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1993年にJリーグが始まった。日本サッカーの拡充に寄与してきただけでなく、スポーツ文化の発展にも大きく影響を及ぼした。2002年の日韓合同で開催されたFIFAワールドカップは、日本と韓国国内だけにとどまらず、アジア圏初のワールドカップとして世界を熱狂させた。そして、今年のワールドカップでも、日本は大活躍を見せてくれた。本田圭佑に憧れて多くの子供がボールを蹴ったに違いない。
鳥栖も1999年にJ2が創設されると同時に加盟し今日に至る。鳥栖は鳥栖なりに歴史を作ってきた。その時に生まれた子供も12歳となり、オラが街のプロクラブで活躍することを夢見て毎日ボールを追っている子もいるだろう。彼らにとっては、日本代表もサガン鳥栖も同じサッカーであり、憧れの存在である。
そんな鳥栖にも、苦い歴史がある。
2003年には、44試合戦ってわずかに3勝(11分30敗)しかあげることができなかった。このシーズンには、30試合連続して勝利がないというおまけもついてしまった。この時期の苦労を知るサポーターも少なくなったが、今でも鳥栖の居酒屋ではささやかれるほろ苦い思い出である。
この“30試合連続勝利なし”という記録は、前節に破られてしまった。狙ってできる記録ではないが、それだけJ2のチームの力がついてきている証明でもあろう。
その記録を破ったのが、今節戦う北九州である。今季からJ2に加入したルーキーチームではあるが、その初年度から厳しい戦いを強いられている。第3節の東京V戦でJリーグ初勝利をあげて、風雲急を告げたかと思ったが、その後はリーグ諸先輩の手洗い洗礼を受けて、今節まで1勝と苦戦を強いられている。そして、残り2試合となった今節に鳥栖を迎え撃つことになった(北九州は最終節に試合が組まれていない)。ということは、残り2試合に勝利しないと、鳥栖が持っている“年間最少勝利(3勝)”を更新してしまうことになる。鳥栖から見ると、忘れたい過去の記憶を自らの手で書き換える事ができる好機となったことになる。
鳥栖は、第30節以降の戦いを2勝2分2敗と一時期の不振を抜け出した感がある。決して完調とはいえないが、決めるべき人が決め、無用な失点が減ってきたことは事実である。この復調の兆しを見せ始めた大きな要因は、DFラインを高く保つことができ、FWまでの距離がコンパクトになったことがあげられる。その中心は、センターバック飯尾和也とMF丹羽竜平の2人である。
天皇杯3回戦(10/9)から、飯尾和也はセンターバックに入った。丹羽竜平はボランチに回った。飯尾和也が的確なコーチングとラインコントロールを行うことで、チームに1本の芯が通った。丹羽竜平が、ボランチの位置で攻守のバランスを取り、相手の攻撃の芽を摘むことで攻撃が活性化した。それまで、バランスを欠いていたチームにリズムが生まれるようになった。
リズムが良くなると、それぞれの選手の特長が生きてくる。GK室拓哉はより積極的に飛び出すことができるようになった。サイドDF磯崎敬太も相手陣内でプレーする機会が増えている。そして、FW豊田陽平の3試合連続ゴールへとつながっている。今節も、前線からの早いプレスと連動した動きでリズムを作ることができると、“年間最少勝利数”ホルダーを返上することができるだろう。
勝利するチームがあれば、敗者になるチームが出るのは必然のこと。終了の笛が鳴るまでは、“勝利”に向かって全力を出すのがアスリートであり、応援するサポーターも“勝利”を信じて最後まで声を出し続ける。
勝利は時の運だけで得るものではなく、日頃の練習で培われたチーム力と対戦相手の分析による。
自分たちのストロングポイントを最大限に出し、相手のウィークポイントを徹底的に突くことでリズムをつかみ、結果を引き寄せることができるのである。
結果は終わるまでわからない。そこに起きるドラマには筋書きがなく、観ている人に予断を許さない。それがサッカーであり、そうでなければサッカーの魅力を感じることは出来ない。
サッカーは、計算ずくめで戦えるほど甘くはないスポーツである。
以上
2010.11.22 Reported by サカクラゲン













