10月16日(土) 2010 J1リーグ戦 第26節
川崎F 2 - 0 山形 (16:03/等々力/17,427人)
得点者:38' ジュニーニョ(川崎F)、47' 中村憲剛(川崎F)
スカパー!再放送 Ch183 10/18(月)前05:00〜
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別にサポーターを煽りたいというわけでもなく、勝手に体が動くらしい。後半開始早々の47分に、試合展開を楽にさせる2点目を決めた中村憲剛は、サポーターが陣取るスタンドに走った時のことを話した。
「あそこ(スタンド)に行くと気分いいし、ついつい行っちゃいますね」
ゴールの喜びに沸き返る状況の中、そのゴールを決めた得点者が駆け寄って来る。必然的にスタジアムは興奮の坩堝と化すのである。
サポーターと共に喜んだ中村が振り返る。「等々力で前回先発したのって名古屋戦(8月18日)なんですよね。久しぶりに入場からやりました」。選手がそうしたデータを調べている事自体が意外だが、そもそも等々力で試合ができなかった日々を振り返り「等々力が恋しいです(8月30日の発言)」と話すほど等々力を愛している人である。純粋にいつ以来なのか、調べてみたくなったのだろう。それほどまでに等々力でプレーしたい人が、その選手の帰還を待ち望んでいたサポーターの前で活躍。そして勝利を引き寄せる。これ以上ないストーリが描かれた試合だった。
戦前の予想通り山形は攻守の切り替えにメリハリを付け、守備時には9選手でブロックを作り、チャンスと見るや人数をかけて前線へと飛び出していった。そんな山形に対し川崎Fは組織と個人技とで対抗。スペースを限定してくる山形に揺さぶりをかけた。その攻撃で最も効果的だったのが、縦へのパスである。そもそも山形の守備は、CBの2選手に加え、中盤を警戒し続けた佐藤健太郎の運動量によって支えられていた。佐藤はボールを引き出そうとする川崎Fの選手に食いつき、かなりしつこいディフェンスを実現。防波堤の役割を果たしている。
しかし中村を起点とした縦パスでスピードアップした川崎Fの攻撃は鋭かった。例えば8分には中村からジュニーニョに30mほどの距離の縦パスが入り、楠神順平とのコンビネーションを試みている。そしてそうして縦パスを見せておくことで、山形の選手は守備の距離感をつかみにくい状況に追い込まれてしまう。前半15分の川崎Fの攻撃の場面はシンプルなロングフィードから。ジュニーニョの折り返しに楠神が反応。GK清水健太のクリアを楠神が拾い、ラストパスを受けたヴィトールがフリーでシュートするが、ゴールの中で石井秀典がクリアして事無きを得る。17分にはジュニーニョからのパスを受けた黒津勝がマイナスクロス。ディフェンスに当たったこぼれ球をジュニーニョがシュート。山形のDFの頭をかすめたシュートはクロスバーを叩いた。
堅守の山形は、GK相澤貴志にはじき出された27分の石川竜也のFKに続き、32分にはダイレクトパスをつないで縦に突破。最後は下村東美がミドルシュートを放って川崎Fゴールをおびやかしている。山形の堅守を崩そうと攻撃に注力しすぎると、カウンターを食らう。そういう難しさを抱えた川崎Fはしかし、試合を攻撃的にコントロールする。
そんな中、試合が動いたのは38分のこと。自ら得たFKを中村が素早くリスタート。ボールを受けたジュニーニョが、ファーストディフェンスを軽快なステップでかわすと、距離のあるところからミドルシュート。これがゴールに突き刺さる。試合序盤の決定的なチャンスを逃す展開は、天皇杯の横浜FC戦と同様のもの。等々力に漂い始めた嫌な予感を払拭するのに十分なゴールだった。
前半終了間際、そして後半開始早々に1点ずつを手に入れた川崎Fは、守備的になることもなく山形を攻め続ける。そんな中、川崎Fにとって気になるのがジュニーニョの負傷交代であろう。53分頃、足を気にしたジュニーニョがそのままベンチへと退き、55分に矢島卓郎と交代。試合後の会見で高畠監督は「軽い肉離れかなというところなんですが、その度合は明日。経過を見てから」と話している。それに対しジュニーニョ本人は「足はやった瞬間は痛かったんですが、今(試合後)は大丈夫です」と説明しているが、いずれにしても症状は検査結果を待ちたいと思う。
川崎Fが負傷によってカードを切らざるを得なかったのと同様、山形も54分にゴール前に飛び込んだ宮崎光平が相澤と交錯し、そのままピッチをあとにした。小林監督はこの宮崎に代え、田代有三をピッチに送り出している。1点ずつ返したい山形は、ここからおよそ10分おきに交代カードを切るが、試合に効果的な変化をもたらすまでには至らず。結果的に無得点のまま試合を終える事となる。
一方の川崎Fも追加点こそ奪えなかったが、無失点で試合を終えて安定した守備を実現。また、稲本潤一が90分間をフルに戦い、内転筋の問題が解決しつつあることをうかがわせた。ファイナルスコアは2−0。川崎Fはリーグ戦では2連敗中だったホーム等々力で、難敵の山形を相手に連敗記録を止めるとともに、上位陣に喰らいつく勝点3を上乗せしている。
以上
2010.10.17 Reported by 江藤高志













