11月23日(火) 2010 J2リーグ戦 第36節
東京V 1 - 0 愛媛 (19:33/味スタ/2,539人)
得点者:89' 高木善朗(東京V)
スカパー!再放送 Ch186 11/25(木)深02:30〜
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若手の奮闘が、東京Vに勝利をもたらした。
「正直、難しい試合だった」(土屋征夫)。前節で今季のJ1昇格の可能性が消滅した東京Vにとっては、精神的ダメージは否めなかった上、中2日の連戦で、蓄積した疲労の回復ができず、フィジカル的にも厳しい状況だった。それでも、川勝良一監督の「最後まで、見に来てくれた人に自分たちのサッカーを見せることは、プロとしてやらなければいけないこと」という叱咤に感化された選手たちは、自分を奮い立たせてピッチへ上がった。
しかし、ゲームそのものもまた、東京Vとしては非常にやり辛い内容となる。前々節、前節と、攻撃的な千葉、福岡が相手だっただけに、攻め合う中での勝負が続いていたが、この試合は違った。「今日の相手は相当ディフェンシブで、人数をかけて攻めてこない。攻撃の時にボールを動かすスペースをどう作るか」(川勝監督)。特に前半は、苦戦を強いられた。かなり引いてくる愛媛に対し、最終ラインでは好きなだけボールは保持できても、前線への有効なボールがほとんど入れられない。また、自分たちのミスも少なくなく、攻撃もシュートで終われない状態が続いた。
「前半は外があまり使えずに中にボールを入れすぎ、あまり形的にはよくなかった」と、川勝監督は、負傷も抱えていた佐伯直哉に代えて、ボランチにサイドバックもこなす和田拓也を後半のスタートから投入。ライン際の選手を使うよう、できるだけサイドにボールを入れるようにと指示を受けた和田が、意識してサイドに散らすようになると、少しずつ流れを掴んでいった。
それでも、なかなか愛媛DFを崩しきれず、東京Vとしては奥歯を噛むような状況が続く。そんな固い試合が動きだしたのは、後半30分高木善朗、35分小林祐希と、高校3年生2人が立て続けに投入されてからだった。
右サイドに代わった小林が入ると、すかさず土屋が歩み寄り「絶対にシュートかセンタリングで攻撃を終わってくれ。途中で取られて毎回カウンターばかり食らってたらたまらない」と一声。「入る前、同じことを冨樫コーチにも言われていたし、どんな時でもそれ(シュートで終わること)が理想」と、理解を示す小林は、攻撃をやりきることを、より一層意識する。そして実際、その小林のクロスが決勝点につながった。「あの状況が作れてよかった」9月18日以来、久しぶりの出場で得点に絡んだクラブユース選手権MVPは、笑顔を見せた。
小林の入れたクロスが行き着いた先は、同級生・高木善の元だった。前節の福岡戦で、ビッグチャンスを逸した反省が、この場面でシュートという選択肢を選ばせたという。「周りからは、すごく成長していると言ってもらうけど、前節のチャンスでもし自分が決めて勝てていれば、この試合も昇格がかかったものになっていたと思うと、すごく悔しい。今日はどうしても決めたいと思っていました」
前節の教訓を活かして放ったシュートは、ペナルティエリア内で愛媛DFの手に当たり、PKを得た。
「自分が奪ったPKだったし、どうしても蹴りたかった」。18歳の要求が、快く受け入れられるところもまた、今季の東京Vの特長だろう。高木善本人が自らPKを沈め、チームを3試合ぶりの勝利に導いた。
「J1昇格がなくなってしまって、悲しい気持ちは当然ある。だけど、上の人たちがガクッとなってしまったところを、僕たちが若さで盛り上げていかないと」小林の言葉通り、若手の意欲と責任感がもたらした勝利だったと言えよう。東京Vにとっては、来季への希望が見られたのではないだろうか。
愛媛も、中2日でコンディションは当然厳しかった。しかし、「PKまでは、ほぼプラン通りに進めていた」(関根永悟)だけに、ハンドで与えたPKはアンラッキーだった。試合終了のホイッスルが鳴った瞬間の愛媛選手たちの落胆具合が、無念さを非常によく表わしていたように思う。「8位以内」というチーム目標の達成が目前とあり、モチベーションの上でも、東京Vを勝っていたと言っても過言ではなかった。
「ポゼッションの上手い東京Vに対し、どれだけ我慢し通せるかがテーマだったと選手たちは口にしていたが、徹底した守備はほとんどほころびを見せなかった。攻撃も、特に前半は、枚数はかけないながらも、ボールを奪ったところから即スピードアップし、ジョジマール、内田健太へつないで勝負する、という自分たちの形はできていた。また、サイドの杉浦恭平のサイド突破も有効で、東京VのDF人を何度も慌てさせた。敗れたとはいえ、やはり7戦不敗が決してフロックではないことを証明したと言えよう。
ただ、「結果は出ていても、相手の方がチャンスが多かったりして、たまたま勝っていたこともある。みんな決して満足していない。今、せっかくチームが上がっている。もう1コ上のレベルに行くためには、攻撃でもしっかりとやりきることが必要だと思います」と、三上卓哉は話す。
目標の8位以内へ向け、そして、来季のさらなる成長のため、残り2試合は結果にも内容にもこだわりたいところだ。
以上
2010.11.24 Reported by 上岡真里江
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