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☆J's GOALでは2011年も全クラブのキャンプ取材を実施します!
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2011年の広島キャンプにとって、主役は誰かと問われれば、文句なく李忠成だ。アジアカップ決勝で見事なボレーシュートを放って以降、メディアもサポーターもみんな、彼を追いかけ続けた。また、李自身が取材やサポーターへのサービスに対して真摯に対応していたため、人気はさらに高まっていた。
ただ、裏の主役もまた、このキャンプには存在していた。ダビド・ムジリ。今年で33歳になる元グルジア代表だ。
過去に目立った経歴と言えば、ロシアの名門ロコモティフ・モスクワに在籍していたことくらい。シュトルム・グラーツ(オーストリア)でペトロヴィッチ監督の指導を受けたことがあるだけに戦術理解では問題はないが、驚くほどに動かない、走らない。スタミナもある方ではないし、守備にも貢献しない。モダンサッカーの時代にこんな選手がまだいたのか、と思うくらいのクラシックな香りが漂っている新10番だ。
だが、ひとたびボールを持てば、まさに異次元。強い身体と長い手足、抜群の足下の技術を利して決してボールを奪われない。視野の広さはまさにレーダーのよう。狭いスペースで相手にプレスをかけられても、「ここだ」という場所を正確に察知し、針の穴を通す超高精度のパスでボールを供給する。「え?そこを見ているの?」という驚きを、見ている側に与えながら。
キャンプ最後の練習試合となった山形戦で後半開始から登場したムジリだが、当初はあまりボールに触る機会が多くはなかった。4-1-4-1の形を利した山形の鋭いプレスをまともに受けたためか、疲労が蓄積した広島はボールを失う回数が多く、ボールを前に運ぶのに苦労していたからだ。
だが、新10番との相性の良さを見せる森崎浩司のサポートを受けムジリが少しずつボールを受ける回数が増えてくると、宮崎・シーガイアが「ファンタスティック・ワールド」と化す。57分に見せた美しいサイドチェンジの軌跡は、山形のプレスを完全に無力化するという機能だけでなく、見ている側のため息を誘うほどの美しさ。その1分後には重戦車のようなドリブルを見せてFKを奪取、「パスだけじゃない」ことを見せつけた。
75分、この試合のハイライトを演出したのも、やはりムジリだった。服部公太のクロスを逆サイドで受けた10番は、弾んだボールの落ち際を鋭くダイレクトで叩く。山形守備陣の間を縫うような正確無比なボールは、受ける森崎浩の技術の高さと彼が欲するタイミング、全てを計算し尽くしたクオリティ。ワントラップしたその落ち際を右足ボレーで決めた7番のシュート能力は称賛されるべきだが、演出者はムジリ。これで彼は、4試合連続でゴールに直接絡んだことになる。
佐藤寿人や森崎浩が口々に「彼は“持っている”選手ですね」と称賛し、ペトロヴィッチ監督も「(ムジリは)マラドーナではない」と言いつつ「チームを助けてくれる存在になる」と高い評価を下している。決してアグレッシブでもなく、攻守にわたって目立つ存在ではない。だが、走らないといっても、アシストシーンのように「ここぞ」という場面を敏感に嗅ぎ取った時のムジリは、しっかりと走る。だからゲームの中で「利いている」し、ボールを受けることも可能になるわけだ。走る量は少ないが、「考えて走る」ことはやれている選手なのだ。
2試合目では、若手が伸び伸びと躍動。左サイドを務めた4年目のスピードスター清水航平が直接FKを含む2得点をあげれば、ここまで紅白戦にすら参加したことのないケガあがりのルーキー鮫島晃太と西岡大輝がゴールを叩き込む。特に鮫島は「高校ビッグ3」の看板に偽りなし。広い視野と高卒ルーキーとは思えない落ち着きを見せ、ほとんど合わせたこともない16歳の野津田岳人(広島ユース)と二人で中盤を支配下に置いた。攻守の切り替えなど課題も多いが、キャンプで同部屋となった森崎和幸の流れを汲むゲームメイカーとして、早い時期に台頭する予感を感じさせた。
昨年から長期離脱中の高柳一誠・盛田剛平をのぞき、広島はほぼフルメンバーでキャンプを過ごすことができた。大量の離脱者を抱え、メンバーを選択する余地すらなかった昨年とは雲泥の状態の差で、広島は2011年の開幕を広島ビッグアーチで迎えるために、25日に宮崎を出発する。
以上
<2011シーズンの幕開け!>
■FUJI XEROX SUPER CUP 2011
2月26日(土)13:35/日産ス
名古屋 vs 鹿島
■NEXT GENERATION MATCH
2月26日(土)10:40キックオフ(予定)/日産ス
U−18Jリーグ選抜 vs 日本高校サッカー選抜
※この試合はFUJI XEROX SUPER CUP 2011のチケットで観戦できます。
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2011.02.25 Reported by 中野和也
J’s GOALニュース
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