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【第90回天皇杯2回戦 広島 vs 島根】プレビュー:チャンスに燃える広島の若者か、Jクラブとの対戦に熱くなる島根の闘志か。厳しい日程を克服し、3回戦進出を競い合う(10.09.04)

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9月5日(日)第90回天皇杯2回戦 広島 vs 島根(18:00KICK OFF/福山)
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非常に厳しい日程である。9月1日にヤマザキナビスコカップ準々決勝を闘い、中3日で天皇杯2回戦に臨む広島にとっては、その後のヤマザキナビスコカップ準々決勝第2戦(9月8日@万博 vsG大阪)やリーグ戦(9月11日@長居 vsC大阪)と続く5連戦の半ば、という意味合いでの厳しさ。対するデッツォーラ島根は、8月29日に島根県予選決勝を闘い、9月3日に天皇杯初戦、そして中1日を置いて2回戦。この酷暑の夏を考え合わせると、殺人的なスケジュールと言っていいだろう。

特に、JFLの1つ下のカテゴリーである中国サッカーリーグを主戦場とする島根にとって、この連戦は厳しい。たとえば、かつて山形や大分でJ2を闘った経験を持ち、今季の中国リーグ2位のアシスト数を誇っている島根の10番=庄司孝は38歳。1回戦の佐川急便中国との闘いで得点をゲットし、「7〜8年ぶりとなるJクラブとの公式戦は楽しみ」とモチベーションも高いが、やはりスタミナ面に不安が残るのは否めまい。
彼だけでなく、初戦に出場した多くの選手たちに、佐川急便中国戦のダメージは残っているだろう。前半に2点を先制。34分に1点を返されたものの、後半に再び2点差をつけた島根だったが、72分に再び1点差に迫られ、終盤は佐川急便中国の猛攻に耐える展開となった。シュート数は11対4と相手を圧倒しているが、その数字ほど楽な試合ではなかったのである。

ただ、彼らはこの連戦で、中国リーグでは上位を走るヴォラドール松江と佐川急便中国を連破し、勝ち上がっている。リーグ戦における現在の成績は5位だが、レノファ山口・松江・佐川急便中国・ファジアーノ岡山NEXTといった上位クラブとの対戦成績は3勝1分1敗。唯一の敗戦となった首位・山口戦でも、2度勝ち越されても2度追いつき、後半アディショナルタイムにセットプレーで失点し敗れたという熱戦。中国リーグ上位と実力が伯仲していることは、この戦績でも証明している。

広島のペトロヴィッチ監督は、「健康面を考えると、ヤマザキナビスコカップのメンバーから選手を入れ替える必要がある」と語った。島根はこの試合が終わると次の中国リーグは9月12日(日)だが、広島は水曜日にG大阪との決戦。さらに中2日を置いて、C大阪とのリーグ戦も控える。島根が連戦の最後という厳しさなら、広島は島根戦後もさらに厳しい連戦が続くという現実がある。その闘いを全て同じメンバーで闘うのは、不可能だ。
ではペトロヴィッチ監督は、どんなメンバー構成を考えているのか。それは今のところ、全くわからない。木曜日(9月2日)はリカバリー、そして昨日(9月3日)の練習もジョギングとボール回しだけで終了し、トレーニングというよりもコンディション調整が主眼。戦術的な練習は一切なかったため、メンバーもわからない。
ただ、指揮官は「これまで試合出場機会が少なかった選手たちにチャンスを与えたい」とも語っている。元U-19日本代表MFの岡本知剛は「監督に公式戦でのプレーを見てもらういい機会。コンディションはいい」と意気込みを見せ、先日のG大阪戦でプロA契約締結条件である「公式戦450分出場」をクリアした丸谷拓也も「自分にとって大きなチャンス。走って、身体をぶつけてボールを奪う自分のプレーを発揮したい」と力強く語った。

ちなみに「その時点でのベストメンバーで臨まなければならない」という「ベストメンバー規定」は、天皇杯にも適用される(Jリーグ規約第41条、42条)。第42条の補足基準にある「直前リーグ戦5試合中1試合以上に先発した選手を6人以上先発させねばならない」という規定はリーグ戦およびヤマザキナビスコカップにあてはまるもので、天皇杯に関する記述はない。ただ文脈から考えれば「天皇杯もリーグやヤマザキナビスコカップに準ずる」と判断したほうが無難。つまり、第17節〜21節までに先発した選手たちから、代表招集中のストヤノフ・槙野智章、負傷離脱中の山岸智を除き、外国籍選手であるミキッチを加えた12人の中から最低6人を先発させる必要がある。そこをふまえ、指揮官がどんなメンバー構成を組んでくるのか、興味深い。

Jクラブにとっての天皇杯初戦は難しい。昨年も浦和が松本山雅(北信越リーグ、現JFL)に敗れるなど、6つのJクラブが初戦敗退の憂き目を見た。酷暑の中でも運動量を発揮し、広島らしいコンビネーションが発揮すること。どういうメンバーで臨んでも、それが初戦突破最大のキーポイントである。

以上

2010.09.04 Reported by 中野和也
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