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【J2:第36節 富山 vs 愛媛】レポート:まさに劇的。富山がアディショナルタイムの2発で目標達成への望みつなぐ(11.11.20)

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11月19日(土) 2011 J2リーグ戦 第36節
富山 2 - 1 愛媛 (14:04/富山/2,087人)
得点者:50' 高杉亮太(愛媛)、90'+1 苔口卓也(富山)、90'+5 福田俊介(富山)
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12試合ぶりの勝利が目前だった愛媛。年間目標13位を達成するためには勝利が条件だった富山。どうしても勝ちたかった両者の明暗が終了直前のわずか数分で入れ替わった。

1点リードの愛媛は後半43分、CKをキープして時計を進めようとした。富山の反撃に遭いながらも守りは耐えていた。逆にカウンター攻撃から追加点を奪うチャンスを何度も作っていた。そのまま押し切る流れと思われただけに少し早めの時間稼ぎには違和感があった。しかし冷静に考えれば「選手の判断は理解できる」(バルバリッチ監督)。その後、審判から示されたアディショナルタイムは4分。まさかの展開が待っていた。

富山は左サイドからのロングボールをFW平野甲斐が頭で落とし、FW苔口卓也がスライディング気味に押し込んで同点に追い付いた。直後のピンチでは、FKからのヘディングシュートをGK鶴田達也が防いだ。そしてラストチャンス。ロングボールのこぼれ球をゴール左で拾ったMF関原凌河が、ドリブルでDFを振り切ってペナルティーエリア深くに侵入してセンタリング。中央で待ち構えていた福田がダイレクトで合わせてゴールネットを揺らし、まさに劇的な逆転勝利を完結させた。
渾身の仕掛けで決勝点をアシストした関原は「疲れていて不安はあったがスペースがあったので縦に行った。今季は試合に出られないことも多く、得点に絡むこともできていなかったので今はほっとしている」と話した。安間貴義監督は「この勝点3によって選手、スタッフ、サポーター、ファンといったカターレに関わるすべての人が目標達成をあきらめていないことを示せたのがうれしい」と語った。

両チームともにミスが多い低調なゲーム内容だった。監督は2人とも会見で、天皇杯から中2日の疲れと強い雨によるスリッピーなピッチ状態に苦しんだことを認めた。
しかし、富山の安間監督は悪条件を考慮したとしても前半の戦いぶりに納得がいかなかった。守りを固める愛媛に対し、ボールを保持しながらも効果的な仕掛けが乏しく、シュートは1本だけだった。敗れた前節の岡山戦と似たもどかしい状況に陥っていた。ずぶ濡れになりながらピッチサイドに立ち続け、ハーフタイムには「サッカーと真剣に向き合え」と選手を叱咤した。

愛媛はトップ下に起用されたMF東浩史らスピードとテクニックに優れた前線の選手たちがゴールを脅かした。後半5分、ゴール前で仕掛けた東に対応した相手選手にボールが当たって右サイドのDF裏へと転がった。走り込んだDF高杉亮太がチャンスボールを逃すことなく、豪快にニア上に蹴り込んで先制点を挙げた。

富山は苔口やFW平野甲斐を投入し、[3-2-3-2]のフォーメーションで反撃態勢に移行。ロングボールを起点に何度かチャンスをつくった。ここまでも前節・岡山戦を再現するような展開だったが今回は違いをみせた。リスクを承知で福田を前線に上げ、「最後はなりふり構わない攻め」(安間監督)で2得点をもぎ取った。

過去の富山は頑張りながらも相手の決定力に屈するケースが多かった。今回は逆にゲーム内容は悪くても力づくで勝利を引き寄せた。「勝たなければいけない」と位置付けた試合で勝ち切ったことも評価できる。お人好しの善戦マンではなく、したたかで強引な勝負師の顔がかいま見えた。「こんなゲームを続けていても先はない」とMF大西容平が反省したように苦味のある勝利ではあったが、もしかするとこれが次の段階へとチームが脱皮しようとしている兆しなのかもしれない。残り2試合、内容を伴う勝利によって確かな手ごたえをつかみたい。

以上

2011.11.20 Reported by 赤壁逸朗
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