何やら政局が混乱してきたが第7節を迎える甲府に混乱の予兆はあるのだろうか。大分とはシーズンパスとクラブサポーター数を競っているが、こういう数字はチームに対する期待と興味の表れでもある。それだけを正比例で表しているわけでもないけれど、ここで連敗なんてするのはまずい。今年の甲府はいいスタートを切り、悪くない戦いをしているが、6節を終えた段階で2位から10位は混戦状態。この中から抜け出して行くには精度やスキルなど向上させなければならないことは少なくない。今節はその第一歩にしたい。
前節、北九州に力不足を思い知らされる結果となり甲府はいいきっかけを、勝点3を代償として手に入れた。悔しい思いを経験と力にするのがこれからの甲府のやりかた。翌日の草津とのトレーニングマッチも草津が積極的に戦う姿勢を発揮してくれたので、北九州戦に出場しなかった選手にもいい刺激になった。トレーニングマッチのハーフタイムに城福浩監督は、「プロ意識を持てよ。点を取れよ」と厳しい口調で話した。言葉の一部しか聞き取れなかったので、あとで城福監督に聞くと「(チームとして)クオリティを追求するが、最後は当事者意識を持たないと駄目だと思う。『(チームとしての)やり方がどうか』、『味方とのコンビネーションがどうだ』という言い方にならないようにしたい。最後は誰が点を取るのか、誰が守るのかというメンタリティの部分」と話した。
北九州戦と草津とのトレーニングマッチは、(リスクを背負ってでも)先発メンバーを替えることに気持ちが傾く結果なのかどうか聞いた。城福監督は「何が問題で、チームがより高みに行くには何が必要か。感情論ではなくてロジカルに見極める必要がある。自分たちがやろうとしているサッカーの中で見極める。理想は上手く行きながら少しずつ刺激を与える循環だが、そのためには安定が必要。チームに安定がないとその循環に行かない」と安定の必要性を説いた。もう少し同じメンバーで安定の期間を作りたかったのではないかと思うし、勝点も積み重ねることが出来たと思う。しかし、今節は変える決断をするようだ。それだけホームで敗れたということは大きな刺激だった。
今の甲府はボランチの2枚ともに守備に軸足を置いた状況なので、どちらかを代えるという判断は難しい。しかし、新たに入る選手がどちらかと言えば攻撃に軸足を置いたタイプになることは容易に判断がつく。井澤惇だ。そして、そこで何を期待するのか。オーブントースター戦術で攻撃的な選手を1枚増やすだけではない。電子レンジのように複雑。「チームで細かく分析しているので要因を詳しくは言えないが、今の一番の問題は縦へのパスが少ないこと。ビルドアップには縦のパスを入れるための横パスがあって、横パスのためのビルドアップではない。それに今のスキルでも縦にボールを入れることはできるはず。横パスから3人目の動きを許してくれるほどJリーグは甘くない。また、縦パスを入れるということは選手一人・二人の関係だけでもない。まだまだまだ満足できる状況にはない」と、縦パスを攻撃の進化のキーワードに挙げる。
大分戦で『縦パス』というキーワードに沿ったプレーをどれくらい感じ取ることが出来るか分からないが、ツートップに頼りすぎていたここまでの戦いから進化することもこれからの主要テーマで、縦パスがその鍵でもある。「ムービングフットボール」という言葉がひとり歩きしている感があるが、相手陣内の深い位置に縦パスを入れることでギャップを作り、それが出来ることで3人目の動きが出やすくなる。ただし、オートマチックではない。2ヶ月ほど練習しただけで「ムービング」するわけなんてなく、リーグ戦の中で安定する時期と、安定ゆえに起こる壁の出現と、それを乗り越えるための進化を繰り返すことで、スキルと判断の手数が増えて「ムービング」するものだと思う。至極真っ当な積み上げを我慢強くやってこそ「ムービング」の花は咲くはず。
以上
2012.04.07 Reported by 松尾潤
J’s GOALニュース
一覧へ【J2:第7節 甲府 vs 大分】甲府側プレビュー:進化のキーワードは縦パス。大分相手に『縦パス』の意識を見せて進化の第一歩をホームで披露したい甲府(12.04.08)













