--試合速報--
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この対戦が予選グループ6位対7位の対決になると、誰が予想しただろうか。少なくとも、このグループの本命であったはずの名古屋が6位に低迷することは、チームにとっても想定外だったはずだ。残る4試合で獲得できる勝点は最大でも12ポイント。決勝トーナメントに進出するためには、もはやひとつの引き分けすら許されない状況だ。
名古屋はC大阪とはすでにリーグ戦で一度対戦しており、アウェイで勝利している。しかし試合終了間際に玉田圭司がFKを沈めて得た辛勝であり、試合内容としてはそこまで褒められたものではなかった。ケネディ、楢崎正剛、玉田圭司、田中マルクス闘莉王の主力4名をW杯で欠く今回、試合展開はさらに難しくなることは想像に難くない。メンバーを入れ替えて臨み、いいところなく敗れた前節を鑑みれば、なおさらに不安は募る。
注目はやはり名古屋のメンバー構成だ。大宮戦後、ストイコビッチ監督は次のような発言をしている。
「私の期待に応える選手はあまりいなかった。若い選手には今後もチャンスを与えるが、次に向けての明確な絵が浮かんだことでは、今日の試合は良い機会になった」
明確な絵とは、休養を取らせたリーグ戦の主力をつぎ込み、若手のテストから勝ちにこだわる方針転換をしたということなのか。それとも起用した何人かの若手、サブメンバーの"査定"が済んだというだけなのか。選手起用にかんしてはシビアな一面も持つ指揮官の頭の中に描かれた、今回の一戦に臨むスタメン11人の選考には非常に興味をそそられる。
ただし、敗戦の中にもポジティブな要素は見つけられる。それが2名の攻撃的ポジションの選手だ。ひとりは3トップの一角に入った橋本晃司。スピードはそれほどないが、パスを受けてからのチャンスメークとゴール前への飛び出しには可能性が感じられた。細かいパスワークに絡む技術も高く、足をつりながらも90分間走り抜くなどハートも強い。玉田あるいはマギヌンのような、前線のタメを作る役割として今回も期待が持てそうだ。
もうひとりは花井聖だ。センターバックとして3失点に絡む失態を演じてしまったが、トップ下に上がってからはいくつかのゴールチャンスを演出。攻撃のスイッチ役が見当たらなかったチームにおいて、生粋のゲームメーカーとして見せた輝きは、短い時間ながらも際立っていた。DFとして見せた失敗をストイコビッチ監督がどう評価しているかは微妙なところだが、攻撃的な位置でもう少し見てみたいと思わせる選手であることは間違いない。
いまだヤマザキナビスコカップで勝点を挙げておらず、名古屋以上に予選敗退の危機にあるC大阪のモチベーションが低いわけがない。さらにはレヴィー・クルピ監督の前節での発言を見れば、選手たちは相当焚きつけられてくることだろう。乾貴士や家長昭博など若く能力の高い選手の多いチームだけに、勢いづけばそう簡単には止められない爆発力は秘めている。指揮官の猛ゲキに応える動きを見せられると、名古屋の苦戦は必至となる。
果たして名古屋は現状でのベストメンバーで臨むのか、テストを続けるのか。いずれにしても、予選突破の可能性をつなぐ攻めの一手に期待したいところ。グループ最下位争いと侮るなかれ。両チームの意地とプライドを賭けた一戦に、白熱の要素は満載されている。
以上
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★2010Jリーグヤマザキナビスコカップ
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2010.05.25 Reported by 今井雄一朗



























