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【J2:第36節 栃木 vs 水戸】水戸側レポート:“戦う気持ち”で栃木を退け、水戸が2年連続北関東王者に輝く。(10.11.24)

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11月23日(火) 2010 J2リーグ戦 第36節
栃木 0 - 1 水戸 (12:03/栃木グ/3,547人)
得点者:47' 中山悟志(水戸)
スカパー!再放送 Ch183 11/24(水)後10:30〜
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不細工な内容ではあった。しかし、90分間、水戸の選手たちは前節には見られなかった勝つための執念と情熱をこめてピッチを走り回った。「前節、ベンチで見ていて泣きそうになった」森賢一が、「徳島戦でふがいない試合をして申し訳なかった」と語る下田光平が、チーム全員が体を投げ出し、倒れても倒れても立ち上がって、勝利のためにひたむきに戦った。その結果、1対0で栃木を下し、10試合ぶりの勝利を手に入れた。「相手に打ち勝つ強さが水戸にはあった」。大和田真史は誇らしげに語った。試合後、汗と泥と涙でまみれたユニフォームを身にまとってロッカールームに戻ってきた選手たち。2年連続北関東王者に輝くにふさわしい姿であった。

この試合においてのポイントは3日前に行われた徳島戦からいかに立て直して試合に臨むかということであった。勝利への気持ちを見せることなく敗れた前節から変化を見せられなければ、敗戦は必至だった。だが、水戸はしっかり戦う集団に戻っていた。前節から4人メンバーを入れ替えたことに加え、選手たちの「同じ過ちを繰り返したくなかった」(森)という強い思いが、チームを蘇らせた。序盤からアグレッシブな姿勢を見せて主導権を握った水戸が押し込む展開が続いた。

ただ、「レベルが高い試合ではなかった」と森が言うように、両チームともにミスのオンパレード。特に水戸はボールを奪っては相手に渡してしまう繰り返しで、攻め込みながらもチャンスを作るまでには至らなかった。そこまでは前節と変わりはなかった。だが、水戸はミスを繰り返しても前節のように下を向くことなく、栃木ゴールに向かった。その思いが先制点につながった。右サイドからのスローインのセカンドボールを拾った下田が思い切りミドルシュートを放つ。DFに当たり、ゴール前に転がったボールをGKが対処しようとしたところ、中山悟志は諦めずに詰めていき、懸命に足を出して食らいついた。そして、GKがクリアしようとしたボールが中山に当たり、ゴールへ吸い込まれていったのだ。確かにGKのミスではある。だが、下田の積極性と中山の諦めない気持ちがなければ、生まれなかったゴールであることは間違いない。“勝ちたい気持ち”が呼び込んだゴールと言っていいだろう。

その後は苦しい展開が続いた。9試合勝利から遠ざかっているため、水戸は勝ち慣れてなさを露呈。「勝ててないチームは勝ちが近づくと臆病になり、積極性がなくなってしまう」と木山隆之監督。ホームで負けられないという思いをむき出しにした栃木の猛攻にさらされ、防戦一方の展開を強いられた。そのため、木山監督は「あれ以上点を取れる状況じゃなかった。攻めるよりも守ろうという指示を出し」、逃げ切りを計った。攻められても攻められても水戸は粘り強く対応。栃木の繰り出すパワープレーに対しても大和田、作田裕次のセンターバックコンビが体を張って跳ね返し続けた。栃木にリカルド・ロボがいなかったことにも救われ、虎の子の1点を守りきって、水戸は勝利を手にしたのである。

パスミスの多さ、崩しの場面の精度、1対1の対応、ゲームコントロール……課題の多い内容ではあった。しかし、今の水戸にとっては「内容どうこうというより、勝つことが一番の薬」(大和田)であることは間違いない。再びファイティングポーズを取り戻した水戸。次節、いよいよホーム最終戦を迎える。北関東王者の誇りを胸に、甲府を迎え撃つ。

以上

【北関東ダービー2010 最終順位表】
1位:水戸 勝点8(2勝2分0敗)
2位:草津 勝点6(1勝3分0敗)
3位:栃木 勝点1(0勝1分3敗)

※水戸は2年連続での北関東ダービー優勝となりました。

2010.11.24 Reported by 佐藤拓也
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