールシーンでも、起点となったのはスピラノビッチが出したロングパスだった。最終ラインからパス一本で勝負の局面を作り出すというのは、最近の浦和ではあまり見られなかったパターン。「新たなオプションになる」と胸を張るスピラノビッチの右足から何本の好パスが出ることになるのか。
一方、山形は予選リーグ3試合を戦って1勝1分1敗の勝点4で5位。悩みの種となっているのは3試合でわずか1得点という深刻な得点力不足だ。ただ、早くも不動のエースとして君臨している新戦力の田代有三はリーグ戦同様に存在感を示しており、ボールを奪った際の第一ターゲットとして機能するだけでなく、ボールを失った時にはファーストディフェンダーの役割もしっかりと担っている。周囲がもっと早くサポートに入る回数が増えれば、攻撃の迫力は増すはずだ。
ボールを奪ってから素早くサイド攻撃を仕掛けるのが山形の攻め手の1つとなっていたが、ヤマザキナビスコカップではなかなかいい形を作れていない。神戸戦では4-3-3のフォーメーションを敷いて変化を求めたが、ミスが多かったようだ。浦和戦でもこのシステムを継続することになるのだろうか。
ピンポイントのクロスを放り込める石川竜也の調子が戻ってこないのも不安材料だ。だが、3月21日のリーグ戦で浦和とぶつかった際には、背番号13の左足から繰り出された高精度のクロスが反攻のきっかけとなった。浦和にとって、注意を怠ることの許されない選手であることに変わりはない。
今シーズンの初顔合わせとなったリーグ戦(第3節@NDスタ)では、浦和が立ち上がりから一方的に試合を支配しながら、相手に付け入る隙を与えて勝ち星を取りこぼしている。あの試合から2ヶ月が経った。浦和にとって、この試合は自分たちがどれだけ成長したのか確認する絶好の機会にもなる。
以上
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★2010Jリーグヤマザキナビスコカップ
≫予選リーグ再開!残り5節のカギを握る14人のニューヒーロー賞候補たち
2010.05.25 Reported by 神谷正明



























