11月23日（火） 2010 J1リーグ戦 第32節
山形 1 - 0 京都　（19:34／ＮＤスタ／8,582人）
得点者：51' 田代有三（山形）
スカパー！再放送 Ch183 11/25（木）後07:00〜
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●小林伸二監督（山形）：
「立ち上がり、やっぱり重たかったなあと思います。京都のほうが少し元気がよかったのかな。それは何人も新しい選手が出てたということもあるんですけど、そこは乗り切れたなという気がします。数多くのチャンスがあったのに、なかなか点が取れなかったというところと、それに対して後ろの選手が焦れなかったというのは、前後半をとおしてよかったと思います。得点のところの境というのが、早く切り換えができたというところに尽きると思います。スローインになったときに、素早く投げる宮沢と、素早く走る石川の左のコンビがよかったと思います。ほんの一瞬だったと思いますけど、ああいうところの隙を突けたということと、それによって中がバタついたというのは言えると思うんですね。ああいうところの判断っていうんですかね、よかったなという気がします。

前回のホームのときに3-1から3-3になった。セレッソなんで勝点1取れたというところでごまかしは利きますけど、勝点3取れてたゲームを引き分けで終わってしまったというのが、スタッフにも選手にもいいものになって返ってきたと思います。それはアウェイのゲーム(磐田戦)もそうですし、今日のゲームもそうですし、時間に合わせて、場所によってというところで選手のリスク管理がすごくうまくいったと思います。

昨年、直接対決に勝ったときに、『もう1勝』というのかできるような形でよろこんでもらったんですけど、なかなか勝てない。去年はすごくそれが怖かったんですね。今年はきついかもしれないですけどセレッソのゲームがそういうことを全員に教えてくれたというふうに選手に話をしました。今日のゲームもそういうところがあって、ラスト、アディショナルタイム4分を合わせて14分ぐらいは、うまくサイドのほうでコントロールできたと思います。そういう意味でもよかったなと思います。流れのなかではシミケン(清水)がひとつセーブしてくれたというのはすごく大きかったと思います。あのへんはこちらから見れなかったんですけど、やられたような雰囲気だったので、うまく最後まであきらめずに手を伸ばしてくれたと思います。

今回は時間のズレというのがうまく私たちに手伝ってくれて、勝点40で残留ということを3試合前に決めることができたので、ほっとしてる感じですね」

Q:勝てば残留が決まるという状況でしたが、そのことを選手にはどう伝えましたか?
「そういう結果については、何も選手には言ってません。スタッフでも知らないスタッフもいました。前のゲームは2つとも引き分けてる。勝たなくちゃいけないゲームを勝てるチームというのは、こんな低い順位にはいないんですよね。ずっと、勝ちたくて勝点が足らないので、よく起こる現象ですよね。今日の仙台も、大宮も。勝ちきれないんです。そこを勝つと、ひとつ層の高いチームになってたりするんですね。なかなか際のところで勝たないと残留できないし、勝たないと優勝できないところにあると思うんですね、最後のところは。だから、結構引き分けが多いというところは感じてました。(アディショナルタイムが)1分と思ってたんですけど、4分もあったので、『ここで入れられるとほんとにまずいな』という、怖い気持ちでしたけど、うまくいけてよかったです。だから、そういう話はしてないですね。よく言ってたのは、今日は勝点3を取りたいということ。でも、そこは最終的なところであって、自分たちでやらなければいけないのは、問題としてはリスタートでの失点が前回やっと切れたということを、今回もなくすということですよね。それと、際のところですから、自分の得意なストロングなところをいかにゲームで表現できるかというところは意識しなくちゃいけない。それをやり続ける。結果的に、それが、ひょっとしたら負けかもしれないし、今回みたいに勝ち取れるというふうになると思う。だから、ついつい取りたいからそっちだけに行っちゃうと、やるべきことがやれなくて焦ってしまうことってあるんですね。だからそこを外して、やることをやっていくという話を今週はやってました。そういうところは、うまく落ち着いてできたのではないかなと思います。今日も久しぶりに1-0のゲームができたので、選手もやっぱり、自信ですよね。点が取れたということと、(点が取れて)失点がないというのが久しぶりのことなので、何人かの選手が『1-0のゲームができた』ってよろこんでましたので、まさしくそうだと思います」

