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【J1:第32節 清水 vs 柏】プレビュー:8カ月後の進化を証明したい清水と、優勝のために絶対に負けられない柏。プライドと執念、そしてサッカーの質が勝利を左右する大一番(11.11.20)

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11月20日(日)J1 第32節 清水 vs 柏(13:00KICK OFF/アウスタチケット販売はこちらリアルタイムスコアボード
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柏にとっては、もちろん優勝するために絶対に勝たなければならない試合。そしてホームの清水にとっては、今季の「集大成の始まり」であり、開幕戦のリベンジを果たさなければいけない試合。終盤のこの時期、両チームにとって本当に重要な意味を持つ戦いが、おもしろくならないはずはない。

清水の「集大成の始まり」という意味は、清水サポーターには詳しく説明する必要はないだろう。今季のスタート時に主力選手の顔ぶれが大幅に変わり、指揮官もアフシン・ゴトビ監督に代わり、コーチングスタッフも一新して臨んだ2011シーズン。プレースタイルや練習法も大きく変わり、数々の紆余曲折があった中、少しずつ力を蓄え、目指すサッカーの完成度を高めてきた。
そして、第28節・名古屋戦(10/2)では、「自分たちの最高のサッカーをすれば、どこにも負けない」という確信を得た。しかし、まだその力を安定して発揮することはできていない。試合によって、また相手によってパフォーマンスに大きく波が出てしまう点を改善していくことが、今の大きなテーマだ。
とくに今回の相手・柏は、清水にとってはやりにくいタイプのチーム。3/5の開幕戦では、パスをつないでいこうとする中で、ミスや厳しいプレスでボールを奪われ、そこからカウンターでチャンスを作られるというパターンの繰り返し。つまり相手の術中に見事にはまって、0-3の完敗を喫している。その当時と比べれば、「エスパルスはすごく進化した」(アレックス)ことは誰もが感じている。だが、相性の難しさを乗り越えて、柏に勝ちきるだけの力を発揮できるかどうかは、まだ未知数の部分だ。
そう考えると、清水がこの試合に勝つためには、もう一皮むけた姿を見せなければならない。次のアウェイでの鹿島戦も同様だ。そして最終節のG大阪戦(ホーム)も優勝争いを大きく左右する大勝負。ここからの3試合は、チームの自信を深め、完成度を高めるために本当に大事な戦いとなる。そして、その後の天皇杯でも勝ち進み、ACL出場権を獲得することで、本当の“集大成”が完成する。
また、ここから3連勝すれば、名古屋を含むトップ3と、ナビスコカップ王者を倒すことになる。当然、その自信は来季へと大きくつながっていくだろう。それが清水にとってリーグ戦最後の大目標だ。

一方、柏のほうは、現時点で首位に立っているため、3連勝すればJ1昇格1年目での優勝という快挙を達成できる。ただし、土曜日の試合で、2位のG大阪が引き分け、3位の名古屋が勝ったため、ここで負ければ得失点差で2位に落ちてしまう。したがって、絶対に負けられないというプレッシャーもある。
戦力的には、右サイドバックの酒井宏樹が五輪代表で不在となる以外は、主力のケガや出場停止もなく、前節の新潟戦は4-0、水曜日の天皇杯3回戦では甲府に6-1で快勝しており、チームの調子はここに来てさらに上り調子だ。また、清水が相手であれば、戦い方を変える必要はないし、小細工する必要もない。自分たちのサッカーを正面からぶつけるだけで良い。
ただし、柏には優勝争いの経験がある選手が少なく、ここからの3試合は今まで以上に大きなプレッシャーがかかってくる。したがって、柏の選手たちが硬さを見せることなく、自分たちの力を出し切れるかどうかという部分が、柏を見るうえでの最大の注目点となるだろう。

試合展開に関しては、清水が自分たちのサッカーにこだわるということは、ボールポゼッションを高めて、パスを回しながら攻めていくことを目指すということ。それに対して柏としては、守備を崩されることさえなければ、ある程度清水にボールを持たせることはOKだろう。その中で、良い形でボールを奪い、カウンターで一気にゴールを奪うチャンスを虎視眈々とうかがえばいい。したがって、清水としては、悪い形でボールを失わないことや「シュートで終わること」(大前元紀)が重要になる。開幕戦の再現のような展開だけは、絶対に避けなければならない。
もちろん、単純に清水のポゼッション vs 柏のカウンターという構図にはならないだろう。柏の2人のブラジル人、レアンドロ・ドミンゲスとジョルジ・ワグネルは、J1全体を見渡してもスペシャルな存在であり、セットプレーも非常に強力なので、守りを固めた相手を攻め崩す力も高い。それを清水の守備陣が抑えきれるかという部分も、注目点のひとつとなる。
また清水のほうは、両サイドバックに誰を起用するかという部分も注目されている。天皇杯で活躍した右・村松大輔、左・山本真希のままいくのか、ここまでフルタイム出場を続け、今度が記念の100試合目となる太田宏介を使うのか。簡単にボールを失わないということを重視すれば、右に山本真を回して、左に太田という選択肢もあるし、守備重視なら村松は頼もしい存在だ。両サイドバックの選択によって、ゴトビ監督の戦略も多少見えてくるのではないだろうか。

立ち上がりは、お互いにミスからピンチを招くことを避けたいため、多少慎重な入り方になるかもしれない。だが、試合が進むにつれて両チームの攻撃が激しさを増し、スリリングで緊迫感のある展開になっていくはずだ。そして、どちらかに点が入った後は、さらに激しい攻防が繰り広げられることは間違いない。そんな中で両チームとも武器としているセットプレーが勝敗を大きく分けるかもしれないし、緊張感の高い大勝負だからこそ、何が起こるかわからない。
だが、そうした計算できない部分があるからこそサッカーはおもしろい。チケットはすでに金曜日の時点で完売。観る側も体調と心の準備をしっかり整え、期待と緊張感に胸をふくらませながらスタジアムやテレビの前に臨みたい大一番だ。

以上


2011.11.19 Reported by 前島芳雄
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