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【J2日記】愛媛:「リアルJ1体験」の狙い、そして効果は。(11.09.23)

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(C)近藤義博

F東京サポーターにも人気だった、マッチデイプログラムの4コマ漫画。これらの愛媛ならではの魅力の積み重ねが、J1にたどり着く要素にもなる

まだJ1を経験したことのない愛媛からみれば、J1から降格してきたチームから感じることは少なくありません。中でも、アウェイまで大勢のサポーターが足を運んでくれるJ1経験クラブは、愛媛のサポーターにとっても様々な点で刺激になる存在。F東京戦でアウェイゴール裏は500名を超え、メインスタンドを含めると700名以上のサポーターがはるばる愛媛までやってきて、ニンジニアスタジアムに足を運んでくれました。シーズン終盤になると、過去にも山形や札幌などJ1昇格を目前に控えたアウェイクラブのサポーターが大挙してニンスタに訪れることはありましたが、この時期、しかも台風が接近している中でのこの人数は、やはりF東京サポーターの底力。

このF東京サポーターのパワーに注目したのが愛媛のサポーターグループ、愛媛FCサポート連絡会でした。彼らが行ったのが「リアルJ1体験」と銘打った企画。日本代表の今野泰幸選手をはじめとするJ1レベルの有名選手を見るチャンス、としてスタジアムへの来場を呼びかけた彼らでしたが、そこには『愛媛がJ1に昇格するには何が必要なのか、サポーター自身も見極める機会にしなければ』という想いもあったのだそうです。

今回の企画には様々な意図がありましたが、その中で面白い試みとしては、彼らはツイッターを使ってF東京サポーターに向けてもご当地情報や交通情報などを提供するとともに、色々な「お願い」をしたこと。その中のひとつが「街中をクラブカラーの青赤ルックで歩いて欲しい」というお願いでした。大勢が来県するF東京サポーターが街中を青赤ルックで闊歩することによって、J1に昇格した際の経済効果を地元愛媛の自治体や観光地、あるいは商店街の方々に実感しもらう。それによって『地元愛媛にあるクラブをサポートしよう』という機運を盛り上げたいという狙いが、この「お願い」にはあったのです。

これに対して、数多くのF東京サポーターは好意的に反応。「飛行機の中で着替える!」、「普段はまちなかでユニ着ないけど、着るよ」などといった温かい返信が飛び交ってリツイートも100を軽く突破。「リアルJ1体験」の情報掲載サイトやツイートのまとめサイトへのアクセスも2000を越えました。また「駒沢でもらった観光パンフをよく研究してから来県した」という書き込みも見られ、前半戦のアウェイ駒沢で開催した愛媛物産展やそこでの情報発信の効用を検証する点においても、この企画から得た情報は多かったようです。

試合当日も、ニンスタのグッズショップではオ〜レくんやたま媛ちゃんのぬいぐるみを手にしたF東京サポーターが多くいましたが、シーズン中盤にも関わらずぬいぐるみが売り切れるというかつてない状況まで生まれたF東京戦。天候が回復した翌日も「朝食からユニ着用!」「道後温泉や城山で軽く100人以上の青赤サポを見た」などといったツイートが続き、街中でも期待通りの経済効果が生まれたようです。それを見た地元の人々が愛媛FCの存在意義を新たに認識したとすれば、この企画は成功したといえるのではないでしょうか。最後は「また愛媛に来たいからJ1に上がってね」「それまで頑張ります」といったような微笑ましいやり取りが続いたツイッターに関しても、サポーターの交流メディアとしてこの企画から面白い可能性が見つかったと言えるでしょう。

この企画の関係者はこう語ります。「地方のプロスポーツクラブが対戦相手のビッグクラブ、有名選手を宣伝に使うことはNBAなどでも活発に行われている。ビッグクラブとの対戦だけのセットチケットも存在する。しかし、こうしたサポーター間の連携による盛り上げは、日本、それもJリーグならではのものではないだろうか。ビッグクラブがJ2で過ごすシーズンの意義まで考えさせられる貴重な「リアルJ1体験」だった」。

愛媛FCには「地域経済の活性化に貢献する」、「サッカーを通じて、全国に愛媛の情報を発信する」という理念があります。今回はスタジアムという枠を超えて、街中でその理念を県民の皆さんに実感してもらうべく、F東京のサポーターの皆さんにご協力を頂いたわけです。現実的には、クラブがJ1に昇格するためにはチーム力以外にも様々な課題が残されています。これに対して今回の試みが、愛媛県内で実際にどれだけの効果を生み出すのか、その成果が表れるのには時間が必要でしょう。そもそも、サポーターはそれらの課題を克服する力になれるか。サッカーが、そしてサポーターが地域に対してどれだけプラスの影響を与えることができるのか。今回の試みには興味深いものがあります。

ただ、地方のクラブが上を目指してステップアップをしていくためには、チャレンジあるのみ。バルバリッチ監督はサッカーでも、ピッチ外のことについても「自ら動かなければ、待っていても状況はよくならない」という趣旨の発言を繰り返していることを思い出します。F東京戦を終えた個人的な感想としては、サッカーに携わる人間が積極的にこうした努力を積み重ねることこそがクラブのある地域を盛り上げ、そしてサッカーを通じて地方を元気にする力になりうるのではないかと改めて感じました。

以上

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2011.09.23 Reported by 近藤義博
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