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【J2:第7節 北九州 vs 鳥取】レポート:北九州がJ2昇格後初の4連勝。プレッシャーを課した試合で結果残す。(12.04.09)

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北九州が4連勝を飾った。これはJ2昇格以降初めてであり、カテゴリーは違うがJFLにいた頃も3連勝が最多で、チームとしては九州リーグ時代以来の快挙となった。

北九州は昨年も3連勝はあるが、その時は自分たちの動きを縮こまらせる可能性もあり連勝は意識しなかったという。しかしキャプテンの木村祐志によると、今回は「自分たちが意識した状態でどうなるか試した」。4連勝というプレッシャーを自らに課して、結果はどちらに転ぶのか――。チームが成長するためのメンタリティの強化に北九州は挑戦し、果たして勝点3と重圧をはねのけうる成長の糸口を手にした。
奇しくも今節を終えての順位は6位。シーズン終盤戦で6位や2位以内に入るかどうかの瀬戸際が訪れるかもしれない。そのシミュレーションができたとも言えるだろう。

ゲームを振り返ってみると、前半は落ち着かない内容だった。それはハーフタイムに両監督が送った指示にも現われている。『冷静に落ち着いて、慌てずにプレーしよう』とは北九州の三浦泰年監督。鳥取の吉澤英生監督も『ボールを奪ったあとに慌てずに勇気を持ってボールを動かそう』と指示を送った。その言葉のとおり、前のめりにさえなっていた前半は数回のパス交換をしたあとでイージーなミスでボールを失うことが多く、双方のシュートはわずかに5本にとどまった。

北九州のゲームはやはり後半に動き出す。

後半の立ち上がりこそ鳥取がフィールドプレーヤー全員が北九州陣内に入ってボールを保持していたが、次第に押し込められると北九州が中盤のスペース、背後のスペースを巧みに突いていきリズムを取り戻す。
そして62分。新井涼平が人の密集していたペナルティエリア内に縦パスを送ると、竹内涼がワンタッチで流し、そこに走り込んだのが「とっさに足が出た。いい方向に抜けていった」と話す渡大生だった。渡は右足で軽やかに竹内からのボールを左にいなすと、そのままGKをも抜いてゴール左方向から誰もいないゴールへ先制のシュート。早くも今シーズン3点目となるゴールで勝利をぐっと引き寄せた。

ただ鳥取も粘り強さが特徴。先制点後に北九州が守勢に回ったこともあり、終盤は鳥取がクロスボールを何度となく供給してゴールに肉薄。87分には高さのある内間安路を入れて「ある程度パワープレイをリスク覚悟で」(吉澤英生監督)攻撃を展開したが、最後までゴールネットを揺らすことはできなかった。

北九州はプレビューでも触れた新加入選手たちが躍動した。自分のことだけを優先したプレーがなく、木村や安田晃大らのアイデア、展開力がフレッシュな選手たちの動きを引き出しているとも言えよう。
欲を言えば追加点を取って試合をさらに優位に進めたかったところではあるが、プレッシャーを課した状態の中であっても11人の献身的なプレーが連続して繰り出され、チーム全体がひとつの集団になってきたことが感じられた。選手の距離感、連携は今後も向上していくだろう。今はまだ1点差の辛勝が続いているが、チームが個人ではなく集団として一つの方向へと進めば必ず結果は望む以上についてくる。「選手全員のモチベーションを保ちながら、我々の目指すところに向かってしっかり精進できれば」――。三浦監督の言葉も心強い。

もちろん鳥取にもそれは言えることだ。結果は敗戦ではあったが、下を向く必要はない。前線からのディフェンスや終盤の粘りという鳥取らしさは出ていた。まだ精度やスピードには課題がありゴールにはなかなか結び付いていないが、自分たちのサッカーを見失わず、ブレずに継続していきたい。

次の対戦ではさらに成長した両チームの姿が見られるだろう。再戦を心待ちにしながら筆を置く。

以上

2012.04.09 Reported by 上田真之介
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