天皇杯2回戦でFC岐阜と2年連続して対戦することとなった栃木SC。福岡、神戸で意見をすり合わせながらサッカーを作ってきた、という栃木・松田浩監督と岐阜・倉田安治監督の「究極の師弟対決」第2ラウンドに注目が集まりますが、岐阜戦といえばなんと言っても高木和正選手でしょう。昨季、栃木は「岐阜の高木選手」に大いに苦しめられ、顔も見たくない選手のひとりでした。今季から栃木に移籍し、中核を担う高木選手にとって、岐阜戦をアウェイで戦うのは今回が初めて。古巣戦に関して話をうかがうと普段よりも饒舌に、矢継ぎ早に言葉が飛び出してきました。
「メドウは地域リーグからJFLに昇格した思い出深い場所です。まさか、Jリーガーになってから違うチームで、メドウで試合をするとは思っていませんでした。メドウは3000人くらいで人がびっしりと入った感じになる、雰囲気のあるスタジアムで、そこは岐阜にとって優位かもしれません。芝の状態にも岐阜のほうが慣れているかもしれませんが、それを言い訳にはしたくないですね」
昨季のチームメイトとは仲が良かったという高木選手。岐阜の試合は、ほとんど欠かさずチェックをしているとか。菅和範選手とは頻繁に連絡を取り合っているそうで、永芳卓磨選手や背番号11を託した染矢一樹選手には兄貴的な目線で接しているようです。前回、グリスタでの対戦(第15節 /jsgoal_archive/game/2010/20100200030220100530.html )では入場時に複雑な感情を抱いたそうですが、いざ試合が始まると戦闘モードに切り替えて2−0の勝利に貢献。今回も古巣戦に向けて髪をさっぱりと切り落とすなど、気合は十分です。
「天皇杯なので延長戦もありますが、試合が終わった時に勝っていればいい。昨年も天皇杯ではJ1のクラブと対戦できると意識はしましたね。松本山雅が浦和に勝ったことはビックリしましたが、浦和が来なかったことで自分達にとってはチャンスだと思い、実際にベスト8まで行けました。勝ち上がったことでチームとして成長を感じました。J1クラブと戦う機会は天皇杯しかない。3回戦にはG大阪が来ると思うので、しっかりと岐阜に勝ってJ1クラブと戦いたいですね」
思い出深いメドウで高木選手がどのようなプレーを見せるのか。両クラブのサポーターにとって、かなり興味深い試合になるのではないでしょうか。「活躍することが恩返しになる」と言う高木選手は5月2日以来の一発を、恩返し弾を“密かに”というより、“確実に”狙っているはずです。
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2010.09.04 Reported by 大塚秀毅













