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【J2:第7節 岡山 vs 富山】レポート:これはカンスタ・ハロウィンの“trick or treat”?トリックで決められ、同点弾というトリートを返して勝点を譲り合う。(11.10.27)

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10月26日(水) 2011 J2リーグ戦 第7節
岡山 1 - 1 富山 (19:33/カンスタ/4,323人)
得点者:61' 苔口卓也(富山)、68' 石原崇兆(岡山)
スカパー!再放送 Ch182 10/27(木)後04:30〜
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敵ながらあっぱれ、と言うしかない。後半16分、富山はフリーキックを得ると、ペナルティーエリアの左手前7〜8mの位置から大西容平がグラウンダーのボールを蹴り、ソ ヨンドクが軽く当て、すかさず苔口卓也がゴールに押し込んだ。「チームで練習していたものが、見事にはまった感じです」と苔口。10月2日の岡山―鳥栖戦、23日の岡山―愛媛戦の2戦をスタジアムで視察した富山・安間貴義監督の頭にこのイメージが浮かんだのはいつのことか。岡山の選手は、キックの前に「何かやってきそうな妙な雰囲気があった」と感じながらも、その「何か」に対応する時間がなかった。

しかし、その7分後、岡山は同点に追いつく。右サイドを上がった岸田裕樹からのクロスを、石原崇兆が走りながら受けてシュート。待ちに待ったルーキーのJ初ゴールは、あっけなく爽快に決まった。「ゴールしか考えていなかった。ちょうどGKとニアの間が空いていたので、ニアを狙う感じで」と石原。岡山ペースで進めていた後半、チャンスを作りながらもシュートがなかなか打てず、フラストレーションが溜まりつつあるところでセットプレーから失点。流れが変わりそうなところで生まれた同点弾だった。岡山のファン・サポーターが待ち望んでいたゴールは、石原が19歳になるひと月になる前に生まれ、チームメイトにもみくちゃにされて祝われた。

絶対に勝点3が欲しかった両指揮官は、1−1の痛み分けとなったゲーム終了後、自らのチームのポジティブな面について口にした。それは選手のモチベーションを上げるための発言ではなく、ごく自然な感想だったと思う。

「勝ちたい気持ちが非常に強く、先制されても追いついた。自分たちでボールを動かし、カウンター、セットプレー、つなぎながらの攻撃で、様々なものをみせることが出来た」(岡山・影山雅永監督)。
「カバーしようとして、全体が後ろに下がる切り替えの速さを見せた。そのあたりの切り替えの速さ、優れた守備意識と、仕込んでいたセットプレーを1度目で成功させたことは、(うまく)出来たところ」(富山・安間貴義監督)。

岡山は出場停止とけが人、コンディションをみて、前回から5人を入れ替えて臨んだゲームだった。連続出場の後藤圭太をディフェンシブリーダーに集中して守り、前半、富山に打たせたシュートは1本のみ、後半は4本でトータル5本と、安定感があった。富山はトップの黒部光昭を左膝捻挫で欠き、苔口が代わりに入ったことで、細かくつなぎ、何度も前にボールを持ち込めてはいたが、「自分たちのイージーミスがとにかく多く、ゲームにならなかった」(安間監督)。しかし岡山はセットプレーで狙われる点を強く受け止めなければならないし、千明聖典、仙石廉のボランチが話したように、カウンター後の2次攻撃で工夫を出すことも必要だ。

巧みなセットプレーでtrick(いたずら)され、その直後にルーキーの同点弾で相手をtreat(おもてなし)した、岡山の「カンスタ・ハロウィン3連戦」。ゲーム終了後、電光掲示板に「つづく」と表示されるのではないかと思うくらい、次回対戦(11月13日(日)@富山)に期待を膨らませる内容だ。約2週間後の対戦で進化を証明するためには、まずはともに5連戦のラストを飾る必要がある。

以上

2011.10.27 Reported by 尾原千明
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