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【J2:第8節 熊本 vs 松本】プレビュー:初対戦となる松本山雅を迎える熊本。2試合ぶりの勝点3へのポイントは、「自分たちの力を出せるかどうか」、ただその一点。(12.04.15)

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「ここまでは数字が示す通り、という印象です。点は取れてるけど失点も少なくない。自分が熊本に来た2年前に比べると、選手の力も、やっていることもレベルアップしていると思う。でも…、結果がついてきてない難しさは感じますね」
2勝1分4敗という数字を受けて南雄太はそう話した。順位を決めるのは42試合を戦って積み上げた勝点であり、シーズンを終えて内容を語る際にも、数字が意味する成績が大きな判断材料になるのは確か。しかし、1つの試合において内容と結果は常には一致しない。たとえば今季初の完封勝ちを飾った6節の岐阜戦、試合運びという観点を別にすればゲーム内容は決して良くなかった。一方、前節の栃木戦は、1人少ない時間が長かったことも影響して0−2というスコアほどの差があったとは感じられず、内容的にも押し込まれっぱなしだったわけではない。

ただ、そうした解釈をするなら今節迎える松本山雅も同じ角度で見る必要がある。高木琢也監督が「勝ってないからこその怖さがある」と口にしたのは岐阜についてだが、似たようなシチュエーションにある松本山雅も、勝利を希求する思いが大きく膨らんでいることは想像に容易い。3節北九州戦での初勝利以降、4試合勝ちがない状態で現在20位と苦しい状況にあるものの試合内容は徐々に良くなっている。結果が出ていないからと甘く見るようなことが万が一でもあれば、足元をすくわれかねない。

13日の練習後、高木監督は「反さん(反町康治監督)のことだから、もしかしたら変えてくるかもね」と話していたが、松本山雅がこれまで通りという前提で考えれば完全にかみ合う3-4-3同士で、ポイントになるのは両サイドの攻防。熊本は前節、前からのプレッシャーを意図して今までよりやや高い位置をとったが、先制を許した場面では右サイドから裏のスペースを使われている。松本山雅も岡山戦で同じような形から失点していて、最終ライン脇のスペースを3人のDFとワイドの連携でいかにケアするか、攻撃においては効果的に狙えるか、そのせめぎあいが双方にとってカギとなる。
「うまく入れ替わったりして、仕掛けるところは積極的に仕掛けたい」と、ここまで3得点を挙げている武富孝介が話すように、ギャップを作らせる狙いを持った攻撃陣の連動と、それに対するサポートが不可欠。加えて、ゲームの流れを左右するのは、やはりセカンドボールの争いだ。

松本山雅は前節、それまでの片山真人に替えて塩沢勝吾を先発に起用している。今節も塩沢か、あるいは片山に戻すのか、それとも別のプランか。反町監督がどんな策をチョイスするかはオーダーが出るまで分からないが、いずれにしてもトップのポストワークで起点を作らせると1.5列めの弦巻健人と船山貴之が飛び出し、鐵戸裕史と玉林睦実が左右から絡むチャンスを与えてしまう。状況に応じて押し上げるボランチの喜山康平と小松憲太には遠目から狙えるミドルもあり、チームの総得点が少ない状況から、積極的にシュートを打ってくる可能性は高い。

そうした展開に持ち込ませないために、まずは「目の前の相手をしっかり潰すこと」(廣井友信)、そして「相手より走る」(同)ことでスペースを埋めながら、セカンドボール争いを制したい。ボールを奪ってからは、クイックな切り替えでフィニッシュまで持ち込む推進力が求められる。前半を凌いで後半に勝負をかける松本山雅のパターンを踏まえると、アグレッシブな姿勢でゲームに入り、精神的なプレッシャーを与えることも重要だろう。「いい守備ができればいい攻撃につながってイニシアチブが取れると思う。ポイントは自分たちの力を出せるかどうか」と高木監督も言う。

地元出身の鐵戸をはじめ松本山雅には熊本に縁のある選手が少なくない。なかでも木島良輔は、その攻撃的なプレースタイルと個性的なキャラクターで、過去に在籍した歴代の選手の中でも最も愛されたと言っていい存在。かつて“こちら側”で我々と同じ赤をまとっていた頃には、チームエンブレムに描かれた暴れ馬のように、幾多の試合で記憶に残るプレーを披露してきた。それゆえ、仕事はさせたくないが元気な姿を見たいと望むサポーターも多いはず。熊本としては先手を取って試合を優位に進めた上で、緑に着替えた“利かん坊”(2009年J2第8節終了後の会見で、当時湘南を率いていた反町監督が木島を表したフレーズ)を早めに引きずり出し、なおかつ抑えこめれば、スタンドも大いに湧くに違いない。

冒頭の言葉のあと、南は続けている。
「同じ形でがっつり組むわけだし、対面の1対1でどっちが優位に立てるか。結果が出るのを待つ、と言うとおかしいけど、いい方向に行くことを信じて、やり続けるしかない。いい方向へ向けるには、やっぱり勝つこと」
これから先の、言わばクラブ同士の相性を方向付ける松本山雅との初対戦。将来にわたって「熊本はやっかいな相手」というイメージを深く植え付けるためにも、内容と結果の両面で、強烈なファーストインプレッションを鮮明に刻みたい。

以上

2012.04.14 Reported by 井芹貴志
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