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【J1:第7節 広島 vs G大阪】広島側プレビュー:自らの内面を見つめ続けた1ヶ月半。見て心を踊らせるサッカーを求め、熱い想いを抱いた戦士たちはピッチに立つ。(11.04.24)

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4月24日(日)J1 第7節 広島 vs G大阪(13:00KICK OFF/広島ビチケット販売はこちらリアルタイムスコアボード
スカパー!生中継 Ch181 後00:50〜
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自分たちがやるべきこととは、いったい何か。
そんな根源的な問いかけを、誰もが自分たちの内面に問いかけ続けた1ヶ月半だった。3月11日に発生した大震災が与えた衝撃は、被災者はもちろん、被災していない人々の心の奥底まで、強烈にえぐった。

サッカー選手たちもまた、その影響から逃れることはできない。言葉では、「サッカーを通して、被災地の方々に勇気や感動を」と言える。
しかし、本当にそんなことができるのか。それは選手たちにも、彼らの想いを伝えるメディアにも、わからない。

広島は、被災地ではない。3月11日以降、自粛ムードや海外からの観光客の減少、ミネラルウオーターなどが買い占められたりなど、ネガティブな現象は確かにあった。が、そんなことは、被災地がさらされている現実とは比較にならないこと。もちろんサッカーの練習にも、試合にも支障はない。だからこそ「僕らがここで、サッカーをやっていていいのか」という高萩洋次郎が抱いた疑問は、大なり小なり、ほとんどの選手たちが感じていた。
中島浩司もまた、「サッカーどころではなかった」一人である。高校以来、仙台で10年生活し、仙台で生涯の伴侶も見つけた。その第2の故郷と言える街が巨大な地震と津波に襲われ、家族も友人も被災した。テレビに映し出される仙台の街、その多くが彼もよく知っている場所だった。

震災翌日に行われた鳥栖との練習試合でゴールを決めたのが、被災地に家族がいる高萩洋次郎と中島浩司だったことは、何かの運命だったのかもしれない。しかし中島自身はこの時のことを「ただ、サッカーをやっているだけ。自分が主導して何かを仕掛けたり、アイディアを駆使することは、できなかった」と振り返る。当然のことだろう。
 だが、高萩と同じように中島もまた、被災地で頑張っている方々に、力を与えられた。「おまえが現役で頑張っている姿をピッチで見ることが、励みになるんだ」。その言葉が、中島の心を前に向かわせた。
「この震災は、僕らが地球に生かされていることを教えてくれた。そして、こういう時だからこそ助け合う人もいるし、弱みにつけこむ人もいるという、そんな個々の人間が持つ本当の部分も見せつけた。亡くなった方も多いし、その何十倍にものぼる人々が悲しい想いに沈んでいる。復興にはきっと、多くの時間がかかると思う。だけど、そういうことをふまえてもなお、原点に立ち返るチャンスでもあると思うんです。卑屈にならず、やっていくしかない。
特に僕らサッカー選手は、子供たちの夢であり憧れとなりうる存在。そこをしっかりと考えて、僕らが《娯楽》を与えていくべきだと思うんです」

その中島は、再開初戦となる明日のG大阪戦で、リベロとして出場することになるだろう。中断期間における練習試合での広島は7試合で5勝2分。中島は負傷欠場した鳥取戦をのぞく全て試合に出場し、チームに貢献した。青春時代を過ごした仙台。イビツァ・オシムと出会い「スピードとは、身体だけではなく、頭の回転の速さも指すんだ」というサッカーの本質を教えられた街・市原。彼にとってたくさんの思い出に染まった街は共に被災し、たくさんの仲間や友人たちが、現地で必死に闘っている。その仲間たちへ、被災地の方々へ想いを届けるために、子供たちが「サンフレッチェのサッカーって面白いね」と感じてくれるように、中島浩司はピッチでアイディアを駆使し、試合をコントロールするだろう。

2001年以来、広島はリーグ戦でG大阪に勝利していない。1999年以来、G大阪を無失点に抑えた記録がない。2004年のセカンドステージ以降、11試合連続2失点以上。この10年間、3度にわたり2点差を追いつかれ、1度は4失点を食らった。カップ戦で勝利しても、リーグで受けた数々の屈辱。しかし、そんなことは、この状況下で改めて、考えなくてもいい。
明日の試合では勝利はもちろん、見ている人の心が躍る面白いサッカーを、ペトロヴィッチ監督とその「息子たち」は追い求める。老練かつ熟練の域に達した青と黒の戦士たちは、紫の勇士たちの挑戦を受け止め、跳ね返すべく立ちはだかるだろう。G大阪はACLから中3日。だけど、「彼らはきっちりと調整してくる」(西川周作)はずだし、「運動量で上回らないと、(相手の疲労は)意味がないこと」(ペトロヴィッチ監督)だ。

明日になれば、広島はきっと晴れる。陽光に輝く青い芝生の上に戦士たちが立ち、白いボールを追い、ひたむきに走り、身体をぶつけあい、ゴールを奪いあう。その熱狂が大きなパワーとうねりを生み出し、日本中に発信されるはずだ。その歴史的というべき試合の一部始終を、しっかりと見届けたい。

以上


2011.04.23 Reported by 中野和也
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