11月13日(日) 2011 J2リーグ戦 第35節
横浜FC 3 - 2 湘南 (16:03/ニッパ球/7,382人)
得点者:10' 難波宏明(横浜FC)、11' 田原豊(湘南)、34' 高山薫(湘南)、86' 荒堀謙次(横浜FC)、90'+4 野崎陽介(横浜FC)
スカパー!再放送 Ch184 11/14(月)後00:30〜
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サッカーの勝敗を決めるのは、単に選手の技量だけでもなく、戦術だけでもなく、根性だけでもない。全てを最高にそろえることが難しいが、それらの面を総合して相手を上回る努力をすることが勝利への道となる。「神奈川ダービーマッチ」という極限の状況で、改めてそのことを認識する試合となった。
まず、試合の基調にあったのは、ダービーマッチ独特の雰囲気であることは間違いない。7,382人が集ったニッパツ三ツ沢球技場は、両チームのサポーターの心を合わせた応援がぶつかり合い、緊迫感にあふれた空間となる。ハーフタイムコメントで、反町監督が「ハイペースなゲーム」との言葉を残しているが、まさに前半はハイペースに進む。10分に、スローインからの流れで、野崎陽介のクロスを受けた難波宏明が落ち着いて先制ゴールを決めると、その直後の11分に、コーナーキックからの流れから、アジエルのクロスを大井健太郎が折り返したところを田原豊が豪快に決める。短時間にゴールを決め合うような、お互いに積極的に攻め合う流れは、試合終了まで変わらぬ基調となった。
11分のゴールの後、試合のペースを握ったのは湘南。その差を生み出したのは戦術的熟成度であり、その点では湘南の方が一枚上だった。横浜FC・岸野靖之監督が「今さら遅いが、基本技術と切り替えを時間を掛けてトレーニングした」と語るように、改めてチームの基本的な底上げを図っている横浜FCと、田原のポストプレー、永木亮太を中心とした中盤の支配力、高山薫の裏に抜け出す力とアジエルとの連動性など、複数のストロングポイントを自在に組み合わせる湘南の差は、ピッチに如実に表れ、湘南がペースを握っていく。そして、34分のゴールも藤田優人とのマッチアップに勝利した田原が、高山にボールを戻すとフリーの高山がゴール右隅に美しく決めるもの。このゴールに至るまでに、高山は何度も横浜FCのディフェンスラインに抜け出しており、その動きと田原の強さが融合したゴールだった。
前半は、戦術に勝る湘南がリード。しかし、ターニングポイントが訪れたのは68分の横浜FCの選手交代。ここからは、戦術だけでなく、チームとしての意思統一やメンタルを加えた総合力の勝負になる。横浜FCは、なかなか前に出られなかった佐藤謙介に代わってエデルを投入し、サイドでプレーしていた野崎陽介をボランチに配置する。この修正により、中央での攻撃の起点を増やした横浜FCが徐々に高い位置でのポゼッションを強めていく。さらに、78分にフランサと荒堀謙次を同時に投入し、サイドとトップでの圧力を高める。
「いろいろ考えてカードを切った」(岸野監督)という横浜FCの戦術的な手が効果を発揮するのとは対照的に、湘南は「その時間帯のゲームの進め方を、みんなで共通意識を持ってできればよかった」(山口貴弘)というように、1点のリードを守りに行くのか、3点目を狙うのかというチーム戦術の統一が保たれず、勝利に向けた意思統一を欠いてしまった。その結果、横浜FCが押し込む時間が増える。86分の荒堀のゴールは、横浜FCが湘南を押し込んだ状況で、藤田優人のアーリークロスに荒堀がフリーで合わせたもの。野崎の決勝点に繋がるコーナーキックを得たプレーは、押し込んだ上での野崎のボレーシュートから得たもの。試合を一見すれば、内容で上回った湘南を横浜FCが粘りと根性で逆転したようにも見えるが、戦術的な手が根性と融合した横浜FCと、戦い方の不統一で勝利へのシナリオを統一できなかった湘南の差、それにダービーマッチのハイペースという基調がミックスしたという意味では、決して不思議な勝利ではない。それは、後半のシュート数が横浜FCの7本に対して、湘南が4本であることにも表れている。
そして、劇的なゴールが、この試合のペースチェンジに貢献した野崎によってもたらされたのも決して偶然ではないだろう。8月にもブザービーターのゴールを挙げているように、最後まであきらめず走り回る姿勢が、逆転勝利の原動力だった。
試合後の記者会見で、百戦錬磨の反町康治監督をして「学ばなければいけない」、「考えさせられた」と語ったが、勝利に必要なことは戦術だけではなく、チーム全体での意識統一と勝利に向けた心理面との総合力。ダービーマッチという最高の舞台だからこそわかる、サッカーの奥深さを見た試合だった。
以上
2011.11.14 Reported by 松尾真一郎
J’s GOALニュース
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