水曜日のヤマザキナビスコカップで鹿島に0−1で敗れた大宮が、ホームNACK5スタジアム大宮にC大阪を迎える。大宮はここまでリーグ戦4試合とカップ戦2試合を戦って1勝2分3敗と、どうにも波に乗れていない。一方のセレッソはリーグ戦4試合とカップ戦1試合を終えて2勝1分2敗とまずまずの出来。セルジオ ソアレス新監督の下、規律と運動量を掲げ、昨年までの攻撃偏重からバランスを修正。前節の仙台戦では2失点を喫したものの、それまではG大阪戦でのフリーキックによる1失点のみ。前節はセンターバックのキャプテン藤本康太が出場停止だったことを考えれば、やはり今年のC大阪の守備は堅い。自慢の攻撃力には、清武弘嗣とキム ボギョンのU-23日韓代表が好調をキープしているのに加え、昨年のブラジル選手権で13得点を挙げたFWケンペス、MFブランキーニョの新戦力もフィットし、結果を出している。水曜日のカップ戦の日程も外れ、中1週間でコンディションも良い。前日になって清武が左腓腹筋痛を再発し出場は微妙との情報も入っているが、代役を務めるであろう柿谷曜一朗も十分に危険な選手。NACK5スタジアム大宮で一昨年の開幕戦で3−0の大勝の記憶があるとはいえ(昨年の対戦の舞台は熊谷陸上競技場)、大宮にとって与しやすい相手ではない。
大宮は第3節の仙台戦で東 慶悟が右足首捻挫を患って以降、苦しい戦いが続いている。上田康太をボランチに入れ、カルリーニョスをトップ下に上げる布陣で対処しているが、ワントップのラファエルはサイドに流れたり下がった位置でボールを受けて起点になるものの裏に抜ける意識に乏しい。トップ下のカルリーニョスも低い位置でゲームを組み立てたがるため、上田とポジションチェンジはするものの、「トップの近くに中盤が1枚いる状態にできていない」(青木拓矢)。そのためトップが孤立、あるいはトップレスの状態になり、左サイドのチョ ヨンチョルによる単騎切り込みしか攻め手がない状態に陥っている。東は既に全体練習には合流しているものの、「まだ100%ではできてない」(東)状態で、出場は難しそう。水曜日の鹿島戦の終盤のようにチョをFWに近い位置でプレーさせたり、あるいは裏への飛び出しも得意な金久保 順をトップ下で起用するなど、鈴木淳監督がいかに修正を施してくるのか注目だ。
その鈴木監督は、試合前日の非公開練習の後、C大阪の印象について「中盤にはセレッソらしいコンビネーションがまだ出ていない」と見ている。「扇原からの縦パスでスイッチが入るのではなく、サイドに散らして起点を作って、そこからクロスを入れてくる」攻撃であれば、守備ではコンパクトに保ってセカンドボールを拾い、攻守の切り替え速く主導権を握りたい。システムは同じ4−2−3−1で、ポゼッションをベースに攻撃的サッカーを標榜するのも同じで、「中盤での争いに勝ったほうが試合を優位に進められる」(金久保)。大宮が東を欠くため2列目の攻撃力ではC大阪に軍配が上がるが、上田とカルリーニョスを青木がサポートする中盤の構成力・展開力では「僕らの方が良い」(金久保)。セルジオ ソアレス監督はカルリーニョスへのマンマークを示唆しているというが、そのぶん上田に自由が与えられれば、決定的な仕事をしてくれるはずだ。
「中盤の争いで負けられないし、負けたくない」(金久保)と、似たスタイルのチームとの対戦だけに選手たちも闘志を燃やしている。C大阪が一昨年の開幕戦の借りを返すか、大宮が昨年チャンスを外し続けて0−0に終わった試合のケリを付けるか、攻撃的4−2−3−1システムがぶつかりあう注目の一戦だ。
以上
2012.04.06 Reported by 芥川和久
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