☆ヤマザキナビスコカップ特集ページ
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前回の第1戦が6月5日。2カ月近く間が空いたので実感が湧きにくいが、今回はホーム&アウェイの第2戦。前回はホームで甲府が1-0で勝利しているため、清水が2回戦に進むためには、2点差以上で勝つか、1-0から延長戦で勝つしかない。また、甲府が1点でも取れば、清水は3点以上取らなければ1回戦で敗れてしまうので、清水にとっては失点が許されないゲームでもある。( /jsgoal_archive/game/2011/20110020060420110605.html )
さらに、両チームにとっては8日間で3試合という連戦の2試合目。しかも、清水は前後の試合がアウェイ、甲府は3戦ともアウェイということで、コンディションの維持が難しい状況にある。そのため、どちらもある程度のメンバー変更が予想されており、どんな顔ぶれ・布陣でこの試合に臨むのかという部分が、まず第一の注目点となる。
ホームで厳しい条件の下に戦う清水のほうは、ここまで公式戦全試合にフル出場を続けてきた左サイドバック・太田宏介に疲れがたまっており、彼を休ませる可能性が出ている。もしそうなれば、ケガで離脱中の辻尾真二と共に、本来の両サイドバックが不在となるため、月曜の練習では3バックの布陣もテストした。3バックの並びは、右から平岡康裕、岩下敬輔、ボスナーとなるが、岩下もケガから復帰できるか微妙な状況であるため、DFラインがどのような構成になるのか、本当に予想が難しい状況になっている。
ただ、前線の選手たちは、これまでも出場時間を調整しながら起用しているため、それほど大きく変える必要はなさそうだ。高原直泰が前節で足首を少し痛めたため、永井雄一郎が先発に回る可能性もあるが、とにかく2点以上取らなければならないゲームなので、実験的な選手起用はあまり多くならないだろう。
一方、甲府のほうは、新加入のダヴィと金珍圭をどう起用するかというのが最大の注目点。2人とも先発させる可能性もあり、そうなれば甲府サポーターにとっては楽しみなところだ。また、1点でも取れば非常に有利になるため、カウンターで威力を発揮するようなスピードがあってフレッシュな選手の起用も考えられる。そのあたりの三浦俊也監督の戦略にも注目したい。
もうひとつ、清水サポーターにとって気になるのは、伊東輝悦と市川大祐が移籍後初めてアウスタでプレーするかどうかという部分。もちろん、敵に回せば非常にやっかいな選手であることは間違いないが、清水サポーターにとって彼らは敵味方を超越した存在である。それだけに、ぜひ元気な姿をアウスタのピッチで見せてほしいところだ。
昨年までの両チームの対戦成績は、清水の4勝1分0敗(天皇杯も含む)で、清水は得点11/失点0と、甲府を圧倒していた。しかし、両チームとも顔ぶれが大きく変わった今季の対戦では、ここまで1勝1敗で、得点も2点ずつとまったくの互角。前回の対戦(7/9リーグ戦第3節)では清水が2-1で勝利したが、後半は甲府が完全に押し込む展開となり、もはや甲府の選手たちにも清水に対する苦手意識はないはずだ。
また甲府には、戦い方をはっきりさせやすいという有利さがある。結果的に0-0でもOKなので、まずはしっかりと守り、清水に焦りが出てくるのを待って、カウンターやセットプレーでの一発を狙う。そうした戦い方においては、前線のハーフナー・マイク、パウリーニョ、そしてダヴィという顔ぶれは、じつに心強い存在となる。
ただ、“守る”という意識が必要以上に受け身の姿勢に結びつき、それによって自分たちのサッカーを見失ってしまうケースもある。その意味で甲府の選手たちにとっては、精神的な“したたかさ”を問われるゲームにもなるだろう。
それに対して清水のほうは、できるだけ早い時間に先制点を奪えるかどうかが最大のポイント。そのために、立ち上がりからボールを支配して攻撃的に戦うというのは、チーム全体の共通認識となっている。主導権を握って押し込む戦い方ができているかぎりは、急造3バックで臨んだとしても破綻は起きにくいだろう。
そのため、「連戦だけど最初から力をセーブせずに全力でいきたい。3人代われるし、僕ら前線の選手からどんどん行かないとダメ」(大前元紀)、「前からプレスに行って、できるだけ前でボールを奪えるようにしたい」(村松大輔)と、立ち上がりからエンジン全開で入るという意識は強い。
それを大前提として、引いてゴール前を固めた甲府の守備ブロックを崩し、ゴールをこじ開けられるかどうかが、清水サポーターにとって最大の見どころとなる。その意味では、前回の対戦でそうした状況から2点取れたことは、良いイメージとして残っている。当然、ミドルシュートも隙あらば狙っていくはずだ。
この難しい状況から良い形で点が取れるかどうかは、今後の清水を占ううえでも大きな注目点。それだけに、スタジアムに足を運んで選手たちの戦いぶりを見守る価値が非常に高いゲームと言える。
以上
2011.07.26 Reported by 前島芳雄













