本日、今季からキャプテンを務めるパウリーニョ選手の契約が、7月から期限付きではなく完全移籍になるリリースがクラブからありました。それに伴い今回の完全移籍に関する囲み取材がトレーニング後に行われました。囲み取材に応じた南省吾強化部長とパウリーニョ選手のコメントからは、今回の契約が双方にとってハッピーだったことが伝わってきました。また、どれだけクラブがパウリーニョ選手を必要としているのかも理解できましたし、パウリーニョ選手のクラブへの忠誠心も感じ取れました。あぁ、相思相愛の両想いなんだなあと。互いの強い思いがあったからこそ、今回の契約が締結されたと思います。
以下は南強化部長とパウリーニョ選手のコメントです。
●南省吾強化部長
Q:期限付き移籍から完全移籍に切り替える交渉をスタートしたのは、いつ頃からですか?
「去年の夏くらいからですね。本格的な交渉に入ったのは、今年に入ってからすぐですね。彼にはドイツの2部の上のチームの方から(獲得に関する)レターが届いていて、移籍の話がありました。実際にそのレターを私も見せてもらいましたが、パウリーニョ本人が栃木でプレーすることを希望していたので、そのオファーは成立しませんでした。ただ、彼の年齢や能力を考えると、その(他チームに移籍する)可能性があると。彼にかかっている違約金はヨーロッパの中規模のクラブが払える金額で、例えばオーストリアの1部、スイスの1部、ドイツの2部の上位、ブンデスリーガ1部の下位チームが一括払いできるような金額です。実際にオファーを出したドイツのクラブも、日本国内では上の方のクラブしか出せない金額を提示したそうです。そういう経緯もありましたので、そういうことにも(引き抜かれることにも)備えないといけないなとは思っていました」
Q:完全移籍の方向性で話を進める上で、パウリーニョ選手の反応は最初からポジティブなものだったのでしょうか?
「そうですね。パウリーニョ自身は、とにかく自分の権利を買ってくれ、と。それはこのクラブにお金を残したいからですよね。自分がどこかに移籍する時に違約金が発生するんだから自分の権利を買って欲しい、と。ブラジル人の感覚からすると、1年レンタルして活躍したのに、その後獲得しないことは有り得ないと。2年連続レンタルは有り得ない世界なんですね。だから、2年レンタルしたのに、なんで権利を買わないんだ、と。彼の権利を買うことが、彼に対する最大限の評価だと思うし、彼自身もこのクラブになんらかの物を残したいと思ってくれています。だから、自分の権利を買うことでクラブにお金が残るんだから、権利を買ってくれということは言ってくれました。彼自身はJ1でプレーして、それからヨーロッパへという目標があります。うちのチームでJ1に上がることが一番良いんでしょうけど、そうでなければ、来るべきタイミングが来れば、J1に移籍すれば栃木にお金が落ちるんだから権利を買ってくれと言ってくれていました。彼はこのクラブも、栃木の環境も気に行っているので完全移籍に関しては前向きでしたね。
昨年もパウリーニョを見るためにJ1のクラブが結構来ていました。怪我でその機会を逃してしまいましたけど。彼の代理人とは真剣に話しましたし、彼にとって一番良い移籍ができるようにというのは彼も彼の代理人も思っています。皆がハッピーになる移籍、うちもハッピーだし、彼もハッピーだし、移籍した先もハッピーになるような移籍ができるように話し合いはしました。それと金額が大きいので、色々と決裁をとるのに時間は掛かりましたね」
Q:栃木との契約期間中に移籍もあり得ると。
「そうですね。この世界では当然のことですから。有り得ると思います。こればかりは何とも言えません。彼を残したいばかりに売るチャンスを逃したくはないと思っています。1人でチームが成立しているわけではないですしね。クラブが存続するために出す判断もしなければいけないとは思っています。ただひとつ言えるのは、皆がハッピーになるような移籍のスキームは成立させたいなとは考えています。違約金が欲しいからどこのチームでも良いというわけではないです。彼もハッピーになる、納得して移籍できる、我々も気持ち良く送り出してあげられる状況ができるのであれば、それによって違約金が発生すればなお良いのかなと。それに対する私の躊躇はないです。一番大事なのは皆がハッピーになることで、お金の問題ではないです。それで(パウリーニョが移籍することで)クラブが良くなるのであれば、そういう決断をする時も来ると思っています。クラブを繁栄させることが私の役目でもありますから。今のところはハッピーな状況になっていると思います。契約に至るまでには社長以下の経営判断は簡単ではなかったと思いますけど、前向きな判断をしていただいたなと思っています。一担当として社長や会社の判断には感謝しています」
●パウリーニョ選手:
Q:完全移籍が決まった今の心境はいかがですか?
「嬉しいですね。自分が望んでいたことでしたから。栃木の環境には慣れましたし、自分は栃木が好きです。(完全移籍が)現実となって嬉しいです。自分も含めて皆にとって良い結果だったと思っています」
Q:怪我をしてからここまでの状況は?
「良い状態にあります。自分が考えていた通りになっています。昨日の紅白戦でもしっかりプレーできました。だいぶ状態は良いですが、努力して以前の自分に戻れるようにしたいですね」
Q:現状で足りない部分は?
「フィジカル面が第一ですね。長い時間試合に出ていなかったので、試合のペースをまだ取り戻せていません。1、2試合出ていなかった訳ではなかったので。時間が必要ですし、時間と共に取り戻せると思っています。それと共に自信も戻って来ると思っています」
Q:パウリーニョ選手の将来のビジョンを教えてください。
「プランは人生で必要なことだと思います。日々、慣れ合いにならないようにプランを立てることは重要ですよね。まず栃木をJ1へ上げる。その後、J1でしっかりプレーしてヨーロッパに行ければ良いかなと。プロサッカー選手は今日、ヨーロッパを目標にしている選手が多いですが、自分も同じように考えています。ただ、今は栃木としてJ1へ上がれたら嬉しいと思っています」
以上
2012.04.20 Reported by 大塚秀毅













