11月20日(土) 2010 J2リーグ戦 第35節
熊本 2 - 1 岡山 (17:03/熊本/5,193人)
得点者:12' 片山奨典(熊本)、67' ファビオ(熊本)、90'+3 李東明(岡山)
スカパー!再放送 Ch186 11/22(月)後09:30〜
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前節の試合後に高木琢也監督が話していた昇格へのプレッシャーのようなものは、図らずもこの試合が始まる前に解ける。福岡が東京Vに、アディショナルタイムのゴールで、しかも熊本でもプレーした高橋泰の直接FKで勝ち越したという速報は、報道控室でもすぐに広がった。この結果、熊本が今節勝っても福岡との勝点差は12のままで、残り3試合での逆転は不可能となり、ほんのわずかながら残っていた昇格の可能性は、キックオフの前に消えることに。
だが高木監督は「僕も気にすることもなく、選手達にも特に何も言うこともなく、とにかく岡山を倒すことだけに集中した」。しかしそれでも、前節うまく表現できなかった球際の激しさや切り替えを意識した立ち上りのプレーからは、まるで重い鎖から解き放たれたかのような、勢いと清々しさすら感じられた。影山雅永監督が「相手も来るし、ウチも行かなければいけないと送り出した」立ち上りの重要性は、それぞれに前節の試合で序盤に失点したことを受けてのものだったが、そこでまさったのは熊本だった。
「入りの段階から、前節と同じことは繰り返さないようにしようと言っていたし、前からもよくプレスに行ってくれた」と福王忠世は言う。実際、松橋章太とファビオが執拗にプレッシャーをかけると、2年目で初先発となった大迫希をはじめ、中盤も連動してアプローチ。バックパスが増え、そこからのダイレクトパスが徐々にずれ、中盤も含めた選手間の距離のバランスが崩れてきたことなどから、岡山の選手達が少しずつ慌て始めた様子が感じ取れた。こうなるとボールを奪っても特徴である素早い切り替えからのカウンターに持ち込めない岡山。熊本にしてみれば狙い通りの展開である。
果たして12分、そうした前への圧力がゴールとなって結実する。松橋のプレッシャーを受けた岡山DFのクリアがクリアにならず、サポートに入っていた片山奨典が拾って抜け出しGK真子秀徳との1対1に持ち込むと、落ち着いて左足で流し込む。熊本先制。
この先制点ももちろんだが、ゲームのポイントとしてはむしろ、リードを奪った後も手を、いや足を緩めることなく、前からのプレッシャーをかけ続けたことが大きい。だからこそ、この日はセカンドボールの争いでも終始熊本が岡山を凌駕することができた。トップの2人へ効果的なボールを入れさせないなど、「相手の選手の特徴を理解して、それを選手達が実行した」(高木監督)のに加え、「とにかく相手からボールを奪うという気持ち、勝ちたいという気持ち」(同監督)が上回っていたからである。それでも20分には、ポストに救われたが白谷建人に抜け出されて決定的なシュートを許し、29分にもミスからボールを奪われてカウンターを食らう等、危ない場面が全くなかったわけではなく、早い時間帯に追加点が取れるかが次の焦点となった。
岡山の影山監督はハーフタイム、守備の再構築とシュートで終わることを指示。それを受けて「20分ぐらいになってやっとボールが動き出した」(同監督)ものの決定的な場面を作るには至らず。逆に熊本は52分の片山の突破や61分の中央からの崩しなどで形を作り、67分、セットプレーから遂に追加点を奪う。右からの原田拓のコーナーキックをファーサイドにフリーで入って来た福王が丁寧に折り返し、タイミング良く動いたファビオが右足のアウトで合わせる。岡山の守備は人数が揃っていたが、折り返し、シュートいずれの場面でも寄せが遅れた。
影山監督は直後、小林優希に替えて李東明を投入。岸田裕樹を右に回し、川原周剛を左へとシフト。しかし熊本の高木監督も、激しいアップダウンで疲れの見え始めた大迫を下げて西弘則をピッチへ。その後それぞれ狙いを持って交代カードを切るが、基本的な流れは変わらず。だが表示された3分のアディショナルタイムもやがて回ろうかというところで、李がペナルティエリア付近をスルスルと抜け出してゴール。熊本にとっては後味の悪い幕切れとなった。
岡山にとって次につながる1点ではあるが、やはりゲームの入りで後手を踏んだことが最後まで影響し、流れを修復できなかった。影山監督が話す通り、「このまま終わるのではなくてもう一段上げて」、最後に残る上位陣との対戦に生かしたい。
一方の熊本だが、確かに最後の失点は余計とは言え、勝点47の4チームが得失点差で8〜11位に並んでいる状況を見れば、勝点3を加えたこの1勝の価値は非常に大きい。昇格の可能性は消えても、シーズンが終わったわけではない。「可能性がなくなって相手と戦えないようでは困るし、残り3試合を自分たちのモノにできるかで、我々の課題や足りないものが見えてくる」と高木監督も話す。
残り3つでどこまで行けるか、最終的な順位を決める本当の正念場はここからだ。まずは2日後の大分戦で、真の力が試される。
以上
2010.11.21 Reported by 井芹貴志
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