11月23日（火） 2010 J1リーグ戦 第32節
横浜FM 1 - 4 浦和　（14:03／日産ス／29,691人）
得点者：3' ポンテ（浦和）、44' ポンテ（浦和）、45'+1 兵藤慎剛（横浜FM）、50' サヌ（浦和）、53' エジミウソン（浦和）
スカパー！再放送 Ch183 11/24（水）後01:00〜
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横浜Ｆ・マリノスは、これで公式戦４連敗。ACL出場権獲得の条件の一つ、３位以内に入る野望は完全についえる。しかも今季最多の４失点、浦和レッズにズタズタにされたのだ。
常に熱い言葉を発信する『闘将』横浜FM松田直樹も、さすがにこの日は硬い表情で、「今日はコメントなしで。松田がダメだったと書いておいて」と言い残し、チームバスに乗り込む。田中裕介は放心状態気味。「ホームで１−４はありえない。ほんと不甲斐ない。かなりガックリきました」と、ため息交じりに言葉を吐いた。屈辱的な敗戦とは、まさにこのことである。

屈辱への始まりは、いきなり訪れる。開始３分。CK後の短いクリアボールをポンテにハーフボレーで狙い撃ちされ、先制点を献上した。
この日のポンテはエクセレントな出来栄え。44分の２点目も、彼のキックの精度の高さを証明するクールなミドルでネットを揺らす。
ピッチを俯瞰しているかのごとく、広い視野を生かしたパスも秀逸。そのため、浦和は序盤から背番号10経由で、何度もチャンスを作り出すことに成功する。

横浜FMの攻撃も前半は「そんなに悪くなかった」（木村和司監督）。15分を過ぎたあたりから徐々に相手ゴールに迫る。
先鋒隊となったのは、J公式戦初先発の松本怜とFW端戸仁。松本は50ｍ走５秒８の快足を飛ばし、再三、左サイドの裏を突く。端戸は横浜FMのなかで数少ない、ハートが伝わるプレーを見せてくれた一人だろう。16分には松本の頭での折り返しをヘディングシュート。32分にも松本の左クロスを頭でプッシュしたがバーの上へ。
そして２点リードされたあとの前半アディショナルタイム。レフティの端戸は、浦和・坪井慶介を背負いながら、柔軟な左足のタッチでキープ。攻め上がった右サイドバック天野貴史へ左足アウトサイドパスを送ると、天野のクロスから兵藤慎剛のゴールが生まれた。

浦和が大勝した一因は、俗に言うゲームの立ち上がりと終了間際の『いい時間帯』に得点を奪えたからに違いない。前半のポンテが奪った２得点もそうだが、３、４点目も後半の序盤である50分、53分に挙げている。
その２ゴールは、端戸と同い年の高橋峻希が、右サイドから演出。３点目は相手DFとGKの間を切り裂く鋭利なクロスで、サヌへアシスト。４点目は左サイドバックを振り切ると、中で待ち構えていたエジミウソンに難なく合わせる。ポンテは高橋のことを「本当にパワーやスピードがある」と称賛。横浜FMの戦意を削ぎ落す、いい仕事ぶりだった。

横浜FM木村和司監督は、敗戦の弁のなかで「基本的に１対１の局面で戦えていない、勝てない。そこに尽きるのかなと思う」と述べた。これには同感。この日の横浜FMは、球際のシーンでかなり劣勢を強いられていた。後半の２失点は、いずれも中盤の局地戦で競り負け、速攻を食らってやられている。
それは「ケガ人続出」「連敗」という負の連鎖がもたらしているかもしれない。だが、連敗を止めるには、戦う気持ちを呼び覚ますことが最低限必要なはずだ。

以上

2010.11.24 Reported by 小林智明（インサイド）