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【ヤマザキナビスコカップ 仙台 vs 柏】プレビュー:1点のアドバンテージを持つ仙台。柏・ネルシーニョ監督の策略を破り、2回戦以降への自信も掴みたい(11.07.26)

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7月27日(水)ヤマザキナビスコカップ 仙台 vs 柏(19:00KICK OFF/ユアスタチケット販売はこちらリアルタイムスコアボード
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当初は15時開始の予定だったところ、前日夜に15時半へと変更になり、さらに当日になってミーティングが入り16時にスタートがずれ込んだ、25日の仙台の練習。移ろったのは空模様も同じで、練習前に小雨、開始時は一旦晴れて、その後は雷鳴と共に強く降ったかと思いきや止んで…の繰り返し。
あがらない雨はない、とは言うものの、少なくともこの日は最後まで、煮え切らないような空の表情が続いた。
さて、リーグ戦ではここ6試合勝ちなし、前節は大宮相手に今季ホーム初黒星と共に、今季初の連敗を喫してしまった仙台。のしかかり始めた暗雲を、ヤマザキナビスコカップで2回戦進出という結果をつかみ取ることで、一度スカッと晴らしてしまいたい。

リーグ戦での首位と2位の対決、好カードとして注目を浴びた、日立柏サッカー場での1回戦第1戦( /jsgoal_archive/game/2011/20110020060320110605.html )は、後半途中から出場の中島裕希が、この試合が移籍加入後初スタメンだった松下年宏からのクロスに頭で合わせ、終了間際に意味の大きな決勝弾をゲット。アウェイゴールを手にした上での勝利という、第2戦に向けて極めて有利な条件を手にした。
だが7月も終わりに差し掛かろうとしている今、両チームの明暗が今のところは分かれている。柏はリーグ戦首位の横浜FMと勝点で並ぶ2位につける一方、仙台は前述の通り、6試合で勝点わずか2と伸び悩み。シーズン開幕前に目標として掲げていた1ケタ順位はキープ(8位)しているものの、一時の勢いを急ぎ取り戻さなければ、下からの突き上げを食らうことになる。
戦いぶりにおいては、軽度とは言えない得点力不足がある。勝ちなしの6試合で決まったゴールは、第2節名古屋戦での梁勇基の美しいミドルのみ。前節の大宮戦では、その前の鹿島戦で相手のロングボールからバランスを崩されたことを踏まえ、こぼれ球を拾うべく中盤を厚くしたものの、むしろポゼッションを意識した相手のサイド攻撃にへの対応に、中盤が低い位置へと引っ張られて攻撃が立ちゆかなくなるという悪循環を招いてしまった。これにはさすがに手倉森誠監督も「ホームではもっと強気の戦術を構築したい」と、試合後に口にしてしまう状態だった。
だが、今回はリーグ戦ではなく、状況だけ見れば引き分けでも次のラウンドに進出できる立場にいるヤマザキナビスコカップ1回戦、ホーム&アウェイの2戦目だ。攻めで新たな顔を見せたいという気持ちと、しかし守備だけは絶対にないがしろにできないという背景…二律背反に近い状況が、仙台に思案を求めるか。

…なんて仰々しく、さも深刻そうに書いてみたが、周囲が思うのとは違い、仙台のチーム内メンタルはいたって正常。というより、手倉森監督が今回の戦いを前に、まずこの部分の平安に努めたというべきか。
「腰だって、ちょっとずれただけで痛い。今の自分たちが勝てないのは、大きな問題がチームにあるわけではなく、小さなズレの問題。それをミーティングで修正した。今回は自分は監督というより、整体師」と手倉森監督。
その「ゴールデンハンド」がミーティングで行ったのは、一言で言うと「良いイメージを取り戻させること」。シュートの積極性が欠けたりパスがずれたりを繰り返した前節大宮戦のビデオと共に、4−0で勝利した甲府戦や、G大阪相手に劇的な勝利を収めた試合など、良い時の映像を見せたという。また「そもそも今季はリーグ自体が、はっきり言って(日程や会場などの意味で)ずれている。震災の影響や、それによって他が夜に試合をしている中で自分たちはデーゲームを強いられたことなどが重なり、選手たちは今になって辛い状況の中戦って来た。それを、ちょっと慰めた」とも語る。
その成果は、25日の練習から明らかに表れていた。ここ数節で欠けていた、奪ってから相手ゴールに向かい攻めかかるスピードが、27日の柏戦に出場するであろうメンバーによる組み合わせでのフォーメーション練習から早速戻っていた。この1回戦を180分の戦いと考えれば、1点ビハインドの柏は「おそらく仕掛けてくる」(手倉森監督)と仙台は見ているが、それをしっかり受け止めてから、スピードを取り戻してやりきる攻撃を。攻守両面でこれまでの長所を出し、ただ「守って2回戦進出」ではなく、自分たちもトライする。これがこの試合の仙台の目標であり、その姿勢がこの先のリーグ戦に繋がってくるとチームは考えて、まずは第2戦に臨む。

柏に触れる文字数がかなり少なくなってしまったが、ただこれまでの戦いを踏まえたとしても、ネルシーニョ監督が何をやって来るか読めないのが柏。まして今回は、この一戦で勝ち上がりと敗退が決まるというカップ戦。ホームなのに守備的に戦い、最後に澤昌克の決勝弾で仙台を仕留めたJ1の第3節のように、何かしらの「ギミック」を持ちこんで来る可能性は否定できない。
とはいえ手倉森監督からは、そうした敵将を迎え撃つことに監督冥利を感じている雰囲気も伝わってくる。「思えば柏戦の前にはいつも、『この試合は必ず、自分たちを成長させてくれる』と言っている気がする」という手倉森監督の言葉には、自分自身についての感想も含まれているように思う。
今の柏を退けることができれば、間違いなく大きな自信が仙台にはもたらされる。そこに、好調時のフォームが戻ってくれば、これ以上うれしいことはない。
今週は、水曜日にこのカップ戦、そして日曜日にリーグ戦と、ユアテックスタジアム仙台で仙台vs柏が中3日で続く。「柏ウィーク」とも言えるこの1週間で、仙台は何かきっかけを掴みたい。もちろん、確かな結果と共に。

以上
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