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【ヤマザキナビスコカップ:決勝 磐田 vs 広島】広島側プレビュー:広島らしい美しいサッカーで屈辱を重ねてきた過去の歴史を払拭し、サポーターと共に国立で歓喜を叫ぼう。(10.11.02)

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11月3日(水)ヤマザキナビスコカップ 決勝 磐田 vs 広島(14:05KICK OFF/国立)チケット販売はこちらリアルタイムスコアボード
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3年前、J1残留の崖っぷちに立っていた広島は、ヤマザキナビスコカップどころではなかった。2年前、ぶっちぎりでJ1復帰を決めたものの、ナビスコカップは蚊帳の外。そして昨年、決勝トーナメント目前で磐田に敗れ、予選リーグ敗退。悔しさを噛み締めながら、F東京優勝の報を聞いた。

広島は過去、何度も「準優勝」を経験してきた。天皇杯で4度、リーグ戦もチャンピオンシップで敗れた。舞台は、いずれも国立競技場。優勝の歓喜を爆発させる相手の選手たち、そしてサポーターの雄叫びが、屈辱で折れそうな心をさらに傷つけた。そして、2度にわたる降格。2008年、ゼロックススーパーカップで優勝をはたし、国立の舞台で歓喜に酔ったその翌週から、J2という現実が待っていた。

広島には、選手たちもサポーターも、悔しい想いばかりを溜め込んできた歴史がある。J1に戻っても、ACLの出場権を獲得できても、その悔しさを晴らせたわけではない。「サッカーの悔しさは、サッカーでしか返せない」とは李忠成の口癖だが、クラブ創設以来18年もの間、地べたに叩き付けられた屈辱を晴らすには、タイトルしかないのだ。

したがって、選手たちも、あるいはサポーターも、モチベーションは自然と高くなる。ただ、ペトロヴィッチ監督は「時として、高すぎるモチベーションはいい結果を招かない。決勝に出場すること、そのものが大きな栄誉なのだから」と指摘する。「大切なのは、決勝という舞台の重圧を、いかに自分たちの中で消化していくか。我々は、勝つためにベストを尽くせばいい。私たちがやってきた楽しくて美しいサッカーを披露し、自分たちがまず、楽しめばいい」。指揮官は、選手たちにそんな意味のメッセージを伝えた。

実際、ペトロヴィッチ監督は記者から「前田遼一選手を抑えるには?」という質問に対しても「彼を90分間、抑えきるのは難しい。むしろ、我々は3点とって、前田選手に2点とられても勝つ。それがベストな回答のような気がするし、広島とはそういうチームだと思う」と語った。相手への対策を考えるのではなく、自分たちがどういうサッカーをするかを考える。そんな哲学のもとで広島はここまで戦ってきた。明日も、相手どうこうではなく、自分たちのサッカーを楽しむことが何よりも大切。その「広島らしさ」を失わずに戦う意思を示した。

決戦前の最後の練習、広島はリラックスした雰囲気の中で過ごした。横浜FM戦での先発組はジョギングとアジリティトレーニングが主で、いわゆる「鳥かご」以外はほとんどボールに触らずに終了。他の選手たちも3人一組のシュート練習で軽く汗を流した程度の負荷。コンディション調整を主としたメニューで、約1時間足らずで終了した。
「磐田は中3日だが、我々は中2日。この違いは厳しいが、しかし我々はただ戦うだけだ」
ペトロヴィッチ監督は言う。ただ、選手たちの疲労はまだ決して抜けきったわけではない。今季はケガ人が続出し、いつもギリギリの状態で戦ってきた。シーズンを通してずっと戦ってきた選手たちに蓄積疲労が見られるのは致し方あるまい。そのため、指揮官も「メンバーの入れ替えを考えざるをえない状況にある。ただ、明朝の状態を見てからの判断になるが」と表情を曇らせる。

とはいえ、横浜FM戦でベンチに座っていた選手たちは、いずれも実績豊富な選手たちだ。佐藤寿人をはじめ、ストヤノフ、ミキッチ、青山敏弘、山崎雅人。若手の丸谷拓也にしても、今季はいいプレーを随所に見せ、自信をつけている。「誰が出ても、広島は広島のサッカーができる」(ペトロヴィッチ監督)ことを今季は証明し続けてきたわけだが、例えば横浜FM戦でのサブ組を全員先発で起用してもクオリティの高いプレーが期待できる。そういう意味では、どういうメンバーでチームが構成されても、心配はあるまい。

「勝つことしか考えていない」と高萩洋次郎は言い切り、「頑張ります。楽しんできます」と高柳一誠は短く、しかし笑顔で語った。そんな彼らを、「SANFRECCE TILL WE DIE(俺たちは死ぬまでサンフレッチェだ)」「明日の夕方、君のことをチャンピオンと呼ばせてくれ」という二つの横断幕が鼓舞する。横浜FM戦からずっと残っているサポーターが、選手たちを励ますために広島から持参してきたものだ。明日は彼らだけでなく、全国各地から紫のサポーターが国立競技場に集結する。屈辱も空しさも、そして喜びも。全ての想いを共有してきた選手とサポーターが一体となって、日本サッカー界の聖地で共に歓喜を叫ぶ。そんな瞬間まで、あと1日だ。

以上

2010.11.02 Reported by 中野和也
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