11月26日（土） 2011 J1リーグ戦 第33節
Ｇ大阪 1 - 0 仙台　（14:04／万博／18,001人）
得点者：25' イグノ（Ｇ大阪）
スカパー！再放送 Ch181 11/29（火）深00:00〜
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ガンバ大阪にとっては残された優勝の可能性を自ら断ってしまわないためにも、最低でも『勝点３』が必要とされた今節のベガルタ仙台戦。加えて、西野朗監督の今季限りでの退任が発表された中でのホーム最終戦ということも、選手たちの『勝ち』への執念をより強めていたと言えるだろう。結果的に言えばその思いが結果に色濃く表れた一戦だった。序盤から、今季最少失点を誇る仙台の守備に苦しめられたのは事実だが、25分にFWイ・グノによって先制点を手にすると、それを最後まで全員で守り切り、勝利をたぐり寄せた。

DF山口智が出場停止の中、DF金正也が開幕戦以来となる先発メンバーに。また前節のアルビレックス新潟戦で２ゴールを挙げ、執念のドローに貢献したFW川西翔太がリーグ戦初先発を飾る。中盤はいつものボックスではなくダイヤモンドに。MF明神智和が１ボランチに、２トップの下にFW川西を据えてキックオフを迎える。対する仙台はMF松下年宏が出場停止になる一方で、DFチョ ビョングクが出場停止があけ、３試合ぶりの戦列復帰。またMF高橋義希が８月27日の山形戦以来、約３ヶ月ぶりの先発出場を飾る中、4-4-2のシステムで、守備意識の高い立ち上がりをみせる。
キックオフ直後はG大阪の攻撃、仙台の守備が際立つ展開に。それでも仙台の堅守を前に、G大阪はなかなか決定的な形を作り出すことが出来ない。しかも中盤でボールを奪われると一気に仙台のサイド攻撃にさらされることも。そこは仙台も精度を欠いたこともあって、しっかりと凌いだが、お互いの『色』のせめぎ合いに、緊張感漂う時間が続く。
そんな中、ようやくG大阪らしくボールを動かして攻撃チャンスを作り出したのは23分のこと。DF中澤聡太からの縦へのロングボールを受けたFW川西が簡単に左サイドにはたくと、DF藤春廣輝が絶妙のクロスを前線へ。それにあわせたFWラフィーニャがシュートを試みるが、ここはすかさず身体を張った仙台の守備陣にブロックされ打ち切ることができない。だが、万博スタジアムが大きなため息に包まれたのもつかの間、その直後の25分。再び、左サイドのDF藤春のクロスにFWイグノがファーサイドで頭であわせ、待望の先制点をものにして前半を折り返す。
「ラフィーニャとグノが中に入っているのが見えたので、浮かせていいボールをあげれば決めてくれると思っていました。ラフィーニャが競った裏にグノがいいところにいてくれました（DF藤春）」

後半も立ち上がりこそペースを掴んだG大阪だが、60分を過ぎるとロングボールを多用しながら反撃に出た仙台がペースを握る。特に64分にFWディエゴがピッチに立ってからは、G大阪を押し込む展開に。68分にはカウンターからMF関口訓充が、72分にはFW太田吉彰が決定的なチャンスを作り出すが、フィニッシュの精度を欠きゴールを奪えない。この押し込まれた状況に手を打つべく、G大阪は75分を過ぎて中盤をいつものボックスに戻して対応。「ディエゴが入って来たし、攻め残りする可能性もあったので、ダブルボランチにして真ん中をしっかり締めたかった（MF遠藤保仁）」と中盤のバランスの修正を図る。それによってややペースを取り戻したかに見えたG大阪だったが、仙台が80分にFW武藤雄樹、FW中島裕希というフレッシュな選手を２人同時に送り込むと、彼らの走力を活かした展開から再びペースを掴んだ仙台がそこから怒濤の攻撃を展開。３分のアディショナルタイムにはカウンターからそのFW武藤が決定的なチャンスを迎えるが、ここはカバーに入ったG大阪のDF金の守備力が光り、ゴールを許さず。チーム全員で『先制点』を守り切ったG大阪が勝利を手にした。
しかも、決戦前のミーティングで西野朗監督が「サッカーは何が起きるか分からない」と選手たちに伝えていた通り、試合後には、優勝を争う柏レイソル、名古屋グランパスの結果により、G大阪にも優勝の可能性が最終節に残されたことが明らかに。その事実にホーム最終戦のセレモニーで挨拶にたったキャプテンMF明神は、多くのサポーターを前に「最高のシナリオ。最終節で必ず勝ってミラクルを起こしますので、一緒に戦って下さい！」と声を張り上げた。

以上

2011.11.27 Reported by 高村美砂