7月24日(日) 2011 J2リーグ戦 第22節
鳥取 0 - 2 徳島 (18:03/とりスタ/5,720人)
得点者:37' 佐藤晃大(徳島)、44' 島村毅(徳島)
スカパー!再放送 Ch182 7/26(火)前05:00〜
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「これがアウェイでの勝ち方」。この一戦におけるチームの戦いはまさにそう語っているようであった。セットプレーを活かしてリードを奪い、その後は集中した守備で相手の反撃をシャットアウト─。徳島はその戦いをもって鳥取から開幕戦に続く勝利をもぎ取り、敵地で価値ある勝点3を手にしたのである。
とは言え、決して簡単にそれをやってのけたわけではない。そこでゲームを改めて振り返ると、まず徳島は絶対に必要と思われた前節の反省を非常に強い意識でしっかり実践したと言えよう。序盤から津田知宏や衛藤裕が積極的にスペースを突いてボールを引き出し前線に活性を生み出せば、ボランチの斉藤大介とディビッドソン 純マーカスを中心に落ち着いた組織的ポゼッションも披露。チームは縦へ早い展開と幅のあるリズミカルな組み立てを織り交ぜながら着実にピッチ上の流れを掴んでいった。また徳島は守備でも前節の反省を忘れず、全員のハードワークによって課題改善をして見せる。いかなる場面でも連動したチェイシングと厳しい寄せを忘れず、加えて鳥取のボール回しに対し全員が細かなポジション修正を徹底することで素早く強固なブロックを作り上げていた。
いずれにしてもこの一戦、徳島が団結した素晴らしい姿勢で集中の高い試合への入りを成功させたのは間違いない。
するとその成功した試合への入りが待望のゴールを呼び寄せる。優位を握って迎えた37分、徳島の伝家の宝刀がキラリ輝いたのだ。それは強烈な強さを誇るセットプレー。衛藤の蹴った右CKをゴール正面へ飛び込んだ佐藤晃大がドンピシャで合わせて見事先制点を奪ったのである。さらにチームは畳み掛けるがごとく44分にも再びセットプレーからネットを揺らす。左タッチライン際FKのこぼれ球を拾った島村毅が元ストライカーらしい早いボールの持ち直しから左足を振り抜いて貴重な追加点を叩き出し、勝利に近付くアドバンテージをより大きなものにした。
そして後半の徳島は、ポゼッションこそ譲り渡してしまったものの、いっそう集中を向上させた守りで鳥取の反撃を凌いでいく。「ゴール前のところで体を張ってブロックできたし、シュートを打たれても最後のGKも含めて全員で守り切れた」と美濃部直彦監督も評価を与えたように、個々でも、組織としても粘り強さに満ちた守備を継続。その結果として、試合終了のホイッスルまでスコアをそのまま押し切ったのであった。
しかし、理想的な戦いをした前半とは違い、後半は少々課題の見えた45分だったと言わざるを得ないのではないか。衛藤が試合後「守りに入るのが早すぎました」と口にしたが、その言葉通り後半の徳島は早い時間から全体が深い位置取りに。そのためバイタルエリアから肝を冷やすミドルを打たれるなど、危ないシーンを何度か作られた。チームは前節(東京V戦)ちょうど同じようなシチュエーション(0-2)から同点劇を演じたが、ひとつ間違えば今節自分たちが逆の立場になる危険性もあったと言えるだろう。そう考えると、チームに新たな「今後の改善材料(佐藤)」が発生したのは事実。それだけに徳島は次節またこの反省をもってゲームに臨まなければならない。
ただ最後にもう一度プラスの方向へ話を戻せば、チーム全員には今紛れもなく大きな勝利への執念が宿っている。例えばこのゲーム終盤には柿谷曜一朗が蓄積された疲労をものともせず逆サイドからの矢のような戻りでシュートブロックへ入っていたが、そうしたプレーの出ている現在の徳島ならこれからも見据える目標へ歩みを進めていけるであろう。期待は膨らむ。
■ この試合のCOOL BALLER:衛藤裕(徳島)
以上
2011.07.25 Reported by 松下英樹
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