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【第90回天皇杯2回戦 新庄ク vs C大阪】プレビュー:今夏快進撃を見せるC大阪が、ルーキーFWを擁して、今季の天皇杯初陣で富山新庄クラブ戦に臨む(10.09.04)

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9月5日(日)第90回天皇杯2回戦 新庄ク vs C大阪(18:00KICK OFF/金鳥スタ)
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酷暑が続き、タイトなスケジュールだった8月を、1分の後に4連勝と負けなしで乗り切ったC大阪。攻守ががっちりとかみ合い、J1で現在堂々の2位に付けている。勢いよく9月に入ったC大阪は、今季の天皇杯初陣となる2回戦で、オープン1カ月となる金鳥スタにて、富山県代表の富山新庄クラブと対戦する。

前身のヤンマー時代を含めて、天皇杯では優勝3度、準優勝8度という輝かしい経歴を持つC大阪。しかし、近年で好成績を挙げたのはベスト4入りした2005年シーズンまで遡る。翌06年以降は初戦もしくは2戦目で敗退という状況が続き、昨年に至っては東北社会人リーグ1部の福島ユナイテッドFCに終了間際の失点で敗れる屈辱を味わった。

ただし、06年はJ1で17位となってJ2降格を強いられるような状態で、07年から09年まではJ2での過密日程と激しいJ1昇格争いの最中に身を置いていたため、天皇杯で成果を出せる力を持ち合わせていなかった。それが、今年に関しては、チームもJ1で絶好調。この試合でのメンバーも、日本代表に選出された乾貴士が欠けるのみ。さらに、継続性を重視するレヴィー・クルピ監督は「ベースはほぼ同じで臨む」と、主力の温存などは考えていない。マルチネス、家長昭博、茂庭照幸らを含めた、ほぼベストメンバーがピッチに揃う。そのなかで注目は乾の穴を埋める選手だが、その大役には、C大阪U-18から今年トップに昇格したばかりのルーキーFW永井龍が抜擢されることになりそうだ。

シーズン開幕後の序盤戦では、ケガのために別メニューを強いられることが多かった永井。それでも、その期間にじっくりと筋力トレーニングなどで身体を鍛え上げると、ケガが完全に癒えた夏場からは逞しくなったフィジカルと、彼本来のゴール前での嗅覚を活かしたプレーで存在をアピール。そして、U-19日本代表の一員として臨んだ8月のSBSカップ国際ユースサッカーでは3試合で5得点を挙げて連覇に大きく貢献。さらに8月29日に行われた関西ステップアップリーグの神戸戦でも、宮本恒靖、小林久晃、石櫃洋祐ら経験豊富な選手が揃う相手から2ゴールを奪って、C大阪を逆転勝利に導いた。これらの活躍を評価したレヴィー・クルピ監督が、「年齢は関係ない。実力勝負だ」ということで、この天皇杯初戦にトップデビューの機会を与える決断を下したのだ。この19歳の若武者に対し、「(永井は)いい動きをするので、しっかり見てあげて、いいパスを出したい」と家長が述べれば、清武弘嗣も「(永井に)点を取らせてあげたい」と言うなど、周囲もしっかりフォローする態勢を整えている。

「ミスはあるかもしれないけど、それを気にせず、点を取れればと思っている。取れれば、次のJリーグ(出場の可能性)も見えてくる」と、意気込みを語った永井。彼にとって、プロでの目標の1つである「長居で永井がゴール!」を実現するためには、この一戦は大事。それというのも、金鳥スタでのホームゲームが多くなったC大阪だが、11日には今季最後の大阪長居スタジアムでの試合、広島戦が控えている。「(広島戦で)最低ベンチ入りできるようにしたい」と願う、生え抜きストライカーのゴール前での貪欲なプレーに、ぜひとも注目したい。

一方、C大阪と対することになった富山新庄クラブは、3日に行われた1回戦で、福井県代表のサウルコス福井に2-0と勝利。全国社会人サッカー選手権北信越大会1回戦(3-4)でのリベンジを果たしただけでなく、天皇杯初出場にして、いきなりJ1クラブとの挑戦権を手に入れた。
クラブ公式HPによると、1968年に富山市新庄地域出身者が母体となり設立された富山新庄クラブは、J2のカターレ富山の前身であるアローズ北陸、YKK APでプレーした選手や、富山県出身の選手を中心にメンバーを構成。今季は富山県リーグ1部で8勝1分無敗の成績を残して優勝し、北信越リーグ2部への昇格がかかった北信越チャレンジリーグへの挑戦権を手にしている。天皇杯ではサウルコス福井、県大会決勝ではヴァリエンテ富山といった、北信越リーグ1部の相手にも競り勝つなど、その実力は6部相当のチームのレベルではなく、決して侮れない。
この富山新庄クラブのキープレーヤーを挙げるならば、昨シーズンJ2のカターレ富山でプレー経験がある景山健司、石黒智久の2選手になるだろう。特に景山は昨年のJ2第21節のC大阪戦で途中出場ながら16分間プレーし、カターレ富山の勝利(3-2)の瞬間をピッチで迎えている。サウルコス福井戦でもゴールを決めた26番を中心に、富山新庄クラブでもC大阪相手にジャイアントキリングを狙ってくるはずだ。

富山新庄クラブが中1日で大阪に乗り込んでの戦いということもあり、アドバンテージは断然C大阪にある。それでも、何が起こるかわからないのが一発勝負の醍醐味。それはC大阪も過去の経験からよく知っている。「アマチュアでも真剣に来るから、本気でぶつかりたい」とC大阪の清武。金鳥スタではプロもアマも関係ない、ガチンコ勝負が展開されるだろう。楽しみは、膨らむばかりだ。

以上

2010.09.04 Reported by 前田敏勝
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