スカパー!生中継 Ch182 後04:50〜
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30節の鹿島戦を落とした時点で、川崎Fからリーグタイトルの可能性は消えていた。すでにひとつ目の目標をなくしていたという点で、前節の名古屋の優勝はチーム内にさしたる動揺を与えているようには見えなかった。その一方で、多摩川クラシコでの勝利は選手たちの心理にプラスの影響を及ぼしている。中村憲剛が出場停止。さらにけが人が続出していた中での勝利は確実にチームに自信をもたらしている。川崎FにはACLという目標(※)が残されている。そういう点でも、気持ちを切らさずにこの試合を迎えることが出来ている。
そんな中、うれしいニュースは中村の戦線への復帰であろう。チーム内には疲労感が蓄積してはいるが、その中にあっても体力的な余裕を持つ選手である。大事な多摩川クラシコをスタンドから見るしかなかったその悔しさを、ピッチでプレーに転化してくれるはずである。
ただし、もうひとつの懸念であるけが人については現状維持が精一杯だ。左ふくらはぎを痛めているジュニーニョは、その痛みを受け入れつつ残り3試合を乗り越える覚悟を決めている。そのジュニーニョとコンビを組む矢島卓郎も、右足に爆弾を抱えたまま。プレーこそ出来ているが、黒津勝の足首も回復の途上。森勇介、田坂祐介は引き続き欠場せざるを得ない状態である。ここに中村と入れ替わるように井川祐輔の累積警告による出場停止が加わる。
川崎Fにとっての強みは井川が音頭を取り、選手たちがACLに向けてベクトルをひとつにできたという点であろう。それぞれがそれぞれに持っていたACLへの思い。サポーターへの思い。そして勝利への気持ちを確認し、そしてその方向をひとつに束ねており、それは力になるはず。
サポーターが歩いて行ける距離にある味の素スタジアムでのアウェイマッチに続き、この試合をホームスタジアムで開催できるのも川崎Fにとっては意味を持つ。夏場の酷暑の中2日の連戦を消化してきた経験も、チーム内には蓄積されている。もちろん過密日程が体力的な問題をチームにもたらしているのは確実だが、それを補う経験を持っているのは救いになる。
そんな中、古巣との2回目の対戦となる相澤貴志は「前回は意識しましたが、今回はもう関係ないですね」と話す。その相澤はC大阪についてカウンターの鋭さを指摘している。「C大阪は守備も固いし、カウンターも鋭いし、バランスが取れてて良いチームだと思います」。実際に前節の横浜FM戦では、決定的な速攻を何度か作り出しており、攻守の切り替えの早さは高いレベルにある。マルチネスを中心とした迫力のある攻撃陣をどこまで食い止めることができるのか。井川と森とを欠くディフェンス陣が、C大阪の攻撃陣をどう封じ込めるのか、注目点のひとつであろう。
攻撃に関しては、前述のとおり中村の復帰によってバリエーションが増えるのは確実。茂庭照幸と上本大海、そしてアマラウ、マルチネスのボランチコンビで実現したリーグ2位の29失点の堅守をどのように崩すのか、楽しみなところだ。
共に勝点52で並ぶ両チームにとって、2位鹿島、3位G大阪の勝ち点56という数字に近づくためにも、負けられない大事な試合である。リーグ2位の守備力を持つC大阪と、同じくリーグ2位タイの攻撃力を持つ川崎Fの対戦は、どのような軌跡を描くのか。非常に楽しみである。
※編集部注:ACLの出場枠は11/24に正式決定されます
以上
2010.11.22 Reported by 江藤高志













