☆FUJI XEROX SUPER CUP 2011特集ページ
☆今年から個人戦もスタート!クラブサポーター対抗totoリーグ投票受付中!
----------
★鹿島側プレビューはこちら
名古屋が王者としての新たな一歩を、横浜から踏み出す。FUJI XEROX SUPER CUPには天皇杯覇者として過去2度の出場経験があるが、リーグ王者として戦うのは初めてのこと。日本のサッカーシーズン到来を告げる栄えある一戦へのモチベーションは、否が応でも高まっている。
例年にない充実したプレシーズンだった。楢崎正剛や玉田圭司、田中マルクス闘莉王といった日本代表の常連がAFCアジアカップに招集されず、今季のチームは負傷者とサッカー留学の若手を除くすべてのメンバーがキャンプ初日から揃った。闘莉王と金崎夢生が不在のうちにキャンプを終え、開幕2週間前から新チームの本格始動となった昨季と比べれば、“強化合宿”としての効果は段違いだ。特にこれまで日本代表としてハードなスケジュールをこなしてきた面々にとっては、しっかりオフを取ってから体作りができたメリットは大きい。新加入選手の少なさも、練習効率の向上の面ではプラスに働く。開幕前におけるチームの完成度としては、今季の名古屋はかつてないレベルにある。
もちろん不安要素がないわけではない。その際たるものが昨季のベストイレブン・ダニルソンの負傷離脱だ。185cmの長身ながらリーグ屈指のスピードを誇り、広大な中盤守備をひとりでカバーしうる怪物ボランチの不在は、名古屋の基本布陣である4-3-3の構築に大きく影響する。中盤の3人のMFを逆三角形に並べるこの布陣はDFライン前に大きなスペースを空けてしまう。昨季はここをダニルソンの超人的な身体能力で埋めていたわけだが、彼に代わる選手はチームはおろかリーグを見渡してもいない。そのためストイコビッチ監督もボランチを2枚にするか否かといった可能性を含ませながら、キャンプ以降もトレーニングを続けてきた。2月20日に行われた甲府との練習試合までは4-3-3を継続。アンカーの位置には中村直志や吉村圭司といった選手が起用され、まずまずの動きは見せられていた。しかし守備の局面では甲府にパスを回される場面も目立ち、不安が払拭できたかといえば答えはノーだ。指揮官は「ナオシ(中村)もヨシ(吉村)もいる。問題はない」と懐疑論を一掃したが、今回の相手は百戦錬磨の鹿島である。キックオフこそ4-3-3で迎えても、すぐさまダブルボランチに修正し、対応する可能性は十分にあるだろう。
しかしネガティブな要素はそれぐらいのもの。現在の名古屋にはそれ以上にポジティブな部分が多い。楢崎、闘莉王、増川隆洋と昨季のベストイレブン3名を抱える鉄壁のDFラインは今季も健在で、田中隼磨と阿部翔平というバイタリティ溢れる両サイドバックと合わせ不動の面子を揃える。攻撃面では新加入の藤本淳吾と背番号10・小川佳純が好調をアピールしている。豊富な運動量と小気味よいパスワークで早くも組織に馴染みつつある藤本はセットプレーのキッカーとしても存在感を発揮。メンバーの平均身長でリーグトップに躍り出たチームにとって、彼の左足の精度は強力なアシスト役になる。昨季を「悔しいシーズン」と位置づける小川は、その万能性と運動量、そして効果的な縦へのフリーランニングで攻撃にダイナミックさを加えている。甲府戦後にストイコビッチ監督は「もっと縦パスを、そしてディープなスペースでのプレーを」と発言したが、小川はまさしくそれを体現するプレーヤーのひとりとなっている。
相手の鹿島には昨季公式戦3戦全敗とやり込められた。選手たちに苦手意識こそないまでも、変幻自在の流動的なサッカーには、持ち前のアグレッシブさを逆手に取られることも多々。多彩な攻撃サッカーが身上の名古屋だが、一歩引いた冷静な戦い方も時には必要になるかもしれない。その際に鍵を握るのはポゼッションを司る選手たち。玉田、藤本、ケネディ、そして最後尾の司令塔・闘莉王である。昨季の圧倒的な勝利は巧みなゲームコントロール能力あってのもの。局面を打開する個人の力もさることながら、名古屋の一番の強さは、試合を動かす力なのである。
名古屋はここから3月1日のAFCチャンピオンズリーグ・杭州緑城戦(中国・アウェイ)へ飛び、週末のリーグ開幕戦を戦う過密日程に突入する。厳しい3連戦への勢いをつけるためにも、この一戦は負けられない。ディフェンディングチャンピオンとしての第一歩、宿敵へのリベンジ、過酷な連戦へのスタートダッシュ。様々な思惑が絡む今季の“開幕戦”に、2010年の王者が挑む。
以上
2011.02.25 Reported by 今井雄一朗















