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【J2:第10節 岐阜 vs 横浜FC】レポート:復調の兆しが見えていた両者の対決は横浜FCが今季初の完封勝利で2連勝を飾る(12.04.28)

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前日までの強い風と雨が嘘のように、朝から青く澄み切った空が広がった。そんなお天気のお陰もあって、また大型連休がスタートする前夜ということもあってか、この日の長良川競技場には、平日ナイトゲームにも関わらず3,500人を超すたくさんのファンが、岐阜市内からの岐阜サポーターはもとより、首都圏から応援に来る横浜FCサポーターの姿も数多く見られた。

岐阜・横浜FC、両チームともに、リーグ開幕からしばらく経って味わった「勝利の味」。一足先にその味を噛み締めたのは岐阜。第8節(4/15)で4連勝していた北九州に今季初勝利を挙げ、翌9節・前節(4/22)には3連勝中の栃木から先制点を奪って岐阜らしさを出した戦いを見せ、幾度となくチャンスを作った。決定機をしっかりとモノにできず、試合終盤に追いつかれてしまったものの、上位を走る栃木を相手に勝点1を掴んだ。 そんな岐阜に今節立ち向かう横浜FCは、岐阜の後を追うように、前節 京都を相手に選手全員の気迫溢れるプレーでようやく初勝利。黒星を喫してしまったものの、試合内容としては素晴らしい戦いを見せた湘南戦(第8節)で得た確信と手応えが、ようやく結果という形となって表れた。 両チームが良いイメージを持ちがなら臨んだ今節、お互いに、作り出すチャンスをしっかり決めきれるかが、試合を大きく左右するポイントでもあった。

岐阜は試合立ち上がりからテンポがなかなかあがらず、試合の時間の経過とともに流れは横浜FCに。その大きな原因は「前半から、相手の選手に対して、ボールに対して、プレッシャーをかけることが出来ずに、簡単にボールを入れられてしまうことが多くて、相手の2トップの大きい選手に対してセンターバック・ボランチがケアをしていたが、両サイドのあがった後ろのスペースをつかれてピンチを招く場面が出てきてしまった」(岐阜・行徳浩二監督)ことにある。岐阜の前からのプレッシャーがない横浜FCは前半からくさびの意識が高かった。大久保哲哉・田原豊という大きい二人のターゲットを上手く使い、そこにしっかりとしたボールを入れ、二人も足元でキープしながら、着実にボールをゴールへと近づけて行く。またこの日は2列目の選手の「3人目の動き」の意識も高く、それが攻撃のリズムに拍車をかけ、33分にはそのような見事な展開から田原の先制点が生まれる。前線の中央で大久保がボールを受け、ゴールに背を向けた状態でしっかりキープ。それを既に左サイドに抜け出していた高地に出すと、ペナルティエリア内の田原へクロス。田原がしっかりと頭で合わせたそのボールは、きれいにゴールマウスに吸い込まれ、これがこの試合の先制弾となった。この日が30歳の誕生日だった田原は“お前がゴール決めてるのは練習試合だけだぞ”と山口監督からハッパを掛けられていたという。「誕生日に公式戦をやるのも初めてだったし、バースデーゴールを決めるというのも初めてだった」と、今季初ゴールを喜んだ。
「ウォームアップの時からあまり良い雰囲気ではありませんでした。」と話すのは服部年宏(岐阜)。 その雰囲気を何とか変えようと「チームに声をかけていた」(服部)が、雰囲気は変わらないま試合に入ってしまった上、失点してしまったことで、チームは初勝利からの勢いを自ら消してしまった。 何とか修正しようと、後半立ち上がりは前からボールに行くシーンが見られたが、それも後半も10分を経過するくらいには、そんな場面はすっかり影を潜めてしまった。判断も悪く、中盤が連動して動けない場面が次第に増えた。前線・中盤は前から取りに行きたいものの、クサビが入ることで自然とラインも下がらざるをえず、DFラインと中盤の間もあいてしまい、セカンドボールもことごとく横浜FCに奪われた。 横浜FCは拾ったセカンドボールや奪ったボールは、そこから連動した動きで幾度となくチャンスをつくり、しっかりとフィニッシュまで持ち込むことを続けたことで、追加点も生まれた。また シュートで終われなくとも、しっかりそれをコーナーキックやゴールキックにするなどしたことで、カウンターをくらう場面もほとんどなかった。 岐阜の数少ないチャンスも、横浜FCのしっかりとしたブロックに阻まれ、攻撃も単調になってしまった岐阜は、良いところをほとんど作ることが出来ず、リトリートした相手にどう崩すのかというプランも見えぬまま90分が過ぎてしまった。

「立ち上がりから重い感じで、試合をしているほうも楽しくは無かった」と話すのは服部年宏(岐阜)。「全体的に気の緩みというか、ムードが良くなかったです。チャレンジャーという気持ちが足りないし、自分たちの立場を認識しないといけません」と、この戦いを悔やんだ。 田原と同様、この日誕生日を迎えた 途中出場の梅田直哉選手(岐阜)は「プロ12年目で誕生日に試合に出ることが初めてなので、勝利を自分にプレゼントしたかったし、お客さんにも喜んでもらいたかったです」と、悔しさを滲ませた。

岐阜はすぐにアウェイで富山戦を迎える。 中2日での戦術的な改善はなかなか難しい。そこを支えるのは「メンタル面」であることは言うまでもない。
「立ち上がりからどんどんいくことが大切で、人に任せるようなことではいけない、自分がやるという意識が必要」(服部)「自分たちのやれることを一生懸命やる、100%やるということに対して、見直していかなくてはいけないかなと」(行徳監督)
もう一度スタートを切るように、試合の立ち上がりから戦う気持ちを見せた、積極的な姿勢を見せてほしい。

全てが後手後手になってしまい、良いところが見えなかった岐阜と、主導権を握り、良さ出しながら粘り強く戦った横浜FC。対照的な戦いだった。

以上
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