今日の試合速報

チケット購入はこちら

J’s GOALニュース

一覧へ

【J2:第36節 湘南 vs 徳島】レポート:徳島が敵地で逆転勝利を挙げ、昇格争いの最終局面へ。湘南は今季2度目の5連敗。(11.11.20)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
11月19日(土) 2011 J2リーグ戦 第36節
湘南 1 - 2 徳島 (17:04/平塚/3,680人)
得点者:22' 田原豊(湘南)、61' 徳重隆明(徳島)、77' 徳重隆明(徳島)
スカパー!再放送 Ch183 11/21(月)後02:30〜
☆totoリーグ第4ターン開催中!
J2シーズン表彰 投票受付中!!
----------
足元から吹き上げるように細かな雨が舞っている。傘がほとんど意味をなさない荒天にスタジアムは包まれていた。蹴り上げられたボールは大きく押し戻され、転がろうとしても時に急ブレーキがかかる。秋の空にも似た気まぐれな行方に対し、リアクトが速かったのは湘南のほうだった。選んだ風上の利を活かし、前線では田原豊が裏を狙い、菊池大介も活発に動いた。ゴールへ向けてパスを繋ぎ、次第にリズムに乗っていく。

ペースを掴んだ湘南の先制の場面は22分に訪れる。中盤でカットすると、高山薫を経て左サイドに流れた菊池へと素早く繋ぐ。菊池のクロスにぴたりとヘッドを合わせたのは田原だった。高い打点から叩きつけられたボールが力強くネットを揺らす。

風下の影響は大きかったろう、先制を許した徳島はその後もディフェンスで後手を踏み、パスミスで流れを失した。攻め込んだ先の柿谷曜一朗のシュートも、湘南DFにコースを消されている。ゴールを挙げて威勢を増すホームチームとは対照的な展開だった。

美濃部直彦監督は振り返っている。
「前半は苦しいボールを入れられて失点してしまった。勝つには難しい状況が増えたが、自分たちが昇格したいなら戦う気持ちをもっと前面に出して逆転まで持っていってほしい、とハーフタイムに選手に伝えた」

エンドの換わった後半、徳島はドウグラスを投入し、風も味方にして前線の動きを活性化させた。クロスを多用し、徐々に敵を押し込んでいく。

防戦に回っていた一方の湘南にとっては不意を突かれた格好かもしれない。クリアボールを西嶋弘之が頭で押し返し、前線の佐藤晃大がDFを背に体を張る。そしてバイタルに躍り出た徳重隆明が狙いを定め、同点弾を仕留めた。前半はリアクトでまさっていた湘南の間隙を縫う素早い反応だった。

「勝点3を積み上げたかった」と、徳重は語る。ベテランのゴールで61分に追いついた徳島は、左サイドの西嶋を筆頭にクロスを重ね、相手ゴール前の勝負へと持ち込んでいく。対して湘南もはね返して凌ぐ。しかし、77分だった。敵陣でクリアボールをカットした柿谷がそのままドリブルでなかへ切り込むと、同期するようにスペースへ駆け上がった徳重がパスを受けるや右足を振り抜く。地を這うようなシュートはGK西部洋平の手をも弾き、ボールは逆転のラインを跨ぐのだった。

一転して追う立場となった湘南は、しかし先制ゴールを挙げた田原がこの日2枚目の警告を受け、数的不利を余儀なくされる。高山が幾度か左サイドから仕掛けるもゴールには届かない。かたや徳島は時計の針を巧みに進め、逃げ切りに成功した。

歴史を刻もう――徳島サポーターが掲げた横断幕が風雨のなかで誇らしげに浮かび上がる。残すところあと2戦、J1のある街を実現すべく、悔いなき戦いを尽くしたい。そして誇りを絶やさぬは湘南とて変わらない。「持てる力を全力で出していく」反町康治監督は絞った。信条であるはずの粘り強さを尽くし、つぎの一戦に注ぎたい。サッカーは続いていく。

以上

2011.11.20 Reported by 隈元大吾
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

旬のキーワード

最新動画

詳細へ

2025/12/21(日) 10:00 知られざる副審の日常とジャッジの裏側——Jリーグ プロフェッショナルレフェリー・西橋勲に密着