10月16日(土) 2010 J1リーグ戦 第26節
仙台 3 - 2 F東京 (14:04/ユアスタ/17,182人)
得点者:10' 大黒将志(F東京)、30' 梁勇基(仙台)、52' 平山相太(F東京)、86' エリゼウ(仙台)、90' フェルナンジーニョ(仙台)
スカパー!再放送 Ch185 10/18(月)深00:00〜
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10分、F東京この日最初のCK。それに競り勝って合わせた平山相太のヘッドは、ゴールマウス内にいた富田晋伍がライン上で跳ね返す。だが仙台の危機はこれで終わってはおらず、そのクリアを拾ったF東京は右サイドからリカルジーニョが再びクロス。ゴール前では平山…ではなく、今度は大黒将志がついていたDFを振り切りニアでヘッド。そらしたようなボールはゴール左下隅ギリギリに転がり込んだ。「無失点にこだわって、先制点が欲しい」と手倉森誠監督が考えていた仙台のゲームプランは、ものの10分で変更を余儀なくされる。
だが、リードを奪ったF東京が、そのまま逃げ切りをはかれる状況にあったかと言われれば、守備陣の様子は少し怪しかった。序盤は少々強引なミドルシュートしか攻め手がなかった仙台だが、古巣対決に燃えていた赤嶺真吾が的確にボールを引き出したこと、そして彼へ向かう仙台のロングボールに対し、F東京のDFラインがいとも簡単に下がり、守備ブロックに縦関係間の隙間を作ってしまったことも手伝って、リードを奪われたはずの仙台に、F東京エンドで落ち着いてボールを持つ余裕が生まれる。
仙台の同点弾は、まさにこの状況がもたらしたものとなった。30分、ゴール正面で梁勇基が、守備陣を引きつけるだけ引きつけておいて、右の斉藤大介へ横パスを落とす。ただでさえぽっかり空いたバイタルに入り込み「撃つイメージができていた」という斉藤は、トラップで一歩前へぐいと持ち込むと、助走の勢いをそのまま球に込めたかのような強烈ミドル。枠を突いた一発はGK権田修一がかろうじて触ったことで右ポストに一旦は弾かれたのだが、正面に返ったボールに対して反応した守備陣は皆無だった。そこにしっかりと詰めていた梁(ちなみにこの場面、たまたま梁にこぼれたが、仙台は複数の選手が反応を見せていた)が無人のゴールマウスに蹴り込んで同点となる。
ただ、一度は同点に追いついたものの、仙台にも反省が必要な「想定外」がまた起こった。52分、自陣ゴール前のボールをクリアしたまでは良かったのだが、F東京の左サイド中村北斗に拾われる。中村はすぐさまシンプルに、仙台ゴール前に蹴り返したのだが、これがいくら仙台DFラインとGKの間を的確に突いたとはいえ、仙台はここで守備陣のまずい連携を見せてしまった。「(林の)声が聞こえていたが、自分がはっきりと行くべきだった」と語ったのは、中村からのボールに反応した平山をカバーしていた鎌田次郎。鎌田のマークも、GK林卓人の飛び出しも中途半端となる中、平山は後方からの難しいボールに合わせ、ゴールまで比較的遠い位置から頭で正確にゴールマウスへ流し入れた。
大黒の2試合連続弾に加え、平山のリーグ20試合ぶりの得点、F東京としてはこれ以上ない喜ばしい展開。しかも赤嶺がキム・ヨングンからボールを奪い、そこからのパスを受けた関口のシュート、さらにはゴール前のこぼれ球に身体ごと詰めた関口に当たって、ゴールマウスに向かっていったきわどいボールも、権田が鋭い反応ではじき返す。獲ってほしい選手のゴールに、守護神のファインセーブ。普通ならこのまま試合が終わる、いや、F東京にしてみれば、終わらせなければならない試合だったのだが…結論を書くと、この試合は「普通の試合」ではなかったということになる。
試合終了が迫ってきた86分、仙台は左サイドでFKを得る。とはいえまだゴールまでは遠く、何かトリックプレーを打つには難しい位置だったのだが、梁がゴール前に放り込んだボールは無言の「罠」が仕掛けられていた。難なくフィスティングでのクリアを試みた権田の手の先でことのほか伸びたボールは、この日本代表GKの頭上を無情にもすり抜け、右ポスト付近にしっかりと走り込んでいたエリゼウの足を捉える。権田のクリアを疑わず、セルフジャッジで足を止めていたF東京守備陣は、セットプレーでエリゼウをフリーにするというやってはいけないミス。一方で当のエリゼウにとっては、渡辺広大の出場停止で掴んだリーグ10試合ぶり出場のチャンスで、守備ではスピードで置いていかれる場面などを見せてしまっていたが、それを帳消しにして余りある、値千金の同点弾となった。
しかし試合はこれでは終わらなかった。仙台がホームの声援に背中を押されながらも、前節の反省からむやみにバランスを崩すことなく、冷静にF東京を押し込み続ける一方、F東京の守備は完全にゴール前に張り付くことを余儀なくされる。だが、仙台が左右に守備陣を揺さぶれる平瀬智行、左サイドで攻撃の厚みを的確に加えられる田村直也を投入したこともあり、守備はブロックの体をなしていなかった。
そんなゴール前に、斉藤が右からクロスを入れる。ゴール前で複数選手に囲まれていたはずの赤嶺が頭で渾身の落としを見せると、ペナルティーエリア内で生まれていた「横関係の隙間」に、フェルナンジーニョがフリーで飛び込んできた。赤嶺に続きダイレクトで放ったフェルナンジーニョの右足シュートが、「スローモーションのように」(平瀬)ゴールウスに吸い込まれていく。
結局のところ、仙台がリードを奪っていたのは、ここからの後半アディショナルタイムの間だけだったのだが、残留争い直接対決は、仙台に勝点3、そして両クラブの勝点差を6に広げるという結末になった。夕日に照らされてさらに鮮やかに輝く、バックスタンドの仙台サポーター。一方、ピッチを何度も拳で叩きつけた権田を筆頭に、各所で倒れ込むF東京の選手たち…残酷なまでのコントラストが、ユアテックスタジアム仙台に描かれていた。
以上
J’s GOALニュース
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