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【J1:第32節 川崎F vs C大阪】レポート:ACL出場権をかけた直接対決はC大阪に軍配。決定力の差が試合を分ける。(10.11.24)

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11月23日(火) 2010 J1リーグ戦 第32節
川崎F 1 - 2 C大阪 (17:03/等々力/16,194人)
得点者:57' 小松塁(C大阪)、69' アドリアーノ(C大阪)、80' ヴィトールジュニオール(川崎F)
スカパー!再放送 Ch183 11/25(木)後01:00〜
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一進一退の攻防が続いていた。C大阪は1トップ3シャドーの個人技を最大限に生かし、前への圧力を強める。川崎Fは難敵と対峙した際にそうしてきたように、セーフティーにクリアする場面が続いた。ただ、それでも虎視眈々とチャンスを伺っており、相手ボールを奪った瞬間に攻撃へのスイッチを入れ、カウンターに狙いを定めていた。

共にゴール前にまではボールを持ち込む展開の中、先制のチャンスは川崎Fに訪れる。前半25分。中村憲剛からのサイドチェンジの難しいボールを、プレスを受けながらも素晴らしいトラップで収めた小宮山尊信がC大阪の2枚のディフェンスを抜き去る。左サイドを破った小宮山はそのままペナルティエリアをえぐり取ってマイナスのクロス。フリーのジュニーニョがこれに合わせた。ダフリ気味の弾道だった事もありこの日ファインセーブを連発することとなったキム・ジンヒョンは反応できない。しかし、ダフっていたが故に枠を捉えることもできなかった。川崎Fのチャンスは、ゴールにならなかった。

実力伯仲のチーム同士の対戦では、決定機はそう訪れるものではない。その後の川崎Fの試合運びを振り返った時に、この場面が与える影響は小さくはなかった。

先に動いたのはC大阪だった。後半の頭からアマラウに代わり、小松塁を投入。攻撃のテコ入れを図る。最終ラインから試合を見ていた茂庭照幸は「(後半から)ボランチがマルチネスとアキ(家長昭博)になって中盤に空間が広がった。バランスがよくなった」と監督の采配を解説。この結果、後半の立ち上がりからC大阪がペースを掴むこととなる。

小松はすぐに結果を出す。57分に、右サイドの酒本憲幸がアーリークロスを入れると、これを絶妙のヘディングで流しこむのである。交代采配によってペースを掴み、そして得点を決める。選手もすごいがクルピ監督のベンチワークも的確だった。

負けられない川崎Fは、失点直後の58分に楠神順平に代えて黒津勝を投入。巻き返しを図り猛攻をしかける。しかしこの試合の2点目は、川崎Fには訪れなかった。69分に自陣のクリアボールを受けたアドリアーノがドリブルを開始。ヴィトール・ジュニオールを振り切り、エリア内へ。シュート体勢に対してディフェンダーがカバーに入るが、これをキックフェイントでかわして技ありのシュートを流しこむ。重戦車のようなドリブルと、柔らかなフィニッシュについては、茂庭が「日本ではああいうことができるのはあいつしかないと思う」と絶賛する美しいゴールだった。

2点差をつけられた川崎Fは、ここで敗れるとACL圏内の3位の可能性が大きく遠のくだけにリスクを負って前に出る。失点の1分後にはCBの菊地光将を下げて谷口博之を投入。すると80分にヴィトールが1ゴールを返して望みをつなぐ。5分のアディショナルタイムを含め、攻め続けるが、集中するC大阪の守備陣を崩しきれない。シュートは打てていただけに、守るC大阪の壁の分厚さを痛感させられた試合となった。

試合の方は1−2で終了。勝点で並ぶライバルに対し川崎Fは惜敗。順位を6位にまで落とす事となった。

「仕方ないですね。最後の最後までやりたい。ACLのチャンスは小さくなりましたが、そのチャンスを信じて戦いたいと思います」とジュニーニョは肩を落とした。

一方のC大阪は順位こそ4位で変わらないが、鹿島の敗戦を受け、その鹿島に対し勝点差1にまで肉薄。攻撃面でアクセントを付けていた乾貴士は「勝てたことはでかいですね。この相手で勝てたということも、上も負けましたしね。差を縮めて、ACL目指して行きます」と話し、ACLはもちろん敵地で川崎Fに勝てたことを含め、手放しで喜びを見せていた。
同じACLという目標を目指していた両者なだけに、試合後の対照的な表情が印象的な試合となった。

以上

2010.11.24 Reported by 江藤高志
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