Q:昨年、残留が決まる前は非常にストレスがかかって大変だったとおっしゃっていましたが、昨年と今年で残留の味の違いをどう感じていますか?
「先ほど言ったように、去年はすごく怖かったですね。去年のチームっていうのは、上位には絶対勝てなくて、下位のチームには勝ったっていうチームだったんですね。それはやっぱりそうだと思うんですね。(J1に)慣れてないし、力の差があるチームには勝てなかった。直接対決を勝ったあとに、(周囲の雰囲気が)もう決まったような感じだったんですよね。このチームで2年仕切ってますけど、指導者として長くしてるといろんな経験をするんですよね。何が起こるかわからないというのを経験してきたんですよね。雰囲気がやっぱり『残れる』というような雰囲気で、去年は本当に怖かったんですよね。結局どういう現象になったかと言ったら、そこから1勝もできないまま進んでいったんですよね。で、レイソルがずっと勝ち続けた。今年は確かに、どうなるかわからないですよね。セレッソのゲームを落としてなければ、すでに決まっているわけですね。でも、天皇杯取れたんだろうかとか、ジュビロに本当に引き分けたんだろうかというのは、わからないんですよね。そういうところでいくと、痛い目に遭ったんですけど、(指揮を執って)3年目のチームが、みんなで苦しい思いをしたというのが伝わるんですね。90分終わるまで集中しないとこんなことが起こるということ。ですから、今回のほうがラクだったですね。今日の戦いにしても、今後の戦いにしても、そういう痛い目に遭ってるので、ちょっとそういうことを言えば通じる仲間って言うんですかね、チームだっていうふうに思っていたので、今年のほうが去年に比べると、精神的にはラクでした。失点はちょっと多いし、得点も少なかったので、直接対決になったりすると怖いなというのはありましたけど、だいぶ選手が戻ってきて、落ち着いてきたっていうのはあるんですね、ここに来て。だいたい崩れていくんですけど、まとまりが出てきて落ち着いてたから、いい感じになったなあというふうに思ってました。昨日のトレーニングが一番重かったですね、やっぱり。なんか言うとストレスを受けるぐらいに、ポゼッションもなっかなかボールが回らなくて、ちょっと心配だなあという気がしました。よく今日のゲームをやってくれたなあと思いました」

Q:今日は長谷川選手ではなく田代選手を先発で起用して、それがズバリ当たりましたが、起用した根拠は?
「ジュビロ戦が終わったあと、長谷川もすごくよかったのでそっちでいったほうがいいのかなと思ってましたけど、移動中ですね、静岡の移動中に(京都の試合の)ビデオを1本見れて、山形に着いたらもう1本、先乗りしてるスタッフが資料を届けてくれて、2試合、昨日見れたんですね。そういうなかで、田代のほうがいいなって判断したのは、ひとつは(京都が)ブロックで守備をするのでアプローチが甘いということで、受けれるだろうということと、クロスの守備に難点がある。リスタートについては結構ルーズだということでいくと、かなりの形で田代は活躍するのではないかなということ。あとは、2トップにしなくちゃいけないときに、長谷川をどこに入れるかというところで、前回は左サイドに入れてたので、宮沢がヘバれば左サイドに入れてもおもしろいのかなと。それは2トップに変形させるためにでも。となると、最終的にピッチに2人立たせることもできるし、今回みたいに田代がヘバればそのまま長谷川を入れることもできたということで。今までは田代をあとのほうにしたほうが、パワーがあるし、ベンチにおるだけでも相手にプレッシャーをかけることもできるんですけど、彼のストレスのところを考えると、天皇杯でも活躍してくれましたし、点も取ってたので、逆に今度は田代からというところでもいいのかなと。そういう戦術的なところと、過去の点を取ったところの実績を踏まえたなかで。それと、今シーズンの(チーム)得点王を、この際のところでピッチに立たせる必要があるのではないかなと思いますし、感じたところがあったので、そういう判断をしました」

以上