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【2011Jリーグプレシーズンマッチ 岐阜 vs 磐田】レポート:躍動感あふれるサッカーに希望の光が見えた岐阜。勝ちはしたが、守備の連携で影を落とした磐田。現状が如実に現れた一戦。(11.02.28)

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2月27日(日) 2011Jリーグプレシーズンマッチ
岐阜 2 - 4 磐田 (14:01/長良川/5,256人)
得点者:17' 前田 遼一(磐田)、23' 山崎 亮平(磐田)、45+1' 山崎 亮平(磐田)、47' 嶋田 正吾(岐阜)、71' 染矢 一樹(岐阜)、81' 山本 康裕(磐田)
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この試合を一言で表すと、『組織の岐阜を磐田の個が射抜く』という図式だった。
磐田は那須大亮が怪我で離脱したため、ボランチコンビは大卒ルーキーの小林裕紀と大分から加入の藤田義明がスタメンに名を連ねた。テクニックがあり、広い視野とパスセンスで攻撃のタクトを握る小林と、豊富な運動量と器用さで中盤を幅広くカバーする藤田。組み合わせ的には合致しているかと思ったが、立ち上がりは2人のコンビネーションと、古賀正紘とイ・ガンジンの2CBのコンビネーションがかみ合わず、バイタルエリアにスペースを生み出してしまっていた。

それに対し岐阜は、前線から果敢なプレスで、磐田に容赦なく襲い掛かる。岐阜はボランチを橋本卓と永芳卓磨のキープ力とパスセンスに長けた2人を起用し、両サイドを嶋田正吾、染矢一樹を並べたことで、「今日は攻撃的に行くぞ」という、木村孝洋監督のはっきりとしたメッセージをチーム全体に伝えることが出来た。
「押谷、佐藤(洸一)の組み合わせで、トップに当てて、ボールコントロールして、うまくサイドを使おうとした。両サイドにスピード感を持たせることによって、スピード乗って外からのクロス、中へ切れ込んでのシュートを期待した」と木村監督の狙い通り、佐藤が前線でターゲットとなり、永芳と橋本、嶋田からのクサビを集約。そこから押谷が落としたボールを受けて、バイタルエリアからドリブルを仕掛けたり、一度両サイドに展開してから、追い越す動きで裏のスペースに果敢に飛び出していった。

2分にいきなりビッグチャンスが生まれる。左サイドを突破した染矢のセンタリングを、ファーサイドでフリーだった佐藤がヘッド。これはGK川口能活のファインセーブに阻まれる。6分には押谷がぽっかりと空いたDFラインの裏に抜け出し、DFをひきつけてから平行に走ってきた嶋田へパス。GKと1対1になるが、嶋田のシュートは枠を捉えられず。さらに13分には右からカットインしてきた嶋田のスルーパスに、押谷が抜け出し、再びGKと1対1に。しかし、このシュートも枠を外れていった。

立て続けに迎えた決定機。恐れることなく果敢に攻めていく岐阜と、面白いようにDFラインの裏を突かれる磐田。磐田は明らかな連携不足で、劣勢に立たされたが、17分、前線に君臨する強烈な個性が試合を簡単に動かした。
カウンターからFW山崎亮平が右サイドを駆け上がると、ボールウォッチャーになっていた岐阜の守備陣の視界からうまく消えて、スペースにポジションを取っていたFW前田遼一に絶妙なセンタリング。前田のダイレクトハーフボレーが突き刺さり、2人の個人能力であっさりと先制。
直後に岐阜がまたも押谷が抜け出し、飛び出してきたGKをも交わすが、これもシュートが入らない。それに対し、23分には前田がDFラインでウェーブの動きで、オフサイドをかいくぐって飛び出すと、そこに小林のロングスルーパスが届く。そのまま右サイドを突破した前田のマイナスの折り返しを、山崎がダイレクトでコントロールショットを沈めて、2−0。これも先制点同様に、『あっさり』と決まってしまった。

前半ロスタイムには山崎が、DF秋田英義のミスを突いて3点目を挙げる。前半を終わって3−0になったが、このスコアがそのまま試合内容を表しておらず、むしろ個々の能力の差を如実に表してしまっている図式であった。裏を返せば、それほど組織としての戦い方が岐阜のほうがよかった。

後半もその図式が続いた。開始早々の47分に嶋田が強烈なロングシュートを叩き込むと、岐阜が前半の流動性を保って、ひるむことなく攻撃を仕掛ける。61分には押谷が中央でボールをキープし、そのまま反転シュート。GK川口のファインセーブのこぼれを嶋田がつめるが、これはサイドネット。71分にはカウンターを仕掛け、右サイドを駆け上がったDF野田明弘のクサビを押谷が受けて、反転して追い越してきた染矢へスルーパス。染矢がそのまま長い距離を走りきって、川口との1対1を制し、1点差に詰め寄った。

このゴールは一昨年の岐阜が最も得意としていた形だった。全員がゴールに向かって長い距離を走りきって、ゴールを陥れる。このダイナミズムがあったからこそ、長良川競技場は『長良川劇場』と化した。これも「攻守の切り替えと、攻撃のスピード感を重点的にやってきた」(嶋田)からこそ。積極的なサッカーを仕掛ける木村監督の方向性が、はっきりと打ち出されていたからこそのゴールであった。
だが、81分には一瞬の隙を突かれ、交代出場のMF船谷圭祐のスルーパスに抜け出したMF山本康裕がダメ押しの4点目。前半同様に、『あっさり』と決められ、そのまま試合は4−2で終了。個の力というJ1とJ2の差が、如実に現れた試合だった。

「課題と収穫がはっきりと見えた」と染矢が語ったように、岐阜は前線から果敢にプレスを仕掛け、高い位置でボールを奪って、サイドのスピードを生かしたショートカウンターを繰り出す。この狙いがしっかりと表現された一方で、逆に高い位置で仕掛けるからこそ、そこで奪われた時にカウンターをもろに受けてしまうという脆さも如実に現れた。だが、閉塞感が漂っていた昨年と違い、攻撃の躍動感は大いに期待を抱かせるものであり、試合後の選手たちの表情も晴れやかだった。はっきりと出た課題と収穫は、想定内のものであり、あとはこれを生かしていくか。現時点ではこの試合は岐阜にとって、非常に実りあるものになった。

一方の磐田は勝ちはしたが、守備面の連携で大きな不安を残す結果となってしまった。開幕まであと1週間。期待と不安がどう形付いていくのか。さまざまな思いを抱えたまま、いよいよJリーグが始まる。岐阜としては、この姿勢を開幕以降も見せることが、一番の大きな光となると確信している。

以上

2011.02.28 Reported by 安藤隆人
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