前日の大雨が上がり、青空がのぞく万博記念競技場で、Jユースカップ決勝トーナメント初戦の2試合が行われた。
★2011 Jユースカップ特集ページ
■第1試合
大宮 6−0 明倫/万博
得点者:22'小沢佑太(大宮)、37'小山大貴(大宮)、52'中山雄希(大宮)、72'中山雄希(大宮)、75'中山雄希(大宮)、88'中山雄希(大宮)
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第一試合は大宮ユースと明倫クラブの一戦。この試合の注目はツートップの出来にあった。大宮ユースの中山雄希と小沢佑太のコンビと、明倫クラブの白山晃と飴野和貴のコンビ。共にチームの看板となるコンビに、立ち上がりからボールを集め、攻撃の糸口をつかもうとする。
リズムをつかんだのは総合力で優る大宮だったが、中山と小沢が敵陣深くまでボールを運ぶものの、中央をがっちりと固めた明倫ディフェンスを切り崩すことが出来ない。逆に10分にはカウンターから飴野に右サイドの突破を許し、折り返しを白山にフリーで狙われる。これはGK正面を突いたが、明倫の一瞬の隙を突くしたたかさに、大宮は苦しんだ。
しかし、徐々に中盤でのポゼッションと、右サイドの小山大貴、左サイドの平野篤志の突破力を生かしながら、大宮が中盤を制圧し始めると、22分、右サイドを破った平野のグラウンダーのクロスを、中央で小沢が合わせ、大宮が先制に成功する。
身体を張って応戦していた明倫は、猛攻をしのぎながらツートップにボールを送ろうとするが、間延びした中盤を埋めるのは至難の業だった。37分に再び平野の右からのクロスを、ファーサイドで小山がどんぴしゃヘッドで合せられると、52分にはDF飯高颯生のクロスを中山にヘッドで決められ、3-0。これで勝負は決した。
明倫はGK松崎知晃が再三ファインセーブを見せるが、72分、75分、88分に中山が立て続けにゴール。終わってみれば大宮が中山の4ゴールを含む、大量6得点を奪って、6-0の圧勝。2回戦にコマを進めた。
「まだ余裕を持って試合を進められない」と大宮・横山雄次監督は厳しかったが、「グループリーグ敗退もあったのに、ここまで来れたのは選手の粘りがあったからこそ。次も一丸となって戦いたい」と、次なる相手・広島ユースに向けて、モチベーションを高めていた。
■第2試合
神戸 2-1 鹿児島/万博
得点者:23'肥後紀之(鹿児島)、24'岩波拓也(神戸)、84'松村亮(神戸)
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第二試合は神戸ユースvsアミーゴス鹿児島。全国的にもトップレベルの戦力を揃える神戸ユースと、街クラブの強豪・アミーゴス鹿児島の一戦とあって、立ち上がりから激しい中盤の攻防が展開され、開始からほぼ互角の状況が続いた。
見物は井上哲大、前田凌佑、宮村哲朗による神戸のトライアングルと、肥後紀之、村岡勝宗、蓑田直城が形成する鹿児島の逆三角形による中盤決戦。共に運動量があり、キープ力とパスセンスを持って、攻守の原動力となるだけに、ここの攻防は非常にレベルが高かった。お互いに素早い寄せでつぶし合いながらも、しっかりと繋ぐところは繋いで、試合を締まったものにした。特に鹿児島はマンツーマンディフェンスを敷き、鋭い出足と激しい球際で、神戸にポゼッションサッカーをさせなかった。
23分に肥後がヘッドを沈め、鹿児島が先行すると、そこからのキックオフの流れですぐさま神戸がPKを獲得。これをU-18日本代表DF岩波拓也が豪快に決めて1-1。試合内容同様に、スコアもがっぷり四つの前半となった。
後半も状況は変わらない。一向に衰えない鹿児島の猛プレス。セカンドボールをことごとく拾って、ワントップのFW仮屋宣博に集約し、彼のポストプレーから、2列目が一気に飛び出して何度も何度も神戸ゴールに襲い掛かった。
これに対し、神戸は「両サイドバックをあまり上がらせず、相手の攻撃をけん制しながら、サイドハーフのところで1対1を仕掛けたかった」と野田知監督の意図通り、右サイドの高見啓太、左サイドの小林成豪をワイドに張らせ、鹿児島のプレスに苦しみながらも、サイドに展開して、彼等の突破力に懸けた。
この采配が最後にモノを言った。84分、猛攻を仕掛けた神戸は、小林の左からのクロスを中央で前田が中継し、最後は交代出場のMF松村亮が豪快にけり込んだ。このゴールで白熱の一戦に終止符が打たれた。
2-1。勝利をしたのは神戸だったが、この試合、鹿児島のフィジカルの強さと、全員のハードワーク、縦パスの精度の高さが非常に目立った。戦力的には明らかに上を行く相手に、真っ向から立ち向かい、ショートパスを織り交ぜた、柔と剛の攻撃で神戸を苦しめた。
「実はこの大会でアミーゴスとしての活動は最後なんです。来年はFC鹿児島(九州社会人リーグ1部)の下部組織として新たなスタートを切ります」と磯野傑監督が語った様に、アミーゴスとしてのラストゲームとなってしまったが、彼等の見せたサッカーは見る者に感動を与えてくれた。
街クラブ勢がすべて大量失点で姿を消す中、彼等は最後まで勇敢に戦った。この誇りと意地は、チーム名が変わっても、伝統としてしっかりと受け継がれていくだろう。
以上
2011.11.21 Reported by 安藤隆人
J’s GOALニュース
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